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以下メモ
真希・真依・直哉逆行IF
真希・真依が10~12歳頃、逆行に気づく(記憶が飛び込んでくる)。
2人とも泣きながら、ごめん、と謝りあう。
真希はすべてが終わって天寿を全うしてから、真依は死んだところからの逆行
真希は達観しているところと、身体に引きづられて子供らしいところが同居しているような感じ。
真依は自分が足手まといになるのが嫌で、今度こそ自分も頑張るから、と言うが、真希は難色を示す。
真希は自分がいなかったら自分の役割は誰が、という思いはあるが、その罪を背負うことにする。
世界を敵に回しても、その敵がたとえ乙骨だとしても、妹を守るのだと。
「15歳。高専へ行く、と言ってその足で逃げよう」と真希が提案する。
後3年。されど3年と思って過ごしていくうちに、少し違和感があった。自分たちを笑いながら蹴とばしていた金髪がいない。
ふとした時に名前は上がっているし、「子供の出来が云々」は今の父も言っているので、存在はしているのであろうが、直哉の姿を見ることがなかった。
ふと、偶然真希と真依が離れを訪れたときに、今世の直哉と出会うことになる。
彼は黒髪でピアスも付けていなかった。逆行前はいつも煽るような軽薄な笑みを浮かべていたが、今回は表情が抜け落ちていて冷たい目をしていた。
「……なんや、真希ちゃんと真依ちゃんか。何の用も無いんに男の部屋来たらアカンで?」
一瞥だけくれると窘めるようなことだけ言い、部屋の扉を閉める。逆行前の記憶の中の彼の部屋の場所ではないし、一瞬見えた部屋の内装も、かなり簡素で狭いものだった。
それから、周囲の人々が直哉の話をするのを聞き耳を立てることになる真希と真依。
今回も投射呪法持ち、既に特別一級で、炳に所属しているらしい。ただし、炳の筆頭は甚壱だった。また、一応次期当主候補ではあるらしいが、次期当主は甚壱だろう、というのがもっぱらの下馬評だった。
直毘人も「アイツは能力はあるんだが、野心が無いし、周囲への興味も余りにも無い」と難しい顔をしている。能力だけで言えば炳の筆頭らしいが、その地位に興味が無いため甚壱が筆頭なのだそうだ。
躯倶留隊や灯からの評もクズだのカスだのというよりは、
「何を考えているのか分からず不気味で怖い」
「能力はあるが人間味が無い」
「喜怒哀楽の何もない顔で全員ぶちのめしていくから怖い」
「会話したことない」
みたいな内容。
甚壱や蘭太が、もう少し威厳を見せたらどうなんだ、とか、直哉さんはお強いので稽古を付けてあげてください、とか叱ったり気を遣ったりする様子を見せても、「そう、分かった」とだけ言い、冷たい瞳を寄越すのみ。
女中たちの評価も躯倶留隊と似たり寄ったりだった。「威張り散らさないだけマシだけど」と。
そういえば、真希・真依の母がお付きの女中のようになっていた逆行前と違い、そもそも誰もお付きの女中とはなっていないようだった。
何か、おかしいな、と思い、離れの自室にいるところを狙って様子を見に行くようになる真希と真依。
「来たらアカンって言わんかったっけ?」とこちらも見ずに言う直哉。
大体事務仕事をしているか、つまらなそうに本を読んでいる(「それ、面白いのか?」と真希が聞いたら分からん、と返ってきた)。
そういえば、ほとんど接点が無いのに知っているんだな、と思う真依。
「知ってるのね、私たちのこと」
「そりゃ知ってるやろ。従兄弟やし」
いつのまにか、真希・真依のされど3年の逃げ場所になっている直哉の自室。
最初こそ苦言を呈していたものの、言っても無駄と思ったのか何も言わなくなる直哉。
真希と真依は会話を重ねていくうちに、逆行前のように性格が悪いことを言ったり煽ったりすることもある彼に、やっぱり直哉なんだな、と思う。
ある日、無遠慮に離れを訪れると、直哉が魘されていた。
真希と真依が慌てて揺り起こす。
はっ、と息を呑み起き上がった直哉は、真希の姿を認めると、パシッと振り解いた。
「触んなや!!!!」
今世で聞いたことのない、声色、声量で、しかし馴染みのあるそれで怒鳴った直哉は、右目を覆うように手で抑えた。
真希は、もしかして、と思う。
「……直哉」
真希が落ち着いて声を掛けると、直哉はハッとした。
「あ……すまん。大丈夫やった?」ちょっと寝ぼけてて、と真希が怪我をしていないか、確認しようとする直哉。
「何と間違ったんだ?」
「なんやろ。怖い夢でも観たんかな」あんまし覚えてへんわ、と直哉。
「痛いの? 右目」真依が心配そうに声を掛けると、抑えていることにようやく気づき、いや、なんでもあらへんと言いながら手を離した。
「痛かったんだよな?」
直哉が真希の顔を見る。後悔を滲ませた顔
だ。
「痛くあらへんよ。夢やし」
「私は……私は、あの日の行いを謝るつもりはないよ。けれど、悔いてはいるんだ」
真希は真依を見て、真依の手にそっと触れた。
「もう2度と、あの日は選ばない」
芯のある瞳でグッと直哉を見つめた。はっ、と直哉が息を吐く。
「……こういうパターンもあるんや」
「えっ」真依が思わず声を上げる。
「アンタもその、記憶があるの?」
「ああ、真依ちゃんもなんやね」
直哉は軽く印を切ると、結界を張った。
「どこに耳があるか分からへんから。……で? 真希ちゃんと真依ちゃんは、どこから戻って来たんやろ」
真希は、違和感を覚えて黙っていた。
真依が真希の顔を伺って、口を開く。
「私も真希も、自分が死んだところからよ」
「死んだ、っていうのは?」
「……? 私は、あの日。アンタと同じ日。真希は天寿を全うしたって」
「へえ、そうやったんや。何歳くらいまで行きたん?」
「確か、77歳とか」と真希が答える。
「ほお、そら大往生やん」
直哉は笑おうとしたのか、目をクッと細めた。
「お前は?」
「俺もおんなじ。死んだとこから」
「アレも覚えてんのか?」
「アレ?」