御法川先輩の鞄にいつも付けてあるキーホルダー。良く見ると先輩の名前がカタカナで書かれてある可愛らしいものだけど、作ったのかな。
「気になるのか?」
「あっ、ちょっとだけ」
鞄から外して手のひらに乗せながら見せてくれたそれは、音符やクラス名も入っている。まるで売り物みたいだ。
「ファンの人がくれたんだ。器用だよなあ」
「そうなんですか!? 凄いですね」
「司先輩のファンはぬいぐるみに衣装着せたの送ってくるしな。化粧前贈ってくれる人とか、ロードナイトには多いんだよ」
華やかなロードナイトらしい話だ。そういえばクォーツでもフミさんにそういうプレゼント贈られてきてたな。
「ところでさ、立花は鞄にキーホルダーとか付けるの平気か?」
「はい。今は特に付けてないだけで」
「ふうん。じゃあこれ」
カチャカチャと音がして私の鞄にキーホルダーが付けられた。どうしてだろうと先輩を見つめるとニヤリと笑って頭を撫でられる。
「自分のものには名前を書かないと、だろ」
「……先輩!」
顔に熱が上る。でも外すなんて出来るわけがない。それを知ってやってるんだから御法川先輩はいじわるだ。
「次はここにな」
先輩が私の左手を取った。そのまま持ち上げたかと思うと薬指に唇が触れる。その意味を悟った私はもう何も言えなくなって真っ赤になったまま口を開け閉めするのだった。