きもちひとりじめ
近所に出来た、新しい飲食店。
その名も『高銀食堂』。高銀ってなに、どんな意味があるのだろう? と思ってイケメンの店員さんに聞いてみたら、それは共同経営しているマスター二人の名前なんだそうだ。
なにそれ、男同士なのにちょー仲良しじゃん。二人の関係やら店を出すことになった経緯、年齢やどこに住んでいるのかなど、店の名前が気になっていただけなのに、気になることがとても増えてしまった。そのせいで毎日のように通い詰め、開店から一ヵ月もしていないのに常連客だ。
ちなみに名前の中に食堂と入っているが、メニューは和食の定食だけじゃない。コーヒーや紅茶もあり、なぜかパフェやケーキなどのデザート系も種類が少ないながら充実している。試行錯誤中なのか行くたびにメニューが変わっているのも楽しいし、しかも美味しいとなれば通うしかないだろう。
もちろん定食も美味しい。おかずや小鉢、白米もすべて量が多めなので、女性でも少なくて食べやすく、デザートも付いているレディース日替わり定食がおススメだ。
ちなみに嫌な顔せず疑問に答えてくれたイケメンの店員さんは、ただの店員ではなく共同経営者の一人だったらしい。
『高銀食堂』の『高』を担うタカスギさんは、黒髪でなぜか片目の正統派なイケメンだ。食堂なのに喫茶店の店員さんのような白いワイシャツに黒いギャルソンエプロンを着けており、もう一人の共同経営者とは対照的な洋装だけど、似合っているので問題はない。
愛想がなく無口で、一見すると接客業に向いてなさそうだが、大量のオーダーを正確に
『高銀食堂』の『銀』を担うサカタさん。どこに『銀』があるのかと思えば、名字ではなくお名前なんだそう。銀髪で名前がギントキさんなんて、出来過ぎじゃない?
騙されているのかと一瞬疑ったけど、高杉さんが優しく名前を呼んでいたので納得せざる得ない。
「──銀時、俺にコーヒー」
「またぁ? さっきも俺が淹れたんですけど。……久しぶりに、高杉くんの淹れたコーヒーが飲みたいなー」
「退け、俺が淹れる。その代わり俺のコーヒーはてめーが淹れろ」
「なんで⁉ 二杯分淹れればいいじゃん!」
「てめーのコーヒーが一番美味い」
「──…っ、」
赤面した銀時さんはそこそこ年上の、いい年齢したダンディなおじさまなのに可愛く見えるから不思議だ。
「はいよ、イチゴパフェはこちら?」
「ハ、ハイ!」
「お待たせしました、イチゴパフェとコーヒー二つね」
ごゆっくりどうぞ、と頼んだ商品と伝票を置く坂田さん。
普段は裏方で、調理を一手に引き受けている坂田さんが厨房から出てくることは珍しい。
そんな坂田さんはすぐには戻らず、店内のある一点を見て苦笑いしている。
視線の先には、向こうのテーブル席の女性客に掴まり、楽しそうに会話を弾ませている高杉さんの姿があった。
「