明日は書けないから、今許されている時間でもう一本書く。
さっき書き終わったのは男女の視点で書いて、何か失敗したのでどっちかに固定して書く。
2000文字くらいでさっと書く。
これで終わりにしよう。
童話をモチーフにしようか?
好きだって気が付いているの?
それなのに。
彼は私の気持ちを知らない振りをして友達として接する。
私もそれを受け入れる。
それでも繋がっていたかったから。
だけど、やっぱり無理で、そのラインを超えたら、ダメだってわかっていたのに、私は超えてしまった。
「うわあ、まじで?ごめん。そんな気持ちになれないから」
彼はあっさりとそう言って、私たちの「友情」は終わった。
本当にもろい関係だったんだ。
私がヒロインだったら、この後にずっと私が好きだった人とか現れるだろうけど、そんな人いるわけがなく。
夢見た私が悪かった。
けど、もう無理しないでよくなったからちょっとほっとした。
自分を偽るのは疲れた。
彼のために、さっぱりした女を演じた。
できる女を。
本当の私は優柔不断で、グチグチしている。
無理してた。
コンビニで爆買いして、動画を見ながらビール飲む。
「ふう」
ぷしゅっと音を鳴らして、プルタブを開けて、一気に煽る。
気持ちいい!
そして記憶がなくなった。
えっと私死んじゃった?
なんだか異世界にいるみたいなんだけど。
魔法使える。
しかもめっちゃ可愛い子に転生してる!
いわゆる貴族学院に入学、モテモテの人生。
ただ問題は、可愛かったけど、私の性別は男。
彼そっくりの人は王子様で、私のことを好きになってくれたけど、難しい。
考えた挙句、私は自分の性別を隠して、彼と結婚することになった。
ーー
だめだ話にならない。
何を書きたいのだろう。
ハッピーになる奴書きたい。
でもご都合主義は嫌だ。
ーー
現実はとてもシビアだ。
成功する人は一部だ。
成功しない人はずっと成功しない。
音楽がいい。
音楽に沿って書こうか。
ずっと焦がれていた。
ずっと。ずっと。
あなたは僕の事なんて忘れていた。
ううん。
わからないかもしれないね。
僕は男の恰好をしていたから。
あなたに構ってほしくて女の子の振りをしていた。
だけど、あなたは別に人一緒にいた。
僕には手が届かない人。
諦めるしかないのかな。
あなたは僕を好きになってくれない。
こんなに頑張ってるのに。
どうしたら僕のことを好きになってくれるの?
あなたの見ると光景と、僕が見るものは違う。
そう、世界が違うんだ
私は別の世界で生きていこう。
地道に。
イイこともあるさ。
楽しく生きていこう。
そう。
ーーー
彼に一目惚れして、近づこうと思って頑張った。
女の子の恰好をして、何度かお茶会に混ざった。
姉の名を借りて。
それが逆効果だったみたい。
本当の姉の正体に気がついて、姉と恋におちてしまったみたい。
姉は僕と正反対の性格。
姿は凛々しいという言葉が似合う姉。
姉は騎士だった。
あなたは僕がどんなに可愛く振る舞っても振り向いてくれなかった。
「……君の気持ちは嬉しいけど、私はシシリアが好きなのだ」
「それは僕が男だからですか?」
「いや、違う。正直、シシリアのこと、最初は男だと思っていたんだ。それでも惹かれた。だから女性と知って、すぐに気持ちが決まった。君には悪いことをしたと思ってる」
僕は泣いてしまった。
男だからって理由で断れたと思っていた。
だけど、違う。
殿下は姉が男だと思っていた時から惹かれていたんだ。
「僕の方が可愛いはずなのに」
「……それは」
「そうでしょう?」
「キリア。殿下を誘惑するのはやめなさい」
「シシリア。誘惑など私はされていないぞ」
「どうですかね。殿下は男でもいいらしいですし」
「そ、それは君の場合だけだ。結果、君は女性だったじゃないか!」
「それは結果論ですよね?」
姉はカッコいい。
はっきり言って女性にもてまくっていた。
今も殿下と堂々と渡り合っている。
あんな砕けた表情の殿下を見たのは始めてからも知れない。
僕が最初に見つけた殿下。
だけど、恋は順番じゃない。
「姉上。僕はここで失礼します。殿下をあまり困らせないでくださいね」
「どういう意味だ?」
「キリア。すまなかったな。ありがとう」
「……殿下、やはり」
「だから、違うのだ。説明する」
殿下は姉の手を取ると、歩き出してしまった。
手など簡単に振り解けるはずなのに、姉は引きずられるように殿下について行った。
「ふう」
もう女装の必要はない。
だって、僕の恋は成就しなかった。
「キリア殿」
「あ、ジョセフ様」
部屋を出たところで、殿下の側近のジョセフ様に呼び止められる。
「殿下を見なかったか?」
「えっと、あの」
「取り込み中か?」
「多分」
そうだろうね。
考えたくないけど。
気持ち悪い。
「キリア殿?大丈夫か?」
「はい。大丈夫です」
「ちょっと休め。お茶を持ってくる」
「いえ、あの必要ないですから」
「どうせ、殿下は長くかかるのだろう。それなら待たせてもらおうと思ってな。キリア殿には迷惑か?」
「そ、そんなことは」
ただ女装しているのが、ちょっと恥ずかしい。
別に僕は女装趣味ではない。
殿下に気に入ってほしかったのだ。
もう、必要ないけど。
「それでは了承ととらえていいかな」
ジョセフ様は通りかかった侍女に命じて、お茶を用意させる。
中庭の春風が涼しい、場所だった。
「キリア殿は今日も美しいな」
「え、はい。ありがとうございます」
なんだか照れる。
殿下には一度も言ってもらえなかったけど。
「あなたの美しい姿も今日で見納め、か?」
「多分、あの、美しいなんて、ありがとうございます」
僕は可愛い、それは知ってる。
だけど、真っ直ぐ見られて、何度も言われると恥ずかしい。
照れてしまう。
「私のために、その姿をまた見せてくれないか」
「え?」
「すまない。ちょっと気持ち悪いか。すまない」
ジョセフ様は我に返ったようで、何度も謝る。
「別にいいですよ。でももう少しするとドレスが着れなくなると思うので、あと少しだと思いますが」
「そうか。でも見せてくれるのは嬉しい。王宮まで来るのは大変だろう。我が家で見せてくれないか?」
「え?それは」
他意はあるわけがない。
だけど、突然家に行くのは流石に。
「ジョセフ!うちの弟を口説くのはやめろ」
返事に困っていると、背後から姉の声が聞こえた。
すぐそばには殿下がいる。
「わかっていたが、やはりか」
「殿下!シシリア殿。嫌、これは違う」
「キリア。そいつから離れろ。妊娠する」
「へ?姉上。何言ってるの?僕、男だよ。あり得ないから」
「いや、こいつならやりかねない」
え?そういう人なの?
僕の表情がすべてを物語っていたらしい。
ジョセフ様が慌て始める。
「何を言っている!シシリア殿。失礼だぞ。私は本命にはそう簡単には手を出さない」
「じゃあ、本命以外には手が早いんだな。最低だな。それは。キリア。行くぞ」
「あ、姉上!あの」
姉上は僕のところまで歩いてくる。
「殿下。とりあえずこいつのことをどうにかしてください。私はキリアを送ってきます」
「そうか。そうだな。ジョセフのことは頼まれた」
「殿下!」
姉上に引きずられるようにして、僕はその場から連行される。
ジョセフ様がにこりと微笑みと向けられ、なんだかドキッとした。
「キリア。あいつはまずい。本当に妊娠するぞ」
「しないですから。僕は男だから」
そんなやり取りを姉上と繰り返し、僕は馬車に乗せられて、屋敷まで戻った。
その後、僕は女装をやめて、家の跡取りとして相応しい恰好をするようになった。
姉上は殿下の婚約者になり、家督は僕が継ぐことになったのだ。
「キリア殿」
ジョセフ様はたまに屋敷に遊びに来るようになった。
綺麗な花を持ってきてくれるんだけど、何か違う気がする。
だけど、ジョセフ様のおかげで、殿下に振られたショックは軽減された。
あんなに焦がれていたはずなのに。
僕がジョセフ様に向ける気持ちが何か、今のところはわからない。
でも一緒にいるととても楽しいので、しばらくこのままでいるつもりだ。
姉上に蛇の生殺しなんて言われるけど、酷いと思う。
ジョセフ様は、僕の屋敷にくるようになってから随分遊びを控えるようになったみたい。
僕のことが好きなのかな。
僕自身の気持ちがはっきりしていないので、聞けずにいる。
というか聞くことがおこがましい。
いつか、彼から告白されることがあったら、考えたい。
(おしまい)