咲「臣さんのエプロンにつける用にって、亀吉ブローチ作ったんです。少し不格好ですけど…」
真「臣に、俺の花婿修行の成果を見せる。…究極のカレー、食べたら正直に感想を教えて」
綴「おめでとうございます、伏見さん。記念に写真撮ります…って、今年は俺も一緒にすか?」
至「最近料理ゲーにハマってるんだけども臣もどう?なんかゲームでも手際よさそうだし」
シ「今年のプレゼントはオミの秘蔵写真集ダヨ! 色んな人に協力してもらって作り上げたネ~」
千「臣も知らなさそうな世界の調味料を用意したよ。臣なら上手いこと使ってくれるかな」
天「学食が懐かしくなったから再現したい?卒業生だし、食べに来たらいいんじゃないか?」
幸「はい誕生日プレゼント。前に臣にあげたミトン、汚れてきたから新しく作っといた」
椋「仕事で遅い時は、夜食を作ってあげたいなと思って…バーニャカウダ作り特訓中です!」
三「おにぎりフルコース、今年はおにぎりをおみの顔にしました! 具材はお取り寄せだよ~」
一「おみみが気に入ってたお店、テイクアウトやってたから予約しといたよ♪一緒に食べよ~!」
九「臣さんの誕生日のお祝いにケーキ作ってみようと思ったんだけど…やっぱすげー難しい!」
万「善さんに監修してもらったんだけど…俺の料理、味見してくんね? もち、味は保証する」
十「臣さんにプレゼントする菓子作ってたら、本人に見つかっちまった…写真まで撮られたな」
太「臣クンのBDスマイルいただきッス! 臣クンの笑顔の写真がどんどん増えて嬉しいな~」
臣「みんなからもらったデータをまとめてたんだが…自分の笑顔を見て幸せになれるなんてな」
左「おめでとう。伏見の優しさで救われてる人間がいるだろ。ヴォルフスの活動、俺は支援する」
莇「臣さんはソファに座ってのんびりしてて。あ、写真撮るけど自由にしてていいからな」
紬「今まで臣くんが教えてくれた料理を作ってみたんだけど…ちょっと卵料理多いよね」
丞「伏見おめでとう。サッカーにバイク…芝居以外でも気の合う仲間でいてくれて感謝してる」
密「臣が作ってくれたマシュマロポタージュの味忘れない。オレにとって思い出の味の一つ」
誉「いつも素敵な写真をありがとう。特に氷上を優雅に滑るワタシの写真は素晴らしかった♪」
東「臣と作りたいと思った和菓子があって、レシピを用意したんだ。…一緒に作ってくれる?」
ガ「伏見、おめでとう。今日は好きなように酒を飲めばいい。古市や俺がいれば安心だろう」
「お誕生日おめでとう!」
「ああ、ありがとう」
誕生日の朝恒例の、太一からの『おめでとう』。これを『いつもの』と感じられるようになったのが幸せの証拠かもしれない。そう思って笑うと、太一にスマホを向けられてパチッと撮られた。
「臣クンのBDスマイルいただきッス! 臣クンの笑顔の写真がどんどん増えて嬉しいな~」
「はは、不意打ちは照れるな」
「へへ、臣クンの技盗んだッス~!」
そんな無邪気なやり取りをしながら談話室へ行くと、キッチンにいた椋がビクッと身体を震わせた。その隣にいた紬が、それに気付いてふふっと微笑む。
「見つかっちゃったね、椋くん」
「はい……もっと早起きすれば良かったです」
「もしかして……俺の為に何か作ってくれてたのか?」
「はい……実は、臣さんが仕事で遅い時は、夜食を作ってあげたいなと思って…バーニャカウダ作り特訓中です!」
臣の質問に照れたように目を伏せた椋に、臣が感謝を込めてポンポンと頭を撫でる。
「じゃあ、楽しみに待ってるよ。朝食は……」
そう言ってキッチンに行こうとした臣の服の裾を、莇が引っ張る。
「臣さんはソファに座ってのんびりしてて」
「莇」
振り返った瞬間、今度は莇がパシャリとスマホで臣を撮った。驚いた臣に莇が悪戯が成功したように笑う。
「あ、写真撮るけど自由にしてていいからな」
「太一といい莇といい……なんだか今日はよく撮られる日だな」
そう笑うと、太一と莇は意味ありげに顔を見合わせて、2人声を合わせて「「いつもの仕返し」」と双子のように笑った。
「ふふふ、なんだか楽しそうだね」
紬がそう言いながらキッチンで作っていた食事を運んでくる。
「臣くん、お誕生日おめでとう。今まで臣くんが教えてくれた料理を作ってみたんだけど……ちょっと卵料理多いよね」
色んな種類のだし巻き玉子にスクランブルエッグ……様々な卵料理の傍にはエディブルフラワーも添えられていて、料理を教えた最初の頃卵を焦がしていたのが嘘のような盛り付けだ。
「紬さんは好きな卵料理になると夢中になって取り組んでくれますから」
「臣くんの教え方が上手だから、料理が楽しくなっちゃうんだよ」
そんな二人の横に音もなく現れたのは密。持っていたカップを臣に差し出す。
「オレからは、マシュマロポタージュ。でも、うまくできなかった」
「密さん……すごく美味しいですよ」
受け取って口をつけた臣に、密は首を小さく振って臣を見た。
「臣のマシュマロポタージュの方がおいしい。臣が作ってくれたマシュマロポタージュの味忘れない。オレにとって思い出の味の一つ」
「密さん……そう言って貰えると嬉しいです」
目を細めて微笑んだ臣に、密もスマホを向けてその瞬間を写真に撮ると、満足したようにソファで寝始めた。密も慣れない早起きをして眠くなってしまったらしい。
「臣さん……バーニャカウダもどうぞ、です」
入れ替わるようにして椋がバーニャカウダポットに盛られたソースと添えられた野菜に、臣が目を瞬かせた。
「美味しそうだな。すごくいい匂いだ」
臣の笑顔に嬉しそうに目を細める椋。そんな椋に飛びつくような勢いで「椋おはよ! 臣さんお誕生日おめでと!」と九門が現れた。そして椋が用意したバーニャカウダを見て「もしかして椋が作ったの? すげー!」と声を上げた。
「オレも臣さんの誕生日のお祝いにケーキ作ってみようと思ったんだけど……やっぱすげー難しい! から、結局カップケーキになっちゃた」
九門は肩を落として可愛くラッピングされたカップケーキを差し出す。臣は九門の頭を撫でながら「ありがとう」と受け取った。
「カップケーキでも十分すごいよ。椋のバーニャカウダと一緒に貰うな。ありがとう、九門」
そしてそれから怒涛のプレゼント攻撃が始まる。
「臣さんのエプロンにつける用にって、亀吉ブローチ作ったんです。少し不格好ですけど……」
「ありがとう、咲也。すごく可愛いよ。早速つけてみるな」
「臣も知らなさそうな世界の調味料を用意したよ。臣なら上手いこと使ってくれるかな」
「千景さん、ありがとうございます。デュッカ、チミチュリ、ヴェジマイト……へえ、どれも知らないですね。興味あるな……色々試してみますね」
「楽しみにしてるよ。臣の料理はどれも美味しいからね」
「俺からは、はいゲーム機。最近料理ゲーにハマってるんだけども臣もどう? なんかゲームでも手際よさそうだし」
「おい、お前の趣味に臣を巻き込むな」
「いえいえ、前に臣が料理禁止令食らった時にゲームでストレス発散したって聞いたから、きっと臣はゲームの料理も好きなはず」
「はは、至さんありがとうございます。前万里とやった時も楽しかったので、また一緒にさせてください」
「はあ……臣。茅ヶ崎の相手はほどほどでいいからな」
「はい誕生日プレゼント。前に臣にあげたミトン、汚れてきたから新しく作っといた」
「ありがとう、幸。確かに最近汚れが目立ってきたからどうしようかと思ってたんだ。これもすごく可愛いし厚くて使いやすそうだ」
「おみみが気に入ってたお店、テイクアウトやってたから予約しといたよ♪ 一緒に食べよ~!」
「ありがとう、一成。昼はちょっとヴォルフスで集まるから……夜に一緒に食べるか」
その会話を傍で聞いていた万里が、臣に釘を刺しに来る。
「そういや臣。今日はキッチン立ち入り禁止な。団員みんなお前に食ってほしいもんあるって、キッチンの予約殺到してっから」
「それは……ありがたいな。楽しみにしとくよ」
それから臣はバイクで那智の墓参りに出掛け、昼食はGentianaでヴォルフスメンバーと一緒に善が作ってくれた特製ランチに舌鼓を打った。お腹も満たされたが、それ以上に胸がいっぱいになって笑う度に口から幸せの吐息が漏れる。
「まったく……本当にありがたいな」
Gentianaから帰る時思わずそう呟くと、それを聞いた善がふっと笑って臣の頭を撫でた。
「全部、お前が築き上げてきたものの証だ」
「善さん……」
思わず顔を赤くする臣に、善はポンと背中を押して「まだセコンドピアットが残ってるんだろ?」と微笑んだ。臣も笑顔で「はい。行ってきます」と返してバイクに跨った。
「ただいま」
「「「おかえり」」」
寮に帰るとすぐに冬組メンバーに捕まった。
「伏見おめでとう。サッカーにバイク……芝居以外でも気の合う仲間でいてくれて感謝してる」
「丞さん……俺の方こそ、一緒に色々してもらえて楽しいです。これからもよろしくお願いします」
「臣くん、お誕生日おめでとう。いつも素敵な写真をありがとう。特に氷上を優雅に滑るワタシの写真は素晴らしかった♪」
「あはは、誉さんありがとうございます。誉さんは仕草が美しいから撮り甲斐があります」
「そうだろうそうだろう! 今日も遠慮なく撮ってくれたまえよ」
「今日の主役は伏見だろう」
誉の調子に丞が呆れたように注意する。臣は笑いながら、誉にカメラを向けた。そこへ、綴がやってくる。
「丁度良かった。皆木も有栖川に何か言ってやれ。今日の主役に写真を撮らせてるんだぞ」
丞に言われ、「いつもどおりっすね」と苦笑する綴。そして臣に向き直る。
「おめでとうございます、伏見さん。去年は秋組で集合写真撮ったけど、今年も記念に写真撮ります?」
そう提案してくれた綴に、臣は笑って手を伸ばした。
「じゃあ、綴も一緒に撮ろう」
「え、俺もっすか?」
「ああ。今日は撮られてばかりだから、綴とは一緒に撮りたい」
「それは……あざっす」
臣に誘われ、綴は照れながら一緒にツーショットを撮る。そこを一成に見つかって、しばらくからかわれる羽目になった。その間にも、キッチンには色んな団員が出たり入ったりして、いつの間にか談話室の食卓に料理が並んでいく。
「おにぎりフルコース、今年はおにぎりをおみの顔にしました! 具材はお取り寄せだよ~」
「ありがとう、三角。俺より可愛いな。それにこの具材、前に話題になった奴だよな? 美味しそうだ」
「臣に、俺の花婿修行の成果を見せる……究極のカレー、食べたら正直に感想を教えて」
「真澄、すごいな。匂いだけで複雑なスパイス使ったのがよく分かる。食べるのが楽しみだよ」
「臣、おめ。善さんに監修してもらったんだけど……俺の料理、味見してくんね? もち、味は保証する」
イタリアンを中心に、パーティーに映える料理を並べていく万里。臣は目を丸くした。
「ありがとう、万里。すごいな、何品作ったんだ? どれも美味しそうだ」
「これくらい当然。っつっても、普段の臣には敵わねえけどな」
素直に臣を褒める万里に臣はちょっとだけ驚いて、くすぐったそうに微笑んだ。そんな臣の隣に東が寄り添うように座る。
「ボクはみんなほど料理に自信がないんだけど……臣と作りたいと思った和菓子があって、レシピを用意したんだ……一緒に作ってくれる?」
「東さん……! 嬉しいです、一緒に作りましょう」
食べてくれるのも作ってくれるのも嬉しいが、一緒に作ることでしか得られない楽しさもある。自部の提案に喜んでくれる臣を見て、東も嬉しそうに用意した手軽に練り切りが作れる和菓子体験キットを取り出した。2人が楽しそうに和菓子を作っている間も、パーティーの準備は着々と進んでいく。
可愛く出来上がった和菓子ににっこりと笑い合った臣はこれに合う玉露でも淹れようとキッチンへ向かうと、何やら十座と一成の賑やかな声が聞こえてくる。
「砕いたビスケットと溶かしたバターを混ぜて……あとは生クリームといちごを乗せればタルトができそうだな」
「おお、ヒョードル! レシピ通りにできてていい感じ♪ パシャりんこ☆」
「!? 一成さん……!」
一成に撮られて恥ずかしそうにしている十座を見て、臣も下げていたカメラで十座たちを撮る。
「!? お、臣さん……!?」
「あ、おみみ! おみみも頑張るヒョードル撮ったの?」
「ああ、2人が楽しそうだったからつい……十座はもしかして、俺への菓子を作ってくれてるのか?」
「……っす。いちごタルトっす。もうすぐできるから……待っててくれ」
「ああ、楽しみに待ってるよ」
「これ作ってるヒョードル、超頑張ってたんだよん! おみみ見てみて!」
「か、一成さん……っ!」
「あはは、ありがとう十座。一成も写真ありがとう、見せてもらうよ」
玉露を淹れて臣はニコニコ笑顔で戻る。昔は食べるばかりだった十座がここのところ臣の為に作ろうとしてくれていることが嬉しい。しかも、クッキーからケーキと、少しずつ挑戦しているのが嬉しい。
(今年のいちごタルトも楽しみだ)
そうして食卓に揃った料理たちはどれも温かな気持ちが込められていて、臣は笑顔を止められない。一口食べるごとに作ってくれた相手に感想と感謝を伝える。
「臣さん、いつまでも食べ終わらなさそうだな」
天馬が苦笑しながらそう言うと、臣も「食べ終わりたくない気持ちもあるけどな」と笑い返す。
「食べ終わりたくないと言えば……卒業間近の学食でもそう思ったな、懐かしい……たまには学食の再現でもしてみようかな」
すると天馬は目を丸くしてふっと笑った。
「再現しなくても、卒業生だし、食べに来たらいいんじゃないか?」
「食べに……そうだな。だったら、天馬と食べたことないから、その時は一緒に食べてくれるか」
「当たり前だ。太一と九門も一緒に食べたがるだろ。な、十座さん」
「ああ」
「その時は十座も綴も、一緒に食べような」
新旧葉星大組がその時を楽しみに笑った。そして、そわそわしている十座を見て、臣は楽しみにとっておいたいちごタルトに手を伸ばす。
「……ん、美味い。幸せの味がするよ」
「! 良かったっす」
十座の綻ぶような笑顔を、臣は幸せの味と共に噛み締める。そして食卓が落ち着き、臣がベランダでいっぱいになったお腹を休ませると、臣の背後からシトロンが飛びついてきた。
「わっ?! シトロンか!」
「オミ! おたおめダヨ~! 今年のプレゼントはオミの秘蔵写真集ダヨ! 色んな人に協力してもらって作り上げたネ~」
「へえ……って、もしかして、太一や莇、密さんが写真撮ってくれてたのって……」
「そうネ! ワタシがみんなに頼んだヨ! それ以外もいっぱいあるヨ! 見てみて~ダヨ」
「ありがとうな、シトロン」
隣に座ったシトロンと共に、臣はシトロンがくれた写真集をめくる。そこには、色んな場面、色んな角度で撮られた臣がいた。その大半が楽しそうで幸せそうな笑顔で……
「……自分の笑顔を見て幸せになれるなんてな」
目を細めて我知らず微笑む臣に、シトロンも優しく微笑む。
「コレはほんの一部ネ。みんなからもらったデータ、オミにもあげるヨ」
「ありがとう、またゆっくり見せてもらうよ」
臣とシトロンが写真集を見ながら楽しく話していると、「酒宴の準備ができた」とガイが呼びに来た。
「それは急がにゃニャンニャンダヨ!」
「ニャンニャン?」
「猫?」
シトロンのボケにツッコめないガイと臣は首を傾げながらシトロンの後ろをついていく。歩きながら、ガイは臣にそっと微笑みかける。
「遅くなったが……伏見、おめでとう。今日は好きなように酒を飲めばいい。古市や俺がいれば安心だろう」
「ガイさん……ありがとうございます。そうですね。この前も左京さんがそう言ってくれてついはしゃいじゃいましたが……ガイさんも左京さんもいてくれるなら心強いです」
酔うと狂狼時代の粗暴な態度が顔を覗かせてしまうのでいつも遠慮してしまう臣だが、ガイも左京もそう言ってくれていると、素直に甘えるのがいい気がしてくる。酒宴会場である談話室に戻ってくると、一番に左京に捕まえられて、酒を飲まされた。ちょっと勢いづけて酒を飲んだ左京は、軽く酔いが回った時点で臣に微笑みかける。
「伏見、おめでとう。伏見の優しさで救われてる人間がいるだろ。ヴォルフスの活動、俺は支援する」
それは、今まで言いたくて言えなかった左京の本音。その気持ちを汲み取って、臣は目頭が熱くなるのを感じた。
「左京さん……! はい……! ありがとうございます!」
「そんな堅苦しくなるな。さ、今夜は飲むぞ」
「はい……!」
満面の笑顔で頷いた臣は、みんなとグラスを掲げた。そのグラスにはきっと、幸せが満ちている。【終】
「」
「」
「」
「」
「」
「」
「」
「」
「」
「」
「」
「」
「」
「」
「」
「」
「」
「」