灯森ほののお話は
「好きって言ったら怒る?」という台詞で始まり「焦げたトーストは、苦いのにやたら美味しかった」で終わります。
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「好きって言ったら怒る?」
「それは、どういう意味の好き?」
勇気を出して、聞いたことにまさか聞き返されるなんて思っていなくて、思わず慌ててしまう。
「そ、それは、……あれ、だよ。あれ。……、れ、んあい的な、やつ」
「ふーん。別に怒りはしないけど、」
「ほ、本当に? 怒んない?」
「うん、怒りはしないよ。別にこっちは何にも思ってないけどね」
「……ん?」
「だから、こちら側に恋愛感情はないよ、ってこと。普通に友だちだと思ってるし」
「あ、あー、ね。そうだよね、ふつ、うはさ。……、へん、だもんね」
「いや、別に変だとは思わないけど」
「え? どっちなの?」
「どっちってなに?」
「なんか、肯定されてるのか、否定されてるのか、わかりづらい……」
「別に、好きにしてもらっていいけど。肯定も否定もしてないし。誰を好きになろうが、その人の勝手じゃん」
「じゃあ、このまま好きで居続けてもいいの?」
「んー、まあ、迷惑じゃなければいいんじゃない?」
「なんで自分のことなのに、他人事なんだ……?」
「だって、わかんないし。今までそうやって好きになってもらったことないから」
「そう、なんだ。……じゃあ、これからは、毎日好きって言うね」
「なにそれ、うざそう」
「はあ? 愛情表現でしょうが」
「いや、さすがにめんどいというか、」
「愛しか込もってないのに……」
「返品しとく」
「はい? それにまだ渡してないし」
「じゃあ、返品予約」
「じゃあ、ってなに? 返品予約ってなに?」
「まあ、なんだっていいけど、これいる?」
「なにそれ?」
「お昼用に作ったんだけど、やっぱり購買行こうかなって」
「え、手作り? ほしい」
「はい、あげる。まずかったら捨ててもいいから」
「いや、残さず食べるね」
「まあ、いいや。お腹壊しても自己責任ね。じゃあ、購買行ってくる」
「いってらっしゃーい」
手渡されたそれはなにやら四角くて固いもので、開けてみるとそこにはサンドイッチの焦げたものがあった。
そもそも、サンドイッチは焦げるだろうか。火を使わなくても作れるものであるのに、表面は炭になってしまったようで黒くなっていた。
焦げは体によくない、と聞くけれど、好きな人が作ったものなら、どんなものであれ栄養満点だろう。と意味のわからない結論を叩き出して、サンドイッチにかぶりつく。
もっと、軽蔑されるかと思っていた。
本当の気持ちを言ってしまえば、もう友だちではいられなくなってしまう、と思っていた。
でも、実際は思っていた以上に呆気なく、それでいて優しさが見え隠れしているようなものだった。
いつも通りでいてくれたからこそ、こちらもいつも通りに戻れたのだ。
今はまだ、この気持ちをすぐには捨てることはできないけれど、それでもきっと、笑って許してくれるだろう。
焦げたトーストは、苦いのにやたら美味しかった。
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初公開日: 2026年02月27日
最終更新日: 2026年02月27日
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