0からの
とある一点からゆっくりと下に弧を描いて、また始まりへと戻る。永遠を思わせるそれをそっとなぞると、0は笑ってこう言った。
君にも0をあげよう。その名の通り、何もない。知識も、欲も、常識も、感情も、何もないそれを君にあげよう。
だから、君の好きなようにしていいよ。どんな奇抜な発想だって、0には大歓迎さ。常識なんて誰かが決めた枠に収まらなくたっていい。誰も思いつかないような、不可能だと思えるような考えだって君ならきっと可能に変えられる。
それは0からの贈り物だった。何もないそれを受け取って、自分なりにいろんなことをした。
時にはそれが1になって、1000になって。
時にそれはマイナスになって、また0へと戻っていった。
何もなかったそれは、いつしかいっぱいの思い出に満たされてゆっくりと眠りにつく。
目が覚めて、おかえり、と0の声が聞こえた。そして、いってらっしゃい、と笑った。
そうやってまた、0は私に命をくれた。
カット
Latest / 20:19
カットモードOFF
文字サイズ
向き
チャットコメント通知
0からの
初公開日: 2023年02月21日
最終更新日: 2023年02月21日
ブックマーク
スキ!
コメント
2/21 お題「0からの」書く習慣より
お題もらって書いていきます #5
灯森ほののお話は「好きって言ったら怒る?」という台詞で始まり「焦げたトーストは、苦いのにやたら美味し…
灯森ほの(ななり海月)
お題もらって書いていく #4
灯森ほののお話は「人は本当に悲しいとき、涙が出ないのだと知った」で始まり「また会えますようにと願うほ…
灯森ほの(ななり海月)
お題もらって書いていきます
灯森ほののお話は「耳触りのいいその声が、好きだと思った」で始まり「貴方があんまり楽しそうに笑うからつ…
灯森ほの(ななり海月)
『ファーストステップ』執筆RTA③
6月28日ジェイリドオンリー『ブレンドティーは恋の好機』の新刊になりたい話の執筆RTAです。 これよ…
きさ