ある日の朝。
 久しぶりに人の寝る時間に寝て、人の起きる時間に起きたクルルは、眠気覚ましに顔を洗う。濡れた顔を上げ、鏡を見つめた。すっかり見慣れた地球(ペコポン)人の顔、身体。無意識にため息をつき、タオルで乱暴に水を拭った。
 この地球(ペコポン)人フォルムが、悩みの種なのである。
 地球へ散り散りに降り立った時、クルルも初めてその姿を見た。地球突入の瞬間に変化する算段であったため、当たり前と言えば当たり前である。
 鏡に映る自分の姿を見て、クルルは静かに動揺した。
(こんな、明からさまな)
 何が。性別が、である。
 ケロン人の姿形というのは、雌雄の区別が少ない。積極的にいわゆるステレオタイプ——後から分かったことだが、地球人の思う男女のそれとそう大差はなかった——を選び取らない限り、一目で分かるようなものではなかった。
 ケロン星は宇宙でも有数の軍事国家だ。
家父長制が強く息づく国の、その中枢とも言える軍で自らの性が女性であることをひけらかすメリットが無かったのだ。
 取り分けクルルは、幼少期から才覚を表し、良くも悪くも出る杭であった。軍に入ってからと言うもの、男性として振る舞い、男性社会の中で揉まれて来たのであった。
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以下メモ
クルル・ドロロ先天性女体化、擬人化
CP要素なし(夏美や小雪の妄想の中でちょっとあり)
ケロン星からペコポンに入るときに、地球人の見た目を獲得する予定だった。
ペコポンに入ったはいいものの、小隊みんな散り散りになる。
クルルもドロロも、自身の容姿を見て、地球人の見た目だと女性だと分かるものなのだなあ、と思う。
ケロン星人の見た目だと、正直男女の見た目の差はあまりなく、ステレオタイプの男性・女性の見た目や振る舞いを選ばない場合は分かりにくいものであった。
軍事国家で家父長制・軍人の規範がかなり強いケロン軍では、正直女性らしくすることが有利に働くことは無かったため、ドロロもクルルもそれに倣うようになる。
特に2人は、能力の高さからやっかみを受けることも多く、男性らしく振舞うことに拍車がかかることに。
2人とも地球人の見た目にはかなり動揺したものの、地球を侵略する上では仕方がないと受け入れる。
身長順はギロロ、クルル、ドロロ、ケロロ、タママ。
その後、それぞれのパートナーと出会うことになる。
クルルはケロロ小隊に合流してしばらく、恐らく他の面々には男性だと思われている? と感じる。
ドロロが合流したとき、2人は目を合わせて無言でびっくりする。
お互いのびっくりした顔を見て、お互いにもともとは男だと思っていたが、女であることを理解したことも伝わる。
紆余曲折あり、ドロロも小隊に復帰したあと、昔馴染みだというケロロやギロロのドロロに対する扱いを見て、疑問を抱くクルル。もしやこいつらもドロロ先輩のことを男だと思っている……???
ドロロがクルルラボを訪れる。
クルルもドロロが来た理由を察して、後からラボに入れないように人払いをする。
「まさかあのゼロロ兵長が女だったなんてなァ」
「それは拙者の台詞でござるよ、少佐殿」
「今は曹長だぜェ」
「して、本題でござるが。クルル殿は性別を隠しているのであろうか」
「今となっちゃあ隠しているつもりはねェんだがなァ」
そう、隠していないはずなのに、何故かばれていないのである。
クルルのすらりとした手足と身長、ドロロの透明感のある少年ぽさの中性的な雰囲気、本星所属時代の名残で低めに保った声、男女の別のない軍服がモチーフとなった服装などが相まって、中性的な2人の容姿となっているのだが、地球人の容姿に対する認識が余りなく、首を捻る2人。
「これ、どうしたらいいんだろう」皆まで説明するのもおかしなことな気がするでござる、とドロロ。
そもそも自らひけらかすことにメリットを感じないクルル。
2人はこれからも隠し通すことに決めた。侵略に対する価値観は違えど、これに関しては共同戦線(?)を張り、協力することに。
プルルが健康管理にやってくる。
クルルが女性であることにまずびっくりし、ドロロのこともクルルのこともなぜか男性だと思っているっぽい皆に二度びっくりする。
なんやかんや理由をつけて2人をラボへ引っ張っていくプルル。
「ど、ど、どういうこと!? どういうことなの!?」
「ええと、何から説明したらいいでござるか……」
「俺もドロロ先輩も、まあ見ての通りなんだが、何故か男だと勘違いされたままでなァ。面倒なんで男ってことになってるぜェ」
軍人であるからそのあたりは理解して、一旦納得しかけるものの、いや、となるプルル。
「クルル君はともかく、ドロロ君は何でケロロ君とギロロ君に男の子だと思われてるの!?」
「いやあ、拙者もさっぱり……」
「……もしかして、ずっと?」
一同沈黙。暗殺者ましては軍人を目指していなかった幼少期の頃から勘違いされていた、というのは軽くホラーではあるが、恐らく一番有力な説であることに気付いてしまったからだ。
「まあでも確かに……ベクトルは違えど2人とも男装の麗人って感じかもね」
キラキラ光る幻覚を見て、プルルはうっとなる。特にドロロは同い年なのに、と。
男装の麗人、の例えが全然ピンと来なくて、首を傾げる2人。
「とにかく、事情は理解したから、何か困ったら遠慮なく頼ってね!」
渋るクルルとドロロに対して連絡先をねじ込むプルル。
「終わったでありますかー?」
ラボのドアが開く。ケロロとギロロだ。連絡先をねじ込むためにめちゃめちゃプルルがクルルに迫っているところで、誤解したケロロとギロロから「プルルから離れるであります!/離れろ!」と威嚇されてしまうクルル。
ケロロとギロロを横目に見て、ニヤリと笑うと、そのままプルルの首に手を回す。
「え〜、僕たんがお姉様に迫られてたんですけどォ?」
「貴様っ!」
ギロロがクルルの首根っこを掴んで椅子ごと引き剥がす。
調子に乗り過ぎでござるよ、とドロロは苦笑いをした。
両手を挙げ、へいへいと軽くいなすクルル。
「プルルー、これから暇でありますか?」
「え? ええ、明日帰還予定だから今日は時間あるけど……」
「我輩、呑み会がしたいであります!」
ええ……という反応のドロロ、プルル。クルルは誘われていないと思ってモニターとキーボードに向かっていた。
確かギロロはお酒にかなり弱かったはずだが。
「ギロロ殿も嗜むつもりでござるか?」
「ござるからクルルも誘ってんじゃん!」
「クっ!?」
椅子ごと振り返るクルル。めちゃくちゃ嫌そうな顔。
「オッサン達の友情ごっこに混ざる趣味はないぜェ? 昔馴染みだけでよろしくやって来なァ」
シッシと猫でも追い払うかのように手を払う。
「ケロロ君が運べばいいじゃない」
「我輩がこの筋肉赤ダルマを運べるとでも? 嫌だよ重いし」
「さっきから聞いていればなんだ貴様は!! 俺は潰れんぞ!」
「そんなこと言って潰れなかったことないじゃん」
「ま、まあまあ。そうなったときは拙者が運ぶでござるよ」
あ? となるプルルとクルル。
「ドロロ君、もしかしていつもそうなの?」
「いつも、というか、まあ、忘れずに誘われたときには……」
内心こいつら……となるクルルとプルル。
「ギロロはいいとして、我輩を運んでくれる奴がいないであります! お願いお願いクルル殿!!!!」
「何で潰れる前提なのよ……」
「じゃあプルルが運んでくれるでありますか?」
「よ~く効くお注射なら打ってあげる♡」
「ひぃっ!?」
はあああああとクソデカ溜息を吐くクルル。絶対に面倒で行きたくないが、行かなかったらいかなかったでドロロが男2人を運ぶ羽目になるんだろうと思って重い重い重い腰を上げるクルル。
あと隊長の頼みじゃなかったら絶対に行かない。
「高くつくぜェ?」
「もちろん、我輩のおごりであります! "接待費"でありますよ!」
「それケロロ君のおごりじゃないでしょ」
普通の大衆居酒屋のボックス席。
ケロロとギロロが隣同士に座って、プルルが向かいに座る。
クルルとドロロがプルル側に座ったので、ケロロとギロロが「あ?」となる。
「クルル、貴様はこちらに座ればいいだろう」
「あァ?」
と凄んだところでめちゃくちゃ無意識にプルルの隣に座ったことに気付く。
どう誤魔化そうか、と思っていると隣のプルルと目が合う。
クルルがプルルの肩を抱き、引き寄せる。
「何で筋肉赤ダルマの隣に座んないといけないんスかねェ?」
「き、貴様っ!!!!」
「まあまあ、拙者がそちらに行くでござるよ」
「いや、でもクルルがこっちでありますよ」
ケロロがプルルの隣に座るクルルに嫉妬して、ぐいと手を引っ張る。
うぜぇマジでガチでめんどくせぇの気持ちで大舌打ちをするクルル。
「帰っていいスか」
「クルル殿! 拙者と席を交換するでござる!」
呆れたように見るプルル。プルルの隣がドロロになることで落ち着く。
幼馴染で盛り上がっている横で、ちびちびと酒を飲みながら、主にケロロとギロロのゆすりネタになりそうなものを聞き耳立てているクルル。
クルルに矛先が向きそうになった瞬間、プルル、ドロロ、クルルでケロロとギロロを瞬時に酔い叩き潰し、その場はお開きに。
ドロロがギロロを、クルルがケロロを背負って帰路につくことに。
「2人とも大丈夫? ごめんね」
「拙者は大丈夫でござるよ。クルル殿は大丈夫でござるか?」
「まあ、隊長はまだ軽いんで何とか。オッサンだったら転がして帰ってたぜェ」
自分より小さい身体でよく持ち上がるな、と感心するクルル。
こうみえても鍛えているからね、とドロロ。
あらゆる乗り物は飲酒運転となるため、背負って帰るしかない。
「じゃあ、なにかあったら連絡ちょうだいね!」プルルが帰っていく。
歩いている途中でケロロが起きる。
「んあ? わははー視点が高いー!」「ぐっ!?」
はしゃぎだすので、クルルの首が締まる。こいつ本当にマジで覚えとけよ、とクルルが思ったのもつかの間、「御免」とドロロが手刀で昏倒させた。
「いいのかよ隊長相手に」
「おや、これで済ますのでござるか? クルル殿は優しいでござるな」
笑いながら帰る2人。
次の日、ドロロとクルルの前に二日酔いの頭を引きずりながら正座させられるケロロとギロロ。
クルルの実験の実験台にされ、ドロロはただただにっこりと笑うだけで助けてくれず、ケロロとギロロの悲鳴が響き渡った。
この呑み会以降、プルルが訪ねてきて「女子会」を開くことが多くなった。
頻繁に呑みに行ったりするのも変なので、大体はクルルラボで人払いしてお茶会である。
ケロロに見つかり、「なんでクルルとドロロなの?」ってなるし面倒だけど、意味深なこと言ってはぐらかすクルル。
ケロロとギロロの中では、プルルはクルルが好き? いやそれとも逆? ってことになってるっぽい。
ある日、珍しく外に遊びに出たとき、「泥沼パイセンは安全だと思われてんのもシャクじゃねェ?」とか言い、プルルも乗り気になって、ドロロと腕を組んで帰ることに。
途中で「あれ、拙者、隊長殿とギロロ殿から敵対視されるだけでござらぬか?」とドロロが気付くものの、まあまあまあまあとなってプルルが絶対に離さないので、腕を組んで帰る姿をケロロとギロロに目撃されることに。
クルルが一芝居打つし、それにドロロは付き合わされるし、プルルはノリノリなので誤解が加速する。
プルルの腕を引くクルル。
「おっとぉ。抜け駆けかい? ドロロせーんぱい♡」
「抜け駆けもなにも、プルル殿とは幼馴染でござる」(こいつ何言い出してんだ、の反応)
「ふーん。"幼馴染"、ねェ」
「何が言いたいでござるか」(なんか仕掛けられているのは分かるがシチュエーションが共有されていないので何を言ったらいいかわからず警戒している顔)
「べっつにぃ~? なーんでもありませんけどォ?」
ドロロの顔を覗き込むクルル。
「うかうかしてるとォ、取られちゃいますよ? 可愛い後輩に♡」
小雪殿が読んでいた少女漫画から得た知識をフルスロットルで検索するドロロ。えーっとこういうときは……。プルルを背中に隠して言う。
「僕とプルルちゃんは友達、だよ。"まだ"、ね」
イケメン(女子)に(安全に)取り合いをされる夢のシチュエーションにご満悦のプルル。
ケロロとギロロの中では、ドロロとクルルがプルルを取り合っていることになってる(なっているというか芝居とはいえその場面を目撃したので)
ラボについて、
「……拙者の反応はあれでよかったのでござるか?」
「完璧」(大拍手)
「よかったみたいだぜェ」
ある日、敵性侵略宇宙人が攻めてくる。
その宇宙人は男性体しか生まれず、他星の女性体を攫い繁殖をすることで有名だった。
地球人の女性を攫いに来たのだ。
夏美だけでなく、冬樹も攫われてなんでだとなっていたら、「子どもはまだ『作り替える』ことができるからな」と敵が言い、ゾッとする面々。
飛行ユニットを付けてギロロが追いかけるも、敵の宇宙船の周りのバリアに阻まれてそれ以上進めない。
「異星人の成人男性は不要なんでね。厄介払いだ」どうやら成人男性は入れないようになっているらしい。
チッと盛大な舌打ちをするクルル。
「ドロロ先輩」
どこからともなくサッと現れるドロロ。
「承知」
飛行ユニットを付けて宇宙船へ飛び込もうとするドロロとクルル。
「おい! 俺たちは入れないんだぞ!」
「何をする気でありますか?」
「こちらは任せるでござる」
「隊長とオッサンは他のペコポン人の安全確保に努めな! これ以上人質が増えても敵わないんでな」
阻まれずに入っていくドロロとクルル。何がどうなっているんだ、と見送るケロロとギロロ。
宇宙船へ入り、出入口の見張りをしていた敵をまず音もなく昏倒させる。
何をしようとしているかの全容もつかめず、人質も取られているため、まずは慎重に人質のいる場所まで辿り着くことにする。
すごく小さい声だが、恐怖に息を呑む声と、嫌、という抵抗の声がした。
駆け付けると夏美が羽交じめにあい、敵の魔の手が伸びているところだった。
ドロロが夏美に迫っていた敵を気絶させる。クルルが白衣を脱いで夏美の肩にかける。
あのクルルに妙に優しくされ、ビビる夏美
夏「……なんか企んでるんじゃないでしょうね?」
ク「あ? 随分と元気そうだな。まず言うことがあんじゃねェか?」
夏「あ、ありがとう……」
ク「あー? 聞こえねェなァ? ワンモアプリーズ?」
夏「こいつ……!!!!」
やり取りを見て、元気そうだとホッとするドロロ。
- 別の部屋にいる冬樹を発見する。夏美が「冬樹!」と駆け寄ってしまう
- ド「待つでござる夏美ど……っ」夏美を庇い銃口を向けられるドロロ、注射針を首筋にあてられている冬樹、後ろから銃口を向けられ、両手を上げるクルル。
- 敵「ネズミが2匹。いったいどうやって侵入したんだ?」
- ド「冬樹殿を放すでござる」拳銃で顔を殴られるドロロ。
    - 敵「何勝手にしゃべってんだよ、質問に答えろ」
    - 夏美がドロロ、と悲鳴を上げる。さすがのドロロも、戦意喪失している夏美を守り、冬樹を助け出し、彼らよりは闘えるだろうが非戦闘員であるクルルを助けながら、手練れである敵を出し抜くのは難しく、睨みつけるに終始する(恐らく敵を殺していいのであればまだ勝機はあったかもしれないが)
- クルルもそれを分かっていて、交渉を持ちかける。「交渉だ。そこのぺコポン人と俺たち2人、人質を交換しろ」
- 夏/冬「クルル、ドロロ」2人が講義の声を上げるが、ドロロとクルルは動じない。
- 敵「はっ、聞けねえな! こいつらは地球を代表する宇宙外交官とウォーリアーだ。加えて女と子供と来てる。お前らにこれ以上の価値があんのか?」
- クルル「ペコポンは他星に外交関係がねェ。事実上の外交官らを拉致ったところで理解できる奴なんざ他にいねェよ」
- 他の敵が何かに気づく。「ん?……ははっ、なるほどな。お前らそんななりしてるがケロン人か!」
    - 「ケロン人?」クルルに銃を向けていた敵が、クルルの肩を掴んで無理やり振り向かせる。銃で顎を上げ、顔を覗き込んだ。
    - 「ほう、地球人に擬態しているわけか。この身体でも”そう”なんだな、おかげで見落とすところだっだ」
    - 「いやはや、身体能力の高いケロン人の雌がこうも簡単に手に入るなんて。我々は幸運だ」
    - 「え」夏美と冬樹の驚きの声がする。ドロロとクルルはこれに応えなかった。
    - 「ケロンってペコポン侵略しようとしてなかったっけ? なんでペコポン人助けに来てるんだ?」「まあいいんじゃね、細かいことは」下品な笑いを浮かべながら、無遠慮に衣服を弄っていく敵。武装を解除するためであり、衣服の下に隠していた武器や兵器が乱暴に放り投げられていく。「暗器に、兵器……これは何だ? 物騒だなあ」馬鹿にしたように笑う。ドロロは感情の無いように真っ直ぐに見据えたまま、クルルは俯いていて髪に隠されて表情は見えない。
        - 2人も「自分たちはいいけど、青少年の教育には悪いな」みたいなことしか考えていない
        - 夏美と冬樹は自分たちの代わりに無体にあっている2人を見て、ショックを受けている。
- 敵がお前らじゃ、交渉材料にならねえな、と言う。外交官やウォーリアーの方が価値がある、と。
    - ドロロがクルルをちらりと見る。クルルも横目で見て目を合わせ、はあ、とため息をつく。
    - 「ケロン軍元特殊科学科少佐、現地球先行特殊部隊所属、クルル曹長だ」※所属名調べる
    - 「ケロン軍元暗殺部隊所属、現所属同じく、ゼロロ兵長」
    - 「なっ!?」「あっははっは!!!! こりゃ面白い!!!! あの天才科学者様とトップアサシン様が女だったなんてな!!!! いいだろう、お前たちが手籠めになれば、あのケロン軍だって黙っちゃいないだろう。地球にはまたくればいい」
    - 冬樹を乱暴に夏美に投げる。夏「冬樹!」ドロロの髪を乱暴に引っ張り、夏美から引きはがす。
    - 敵がシールドを開く瞬間をクルルが見て機構を把握する。
    - ドアが開いた瞬間、クルルが飛行ユニットをドロロに向かって蹴り飛ばす。ドロロが受け取り、自分のものと合わせてドアの隙間から夏美と冬樹の背中に向かって投げ、装着する。
    - 蹴り飛ばされた夏美と冬樹は、余計なことをするな、と銃で殴られて床に伏せたドロロと、冬樹に向けられていた注射針を首筋に充てられているクルルを見た。
    - ク「地球への交渉材料をむやみに殺すわけにはいかねェだろ」的「ふん、まあいいだろう」
    - 地球のこども用に調整された睡眠薬のため、正直ほぼ効かないが、注射を受ける2人。縛られ、転がされる。
    - ク「敵は多くて10人といったところか。……ドロロ先輩、丸腰でどこまで行ける?」
    - ド「丸腰ではないでござるよ」頭の方に目線をやるので、クルルがドロロの頭を見る。髪留めが武器となるらしい。
    - ク「まあ俺も、ヘッドホンは奪われなかったからな」不幸中の幸いだ、とクルル。
    - 宇宙船が音を立て、上昇していくのを感じる。ク「恐らく、ドロロ先輩なら制圧するくらいなんてことないだろ。ただ、こいつらを地球にとどめておくんじゃ、同じことの繰り返しだ」
    - ド「しかし、敵の本陣に連れ込まれてからでは、正直分が悪すぎるでござる」
    - ク「こっからは全て推測だ。機構をパッと見た限り、自動帰還機能が付いている」
    - ド「自動帰還機能?」
    - ク「ああ。どういう条件で発動するかは知らねェが、そいつが発動した瞬間を狙って逃げりゃ、こいつらは宇宙船もろとも○×星にワープ、俺たちは空へ放りだされるって寸法だ」
    - ド「そんな針の穴を狙わなきゃならぬでござるか?」
    - ク「自動帰還機能を担っているのはこの宇宙船だ。壊れてしまえば発動しねェ」
    - ド「どうやって発動するでござる?」
    - ク「こいつらをのしてくれりゃあ俺がどうにかする」
    - ド「外に放りだされてどうするのでござるか?」
    - ク「そりゃあ忍術とやらでお願いしますよ、ドロロ先輩」
    - ドロロはため息をつく。「そんなに万能ではないでござるよ」
    - ク「どんどん高度が高くなるぜェ」ド「……承知」
    - ドロロが縄抜けをして、髪留めを外すとクルルの縄を切った。睡眠薬が効いていなかったことに気づいた敵が襲ってくるが、制圧する。クルルは一直線に機関室へ駆けていく。駆けている道中でヘッドホンを調整し、開けた瞬間に電波を放つ。指向性が上手く行くかわからなかったが、敵だけに当たったようだ。ふいは付けたが、起き上がってくる。何か手は、と思っていると何かが頬をかすめ、敵に当たった。呻きながら倒れる。自分たちにさされた睡眠薬の入った注射器だった。敵は昏倒する。ドロロが投げたのであった。
    - ク「あぶねえ」ドロロに文句を言おうとした瞬間、
    - 『自動帰還機能を発動します。1分前、59、58、57、』「ク?」
    - 追いかけてきたドロロ「クルル殿」
    - ク「ああ、船員である○×星人の意識状態がトリガーだったみてぇだな」
    - ド「ちょうどよかったでござるな」
    - ク「いや」クルルが目にも止まらぬ速さでパネルを叩いていく。「シールドのロック解除機能が絶たれた。正規の方法じゃ開かねェな」「叩き斬って開ける、というのは?」「脳筋は止めてくれ。自動帰還機能をつかさどっているのはこのシールドと同じ機構だ。発動中のシールドを壊してどうなるかは保証できないぜ」「どうにかできるでござるか?」「はっ! 俺様を誰だと思ってるんだァ!? 愚問だぜェ」ハッキングして解析して、ほんの一瞬止めることができることが分かる。自動帰還機能発動した瞬間に、シールドと帰還機能に1秒のラグを差し込むことにする。
    - ク「先輩、シールド感知できるか?」ド「然り」ク「1秒前に一瞬止める。その瞬間を叩き斬ってくれ」ド「承知」ク「いくぜ、5、4、3、2……」「「1!」」
    - 外では、夏美と冬樹をそれぞれケロロとギロロが保護していた。宇宙船が爆発し、その瞬間転移し消えたのが見えた。「ドロロ! クルル!」
    - 自由落下するドロロとクルル。かろうじてドロロがクルルを抱えているが。ドロロが首の布を落下傘にして降下する。多少マシではあるが、怪我はまぬかれなさそうだ。
    - 「くそっ!」駆けつけていたサブローが実体化ペンで幾重にか網を張った。網を突き破るたびに速度が弱まっていく。ドロロが空中で一回転して布を下方に投げ、包み込まれるようにして日向家すぐ近くの公園の木を通り抜けるように落ちたのが分かった。
    - 慌てて公園へ向かうみんな。砂埃の中で体を起こし、さすっているドロロとクルル。
    - ク「痛ってェ……。泥沼パイセーン。任せたって言ったっスよねェ?」
    - ド「然り。無事でござろう?」
    - ク「無策は無事って言わねェんスよ」
    - ド「クルル殿にだけは言われたくないでござる」
夏美、冬樹「ドロロ、クルル!」
泣きそうな顔で縋る2人。
ド「夏美殿、冬樹殿、無事でござったか!」
クルルも2人を見聞し、大きな怪我はなさそうでほっとする。
夏「それはこっちのセリフよ!」泣きそうな顔で解けた髪や破れた服、傷の付いた肌を見る夏美。
ド「髪留めを武器としただけでござる。あれ以上のことはされてないでござるよ」
ク「これもさっきの落下が原因だからなァ。どっかのアサシン様が無事に降ろしてくれたもんでよォ」
ド「まだ言うでござるか?」
呆れたように笑った瞬間、夏美が2人に飛びついた。
ク「ぐぇ」
夏「よかった……よかったぁ」
苦しいと文句を言おうとしたが、泣いているため何も言えなくなるクルル。
夏美の頭を撫で「怖い思いをさせてしまったでござるな、申し訳ない」と謝るドロロ。2人の間に顔を埋めたまま横にブンブンと首を振る夏美。
冬「注射打たれてたけど、それは大丈夫なの」
硬い表情で問う冬樹。
ク「ん? あぁ、ただの睡眠薬だろ。ペコポンのガキ用の処方だったから、別になんともないぜェ」
ド「そうだったのでござるか」
ク「クッ? ……あんた、知らずに打たれてたのかよ」
ド「クルル殿が抵抗しなかった故、大事の無いものであると判断したでござる」暗殺部隊での訓練で耐性もある、とドロロ。
ク「脳筋にも程があんだろ……」
プ「ドロロ君、クルル君」
にっこりと笑うプルル、の後ろで震えてるケロロとギロロ。身を案じてケロロが呼んだのであった。
プ「ちょーっとお話ししましょ♡」
ラボに連れて行かれるドロロとクルル。良いって言うまで入って来ないでね、と念を押されるケロロとギロロ。
- プ「で、無事なの」
- ク「見りゃわかんだろ」
- ド「先ほど夏美殿と冬樹殿に説明した内容で全てでござるよ」
- プ「あれ以上って何?」
- ド「武器を奪われた時に、隠していないか探られただけでござるよ」
- ク「俺たちよりあいつらの心配をしなァ」
- ド「心の傷を受けていなければよいのでござるが」
- プ「貴方たちねぇ……。はあ、もういいわ。どんなに細かいことでも、心の変化とか何かあったら必ず私に連絡! 良いわね!」
- すごまれて頷くドロロとクルル。睡眠薬の影響を調べられ、眠気はあるものの大丈夫そうであること、傷の治療を受ける。
- 「軍曹さん、ギロロ先輩」タママもラボ前まで来ていた。「ドロロ先輩とクルル先輩は?」ギ「無事だ。今はプルルの治療を受けている」タ「良かったですぅ」涙目でほっとするタママ。ケ「無事、ではありますが……」煮え切らないケロロ。タママに夏美と冬樹から聞いた話を話す。ケ「あの宇宙船は、異星人の成人男性が入れないバリアが張られていたでありますよ。我輩やギロロ伍長は入れなくて、クルル曹長とドロロ兵長は入れたであります」タ「え、それって」ギロロの顔を見るタママ。ギロロも神妙な面持ちで頷いた。
- ガラっとラボのドアが開く。ビビる3人。プ「入っていいわよ」
- 困ったように笑うドロロ。気まずそうに目を逸らすクルル。
- ギ「その……無事か?」
- ため息をつくクルル「どいつもこいつも同じことしか言わねェな」いつもなら反発するところをぐっと詰まった反応をするギロロに、舌打ちをするクルル。
- ケ「ドロロ、クルル、『女の子』だったのでありますか?」
- ドロロとクルルから睨まれるケロロ「ゲロォ!?」
- ク「皆まで言うんじゃねェよ」ド「『女の子』は止めて欲しいかな、さすがに」ケ「だ、だ、だってだってじゃあなんて言えばいいのさ! 証拠見せてよとでも言えばいいでありますか!?」
- シーンとする面々。ケ「あ、あれ? 何この空気」
- ク「隊長ォ……」ド「ケロロ君。それは、僕たちにここで服を脱げ、って言ってる?」
- ドン引きするタママ「軍曹さん……さすがにそれは」ギ「ケロロ……」ケ「ゲロォ!? ち、ちちちちが、そのスミマセン!」
- クソデカため息をついて、クルルがケロロの目の前に何かを差し出す。階級証だ。ドロロも同じように掲げた。性別の欄には「Female」と記載がある。
- ク「これで満足か?」ケ「滅相もございません! あの、本当に……」
- 本星での軍所属時代は隠していたこと。地球人のフォルムになったときは隠しているつもりはなかったが、なぜかバレなかったのでいうメリットもなく黙っていたこと。
- 「そして、これが本題でござるが。……今回のことで、小隊が纏まらなくなるのであれば、除隊命令をして欲しいでござる」
- 「あからさまに態度が変わられても困るんでなァ。軍人としての振る舞いがお互いにできなくなるんでれば、ここでやっていく気はないぜェ」
- 「なっ! 何を言うでありますか!? 我がケロロ小隊にはドロロもクルルも必要でありますよ!」 お願い見捨てないでぇ! というケロロ。
- 「そうですよ! ドロロ先輩がいなくなったらこの小隊はおしまいですぅ!」
- 「通信参謀だっていなくなったらたまらんだろう。ただでさえこの隊には頭脳が足らないんだ」「自覚あったんですね」とタママ。うるさいな、とギロロ
- 「――ということだ。ドロロ兵長。クルル曹長。これからも我がケロロ小隊のため、尽力するであります。これは、隊長命令であります」
- ホッと息をつくドロロとクルル。
- 「まあ、気が向いたらなァ」「平和的な作戦であれば協力するでござる」「今の流れは『はい』以外になくない!? ねぇ!?」
- ラボを出て、日向家を出ると小雪とサブローがいた。「ドロロ!」「……クルル」
    - ド「サブロー殿! 先ほどは助かったでござる。おかげでかすり傷で済んだでござるよ」
    - ク「まあ、良かったんじゃねぇの」
    - サ「あ、ああ、うん」
    - ド「小雪殿も。息災でござるか?」
    - 小雪「へっ? うん、私は大丈夫」
    - ド「それならよかったで……」
    - 小雪「あの、ドロロ! 私、ドロロはドロロだって思ってるから!」
    - ド「小雪殿……ありがとう」
    - サ「クルル、あの追いかけっこに性別は関係ない。そうだろ?」
    - ク「クーックックックッ。好きにしな」
    - サ「ドロロも。また将棋してくれるかい?」
    - ド「サブロー殿が良ければぜひ。また手合わせ願いたいでござるよ」
- 休暇で地球を訪れるガルル。
    - ドロロにもクルルにも動じていないので、ギロロとケロロは気付いていないのだと思った
    - 流れでお店に行くことに。ガルルがドアを開け、クルルとドロロを通そうとする
    - ク「気色悪い真似すんじゃねェ。そんな大層な店じゃねェだろ」
    - ド「ク、クルル殿、お店の方に聞こえてしまうでござる……」
    - ケロロ、ギロロも扉を押さえてもらって入ったので「?」となる
    - ケロロとギロロが座った方にガルルも座る
    - ギ「まさか、知っているのか?」ガルルは何を、という怪訝な表情を浮かべる
    - ギ「何をってその……」ド「拙者とクルル殿が、女性である、ということでござる」
    - ガルルは余計に困惑した表情を浮かべた。何を聞かれているのか分からない。
    - ガ「知っている、とは?」確かに本部時代はクルル少佐は隠している時期があったので、そのことだろうか、とクルルを見る。肩を竦められた。
    - ガ「私は、かつてクルル少佐の部下だった」ギ「それは知っているが」
    - ガルルの頭の上に「???」が浮かぶ。クルルがため息をついた。ク「隊長とギロロ先輩は、つい最近知ったんだと」
    - ガ「クルル少佐」ク「曹長」ガ「……曹長が女性だということを、か?」ケ「いや、まあそうであります」ク「正確に報告しなァ。ドロロ先輩も、だろォ?」ガ「はい?」
    - ガ「ギロロと、軍曹殿と兵長殿は、家を行き来するほどの仲だったと記憶しているのだが」ギ「まあ、そうだな」ガ「……ケロロ君とゼロロ君がうちに遊びに来たこともあったはずだが」ケ「まあ、そうでありますな」
    - ガルル絶句。ド「幼少期からずっと、勘違いされていたようで」苦笑いするドロロ。
    - ガルルが小隊に帰った後、ゾルルに聞く。ドロロが女性であることは理解していて、ライバル関係にあいつを倒すのは俺だと言うことに、性別が何か関係あるのか? とすごまれてしまう。ガ「いや、すまない。そう、そうだよな……」ゾ「?」
    - ギロロとケロロがずっとドロロのことを男性だと勘違いしていたことを告げるとさすがのゾルルも絶句した。「え、なゼ……」「なぜかは私にも分からん」
⇩OLD
1つの部屋にみんな縛られて気絶させられており、見張りが1、2人だけだった。
見張りを倒すことは簡単でも、ドロロとクルルだけで彼らを無事に脱出させるのはかなり骨が折れそうだ。
とりあえず見張りは倒す。
「小雪殿、無事でござるか?」
「ドロロ? どうしてここに」
「今は脱出を最優先に考えるでござるよ」
「サブロー、寝ぼけてんじゃねェぞ」
「ん、うっ……クルル?」
とりあえず全員無事で、目を覚まし、自力で歩けることを確認する。
特殊な戦艦でアンチバリアも効かないことは分かっている。
恐らく、生体反応を追っていて、ここに敵がやってくることも。
クルルが両手を挙げると、銃を突き付けられた。
「ネズミが2匹。ほう、どうやって侵入した?」
「交渉だ。こいつらを離せ」
「拙者ら2人と交換でござる」
子どもたちが抗議するが、2人は応じない。
ドロロは敵に相対していて、睨み上げる。ドロロに銃を向けていた敵が何かに気付いた。
「ん?……はは、なるほどなるほど。貴様らそんななりをしているがケロン人か!」
おい、見ろよ、とドロロに銃を向けた敵が、クルルに銃を向けている敵に下品な笑いを向ける。乱暴に肩を掴み、振り向かせ、銃で顎を押し上げた。
「ペコポン人の身なりでも、こんなんなんだな。おかげで見落とすところだった」そちらから来てくれるなんて都合の良い、と笑い声を上げる。
「いいだろう、戦闘能力の高いケロン人がただで手に入るならこっちのもんだ。ペコポン人はまたあとから捕まえにくればいい」
武装を解除してこちらにこい、と言われ、ドロロとクルルは武器を捨てる。
銃を向けられたまま立ち上がり、歩き出す。
「ドロロ!」「クルルっ、くそ!」
敵がにやりと笑う。
「なんてなあ! 従うわけねーだろバーカ!」
隠れていた他の敵がやってきて、子どもたちを人質に取る。
目の前の敵2人がそちらに意識を持っていかれた瞬間、ドロロが素早く動き、銃を2人分弾き飛ばすと掌底で敵を気絶させる。
ドロロが影分身の術を使用し、夏美、タママ、小雪を狙っていた敵を手刀で昏倒させる。
クルルがサブローと冬樹を狙っていた敵を、ヘッドホンの電波で気絶させる。
「ひい、ふう、みい……これで全部でござるか」
「ああ、恐らくはな」
異星人の成人男性をはじくようにしている生体反応システムに一瞬ハッキングし、得た情報によりすべての敵を気絶させた。
『異常事態発生。生体反応システムエラー。○×星へ帰還します。カウント60、59、58、……』
「あ?」
敵がすべて気絶したことを自動検知し、瞬間移動するシステムになっている、と理解するクルル。
操舵室へ急ぎハッキングを試みるが、時間がない。
ハッチを開けたりするよりも、爆破した方が早いな、となる。
今すぐ、とみんなが血気盛んになるのを止める。
「こいつらはご帰還願いたいわけだ、ペコポンに散り散りになられたんじゃ二の舞だぜ」
「タママ殿。加勢願えるでござるか?」
「もちろんですぅ!」
「小雪殿、サブロー殿、夏美殿と冬樹殿を頼むでござる」
「任せてください」「わかった」
「5・4・3・2……」
クルルとドロロは操舵室で、ほかのみんなは壁の近くで。
クルルはハッキングを行い、一瞬の隙を作る。
ドロロが外界との接触を拒んでいたシールドをその隙をついて焼き切る。
タママはタママインパクトを放ち、壁をぶち壊す。
「っ!」ケロロとギロロは外から宇宙船が爆発したのを見て、飛行ユニットで急いで向かう。
空から降ってくる子どもたちを見て、慌てて受け止めようとする。
ギロロが夏美と小雪を、ケロロが冬樹とサブローをどうにか受け止める。
タママは自由落下して叫んでいたが、上から飛んできた飛行ユニットに引っ掛かり、どうにか掴んで飛ぶ。
ドロロがクルルの首根っこを掴んで飛行ユニットで飛び降りる。
すんでのところで宇宙船は瞬間移動していなくなった。
どうにか子供たちを安全におろすケロロとギロロ。
「あいつらはどうした?」
「ドロロ! クルル!」
「隊長殿、ギロロ殿!」
「どうにか無事だぜェ」
遅れて上から降ってくる2人。ほっとする面々。
「もうちょっと丁寧に扱ってくださいよ、泥沼パイセン」
「なら自分を犠牲にするようなことはやめるでござるよ。飛行ユニットを投げたときは肝が冷えたでござる」
「先輩ならどうにかしてくれると思ったんスよ」
「今度は説明してからやってくれると助かるでござるよ」
「そんな時間無かっただろ?」
自己犠牲ならドロロだってそうだ、人質の交換を要求したというこどもたちからの証言があり、やんややんや小言を言われる2人。
でもそのおかげでなんか性別のことはうやむやになりそうだな、と思う2人。
ケロロが事態を把握した時点で呼び出していたため、プルル看護長が皆の健康管理でやってくる。
子供たちの診察が先、と簡易テントを用意してみんなの診察をしていく。
一大事に至る前だったっぽいから大丈夫かと思うが、もろもろのメンタルケアも含めて。
終わってから、ドロロとクルルも呼ばれる。
「あァ? 俺は必要ねェ」
「拙者も問題ないでござるよ」
「いいから!」とテント内に引っ張られていく2人に対して、「テントは狭いし、別にここでもいいんじゃないでありますか?」とケロロ。時が止まったようになるプルル。
「あ、あんたねえ、まだ分からないの?」「ケロッ!? 何がでありますか!?」
小雪がドロロの、サブローがクルルの背中を押す。
「小雪殿?」「サブロー?」
「ドロロ、ちゃんと診てもらおう。ね?」
「外じゃなくてテントの中がいいよ」
ああ、小雪とサブローにはさすがにバレたなあ、と思い素直に従う2人。
プルルとドロロとクルルがテントに消えて行って、プルルが顔を出し、「絶対に入ってこないで」とケロロとギロロに怖い顔をして閉める。
ケロロは「???」を頭に浮かべている。
「こんのボケガエル!!!!」夏美がケロロにげんこつを食らわす。
「ゲロォ!? ケロ?」身構えて先に非難の声が出るが、余り強くなくて不思議に思うケロロ。
「僕たちもずっと勘違いをしていたけど……軍曹たちもなんだね?」冬樹が気遣うように言う。
「だから、何がでありますか?」
「だから、聞いてなかったの? あの宇宙船、成人男性は入れないようになってたんでしょ!」だからギロロも入れなかったんじゃない、と夏美。
「正確には○×星人以外の成人男性、だね。地球人はもちろん、ケロン人の成人男性は入れなかったはず」
「えっ、てことは!?」タママが気付く。
「え」「は?」ケロロとギロロもさすがに点と点がつながる。
「ドロロとクルルって女の子だったのぉ!?」
テントから出てきたドロロとクルルにげんこつを食らうケロロ。
「あんまり大きい声で言うんじゃないぜ、隊長さんよォ」
「『女の子』はさすがにやめて欲しいかな」
「ええっ! でも我輩より背高いじゃん!」
「オッサンよりは低いぜェ」
「腕相撲大会で俺が勝ったのも」
「さすがに腕力じゃ皆に敵わないよ」
「で、で、でもでも、証拠は!?」
シーンとなる面々。
「隊長殿。……それは拙者らに今ここで、装束を脱げ、と言っているのでござるか?」
夏美がこぶしに息を吹きかけているのが見える。
「ゲロォ!? ち、ちが、そのすみません」
はあ、とため息をついて、クルルが階級証を取り出す。そこには性別の欄が明記してあった。
ドロロも同じく取り出す。
ケロロとギロロとタママの中でいろんな記憶が駆け巡る。
そういえば、別に仲良いわけでもなさそうなのにドロロとクルルの距離だけやたら近かったような。
あれって女子の距離感だったってこと?
プルルが2人を引っ張って行っていたのは女子会だったってこと?
3人が帰って来たところで、ドロロとクルルが口を開く。
本星の軍所属時代は隠していたこと。地球人のフォルムになったときには隠しているつもりは無かったが、特にバレなかったのと言うメリットが無かったので黙っていたこと。
「そして、これが本題でござるが。……今回のことで、小隊がまとまらなくなるのであれば、除隊命令をして欲しいでござる」
「あからさまに態度が変わられても困るんでなァ。軍人としての振る舞いが出来なくなるっていうんなら、ここでやっていく気はないぜェ」
「なっ! 何を言うでありますか! 我がケロロ小隊には、ドロロもクルルも必要でありますよ!」
「そうですよ! ドロロ先輩がいなくなったらこの小隊はおしまいですぅ!」
「通信参謀がいなくなったらたまらんだろう。ただでさえこの隊には頭脳派が足らないんだ」
「ドロロ兵長。クルル曹長。これからも我がケロロ小隊のために尽力するであります。これは隊長命令であります」
ほっと息を吐くドロロとクルル。
「まあ、気が向いたらなァ」「平和的な作戦であれば、協力するでござる」
「今の流れは『はい』以外になくない!?!?」
性別がバレた後、戦闘訓練のウェイトが減ったことに対して、舐めるなとギロロに抗議に行くクルル。
ウェイトの重さではなく効率的な鍛え方にはどうしても男女差はあり、今までが効果的でなかっただけだと諭すギロロ。珍しくぐうの音もでないクルル。
「……なあ、ドロロ先輩は変わってねェよな?」
「あれは規格外だ。一緒にするな」
潰れているケロロと平然と訓練をこなすドロロを横目でみやった。
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