なんだか最近は新作STGの体験版がどんどこ流れてきてとても嬉しい人形使いです。ちょっと間にはTLにまさかの紅魔郷コンシューマー移植に伴ってまたまたお約束のSTG衰退論が流れてきましたが、そもそもSTG衰退論が流れ始めてもう20年くらい経ってる気が……。
 そしてなにより衰退論だのオワコンだの言ってる暇があったら楽しんだほうがお得。須藤真澄先生「おさんぽ大王」に曰く「一度きりの人生ムキにならずにどうする」なので、どんどんプレイしていきますよ。
 というわけで今回プレイしたのは、先だってのSTG意見交換会で発表を行ったサークル「MiddleBit」のまよねえ氏制作による縦STG「STRECT」体験版。体験版は現在サークル公式ページにて絶賛配布中なのでやれ。お願いしてるんじゃないの。命令。
 まず最初の1プレイを終えた感想は「面白かった」「つまらなかった」ではなく「ありがてぇ……ありがてぇ……」(滂沱)でした。
 よもや2026年にこんな良質の直球キャラバン系STGをプレイできるとは見抜けなかった、この海のリハクの目を持ってしても。
 同人STGに限らず、作品というものはどれほど優れていても手に取ってもらわなくてはその魅力を知ってもらうことができません。その点、STGでは魅力的なキャラやBGMといった耳目を引き付けやすい要素を盛り込むことが多くなっている印象です。
 もちろんそれは戦略のうちであり否定されるものではありません。しかし、それらはあくまで付加価値であって、「STG部分そのもの」ではありません。
 それこそ東方では、原作STGが現状PCでしかプレイできないというハードルはあるものの、キャラやBGMといった作品の構成要素の一部だけが切り離され、「ジャンルとしての東方」と「STGとしての東方」が完全に剥離してしまっているいびつな構造になっているとずっと感じてきました。
 しかるに本作は「キャラバンシューティング」という伝統的ながらも今の時代では「古臭い」と認識されても仕方ないスタイルを貫き、「STGらしいSTGの魅力」一本で勝負を仕掛ける実に気骨を感じる作品となっているのです。
 STGの根源的な魅力とは、すなわち「撃つ」「避ける」「稼ぐ」の3つだと認識しています。ではこれらの魅力を最大限に発揮するにはどうすればいいか?
 これらのアクションはすべてプレイヤーがゲームに対して行うアクションです。すなわちそれを魅力的なものになるかどうかは、これら3つのアクションに対しゲーム側がどれだけ良いリアクションを返してくれるかに左右されると考えます。
 まず「撃つ」に対するゲーム側の魅力的なリアクションは「派手に破片と爆炎を撒き散らしてぶっ壊れてくれる」です。
 オタクはモノがぶっ壊れる描写が大好きです(断定口調)。なので、ゲームでもデカいメカが爆炎と破片を撒き散らしてぶっ壊れてくれるととてもうれしい。しかるに本作は、雑魚敵から中型機、大型のボスまでみんな派手にぶっ壊れてくれるので爽快感が極めて高い。特に破片はポイント高いですよ。雷電Ⅱで吹き飛んだ中型機の破片が砂浜に落ちる描写で絶頂してた系シューターとしてはこれだけでモルヒネを上回る多幸感を得られます。
 そもSTGというゲームはその性質上四六時中モノがぶっ壊れているものなので、モノのぶっ壊れ描写が魅力的ならゲームをしてる間じゅう飽きが来なくてアドレナリンどっぱどっぱになれるのでとても幸せ。
 次「避ける」に対するゲーム側の魅力的なリアクションは「スピーディな展開を提供してくれる」です。
 これはゲームの方向性ですが、いわゆる弾幕STGで「大量の弾幕を避け続ける」という場面は、体感的には緩急の「緩」、ともすれば「停」になるもの。
 反面、本作はスピードで敵弾を避けるスタイルになっているので体感のゲームスピードは緩急の「急」。そしてこのスピード感が前述の「ぶっ壊し感」と相乗効果でさらにゲームプレイの爽快感をさらにさらに高めてくれるのでアドレナリンがメルカリで転売するほど出る。
 そして「稼ぐ」に対するゲーム側の魅力的なリアクションは「どっかで見たようなシークレットボーナス」です。
 「どっかで見たような」はしばしばマイナスの意味に使われますが、本作においては「わかってる!このゲームわかってる!」というわたくし人形使いのようないい年ぶっこいてゲームばっかしてるおっさんを大喜びさせてくれる要素です。
 敵編隊の速攻撃破ボーナスのみならず、「画面の四方から出現したパーツが合体する前にコアパーツを破壊するとシークレットボーナス」とかやられたらおっさんシューターとしてはもうそれだけで幸せ。キャラバンシューティングスタイルならこれをやらなきゃな。水戸黄門の印籠ですよ。
 「どっかで見たような」はすなわちお約束をきっちり押さえてるということ。しかもそれをうわべだけの演出に終わらせず、きちんとゲームの楽しみに組み込んでるのが素晴らしい。「触れて楽しいお約束」を作れるのは地味だけどすごいことです。
 いやー……実にいいものを見た。近年これだけ「STGらしいSTG」を真正面から作った作品ってそうそうないんじゃなかろうか。素晴らしい。
 こういう作品は得てして「王道」という言葉が冠せられがちですが、ここはひとつ本作には「正調」という言葉を送りたい。
 完成を楽しみにしてます。
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「STRECT」体験版プレイしました!
初公開日: 2026年06月16日
最終更新日: 2026年06月16日
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