ぱちぱちと、爆ぜる音がする。
 手に持った花火が威勢よく火を噴いていた。
 わたしはそれを、ぼんやりと見ていた。
 いや、見ていたのかも正直怪しい。
 意識はずっと後ろに向いていたから。
「……」
 ぽつぽつと、七海先輩と佐伯先輩が話している声が聞こえる。
 なにを話してるかまでは分からない。遠いし花火の音がすごいし堂島くん騒がしいし。
 だけど、多分、さっきの。先輩が取り繕ったことだ。
 わたしにはなにも話してくれなかったのに。佐伯先輩には話してる。
 わたしが知らないなにかを、佐伯先輩は知ってる。
 わたしが知らない、七海先輩を。
 ……ぱちぱちと、爆ぜる音がする。
 花火だ、って、思いたかった。
 花火じゃない。手元の花火はもうとっくに音が集まって変わってしまってる。
 それはきっと、わたし。わたしの心が火花を散らしてる。
 どうしてそうなるのか、なにがそうさせてるのか。答えを出そうとする思考からわたしは必死に目を逸らす。
 目を逸らした心はよく分からないぐちゃぐちゃなままで。
 けれどわたしの目はいつの間にか、空を見上げる二人をずっと映していた。
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