・テキストライブを初めて使うので、何か書いてみようと思いました。
・推敲作業をしないと~したくないな~何か良いアイディア振ってこないかな~って放置していた、
オールキャラの二次SS(不真面目)を何かガチャガチャ触ってみることにします。
・ジャンルはヘタリア。主人公は……うん、誰だろ。多分ロヴィ君。
・恋愛要素はなくて、腐向け要素もない。
・そういう感じの話です。
↓って出す簡単な方法知らない。記号をいちいち書くの面倒だなって思うけれど、アナログ過ぎて頭の良い方法知らんのや。つらみ。
↓↓↓↓
本文
 お決まりの肉か魚でロヴィーノはどっちを選んだのか忘れてしまった。隣からの匂いに誘われ舌はビーフを期待するも、トレーに乗っていたのは白身魚のムニエルと魚介のパエリアだ。
 最初の一口を頬張る前に、Che sfiga(ツイてない)と悪態を漏らす。
 肉への未練を炭酸飲料で流してしまおうとメニューを眺めてアルコールの項に数秒だけ目が留まる。しかし、ここは空の上。酸素濃度の減った今の状態では酔っ払って醜態を晒すのがオチだ。
(折角酒が置いてあるってのによ、ツイてない)
 ツイてない時に気持ちを切り替える方法は更に運のない他者を目にすることである。だから周囲に視線をめぐらせることにした。
 まず隣には秒で機内食を平らげたアメリカ人の青年が座っている。ほどなくして物足りなそうな彼はおかわりを注文した。二杯目かと思ったら既に空のトレイが二つ重なっている。
 更に通路を挟んだ座席に東洋人の青年が一人。彼と機内スタッフとのやり取りにロヴィーノは耳をそばだてる。そもそもが「ビーフオアフィッシュ」の問いに「ソルト」と答える低い声が耳に入って来た。
「塩以外は必要ではありません。塩を下さい」
(変な乗客がいるもんだな)
 仕事とはいえ変な客の相手をするのは大変だ等と思いながら東洋人と機内スタッフのやりとりを眺める。
 食事が終わって視線を向けると、例の東洋人のテーブルはまっさらなままであった。ソルトのみを要求したのだから、そうなるわけだ。食べなくても死にはしないさとロヴィーノは視線を戻す。
「お待たせしました。ソルトです」
 しかしドンと音を立ててテーブルの上に乗った物体に釘付けとなった。
「申し訳ありません、お出しできるものが岩塩しかありませんでした」
 かまいませんよとナプキンを巻く東洋人。手づかみで失礼しますと大きな口を開ける。
 その様にロヴィーノの脳内は沢山のツッコミが渦巻いていたのだけれども、表面上は慎ましやかに黙っていた。
 
 東洋人の青年が岩塩にかじりついてかみ砕く時をロヴィーノは息を殺して待ち構えたのだが、絹を裂くような悲鳴が通路の奥から割って入った。
 三杯以上はおかわりをした隣のアメリカ人が、これまた自国の映画みたいにWHATと叫んで座席を立ち上がる。
 そうして「お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか」という定番の流れがあり、好奇心を抑えられなくなったのだろう彼はスタッフに詰め寄った。
「実は俺スカイマーシャルなんだぞ」
 この時点でロヴィーノは疑っていた。どこに三杯以上機内食をおかわりするハイジャック対策の武装警備員がいるというのだろう。しかし現実とは奇なるもの。まさしく隣のアメリカ人は本物のスカイマーシャルであった。つまり彼は銃を携帯しているということだ。
(俺の周りの席の乗客ってヤバイ奴ばかりじゃないか)
 今日は厄日だと落ち込んでいると、アメリカ人青年に引っ張られる。
「君も興味があるんだろ」
 バチーンとウィンクをしてロヴィーノを騒動の渦中に連れていくが、断じてそんな気持ちを抱いてなどいない。
 そうこうして向かった現場であるが、上等なスーツを纏って香水の匂いをプンプンさせたオシャレな男性が床に昏倒している。その側には先ほどの岩塩を頬張ろうとした東洋人の青年が膝をついていた。信じがたい事に人体の許容用を越えた塩分を摂取しようとしていた青年は医者なのだという。
「こう見えてもじじいなんですよ」と誰も聞いていないのに老人アピールをしてくる東洋人の医者が、倒れ伏した男性を診察する。
 息はあるが意識を失っているらしく、頭部に怪我から血がにじんでいるので清潔な布を当てて応急処置をしている。
「問題は彼がどうやって怪我を負ったかということです」
 頭部に出来たコブは時間がたつほどに腫れあがっていく。
「何か鈍器のようなもので殴られてようです」
 と、これまた定番の説明をする東洋人の医者。それにスカイマーシャルであるアメリカ人が「事件だ!」と騒ぎ出す。
「こんなに腫れあがるような鈍器とはいったい…」
 さすさすと座席に置いておけなかった岩塩を大事そうに撫でながら東洋人の医者が思案する。スカイマーシャルの青年も被害者の回りをウロウロと回ってついでに頭部の傷口を凝視する。そして「ちょっと借りるよ」と医者から岩塩をひったくった。
「ぴったりだ、この岩塩と被害者の傷口がぴったりだよ。しかもここに血痕みたいなものもついているんだぞ。
間違いない、凶器はこの岩塩だ! そして持ち主は君……つまり犯人は君だね、医者のえーと」
「本田菊です」
「そう、君が犯人だ、本田菊先生!!」
 まさか空上の飛行機で事件があり、なおかつ乗客の中から挙手して現れた医者が犯人だったなんて!との展開に、周囲がざわつきだした。急遽始まった探偵劇に参加するつもりのなかったロヴィーノは鼻をほじくることで正気を保つことにした。
「一体どうして医者という立場にありながらこんなことを」
「いえ。私は被害者男性と面識がありませんので」
「誰でも良かったって言うのかい! まさか仕事のストレスがこのような強行に」
「そうではなくて、そもそもやってないんです」
「君はうろたえて現実を受け入れられないだけなんだぞ。大丈夫、落ち着こう」
(いや、違うだろ。悲鳴が起きる前にこの先生は岩塩を齧ろうとしてじゃねーか)
 それどころか青年は岩塩が届く前もじっと座席で大人しくしていた。ビーフオアフィッシュではなくてソルトの会話が強烈過ぎてロヴィーノは本田菊なる医者を凝視していたのだからアリバイを立証できる。
 このままロヴィーノが沈黙を貫いていたら無実の塩分愛好家が犯人に仕立てられてしまう。しかし東洋人の医者は男。ロヴィーノが悪目立ちしてまで救う旨味はない。
「そ、そんな…。私が犯人なんて。もし捕まってしまったりしたら、家で帰りを待つあの子達はどうなるのですか。甘えん坊で世間知らずの可愛い子達が世間の冷たい視線に晒されるなんて。
可愛く賢いあの子達の事です。人様の慰めで生きていける器量もあるでしょうが、不特定多数のものたちに肌を撫でられ、なすがままにされる対価に衣食住の保証を得ることも可能でしょう。ですが、もし不埒なものへと愛想を振りまいてしまったら……」
 本田菊の言葉を一語一句効き洩らさなかったロヴィーノは一つの仮説を建てる。本田菊には可愛い扶養家族が複数名いる。おそらく女性だ。そう彼の本能が告げる。
 今こそ恩義を与えて、本田菊曰く可愛いというご家族と知り合うチャンスではあるまいか。そうなるとロヴィーノの行動は早かった。
 自分が目撃したことを正直に伝え本田菊の潔白を証明する。と同時に、食事でソルトのみを要求されたときは岩塩を出すのかとスタッフに問いかけた。
「岩塩?」
 怪訝なスタッフの顔で合点がいく。
「ケッバレ! 犯人は医者じゃないぜ。真犯人は機内食を運んできたスタッフの彼女だ」
 指さした先には本田菊に応対した機内スタッフの女性である。逃げ切れないと悟った女性スタッフは泣き崩れた。
「この男、昔の元カレだったのよ!」
(あーうん、彼女沢山いそうな顔してるもんな)
 と、完璧な造形美の被害者男性に周囲の人間は妙に納得してしまうのであった。これほどの顔面偏差値ならば痴情の縺れの一つや二つはあるだろうという説得力があった。
「……ぅん。お兄さんで争わないで、みんな仲良くベッドで愛し合おう」
 意識が浮上しかけた被害者男性のうわ言が更に確信を与える。
「岩塩も食べてしまえば腹の中だ。仮に傷口から塩の成分が検出されたとしても物的証拠は乗客が処分してしまっている。奇しくも岩塩を丸かじりしようとするほどの塩分愛好家がこの飛行機には乗り合わせていた。
……その偶然が事件を呼び起こしてしまったのかもしれないんだぞ」
「まさか私の嗜好がトラブルを起こしてしまうなんて。今度からビーフかフィッシュかを選んで、塩も追加で頼むようにします」
「それがいい」
 カチリと眼鏡を理知的に光らせながらスカイマーシャルが事件を総括する。こうして機内で起きた障害事件は幕を閉じた。
「オイ、てめー。被害者の様子はどうなんだよ」
「気持ちよさそうに寝ているよ。たまに変な声を出して気持ち悪いんだぞ」
 被害者の無事を知りロヴィーノはほっと胸をなでおろした。死者がいないのは幸いだ。
 しかし、またしても汚い悲鳴が上がった。先ほどの裂帛とは違う、野太く雄々しい声が、ロヴィーノの側から上がる。
「岩塩が!私の岩塩がっ!!」 
 ずっとお預けを喰らっていた岩塩を舐めようとして、しかし掌から消えうせていることに気付いた医者の叫び声である。悲哀と喪失とを抱えた嘆きの声である。
「違うんだぞ、あれは凶器だから物的証拠として提出するんだぞ」
「そんな!」
「君には悪いんだけど、あの岩塩は俺が預からせてもらう」
「せめて一舐め、一舐めだけでも」
「不健康な事はやめるんだ。ラードを呑むのがオススメなんだぞ。で、君の岩塩はどこなんだい?」
「ああ、そうでした。ほんの目を離した隙に私の昼食が」
 医者とスカイマーシャルのやり取りよりも重要だったのは岩塩の行方である。騒動の渦中で消えうせた岩塩に医者は恐慌状態となっている。ものの数秒ほどの間であるので、ロヴィーノは目ざとく周囲を見回した。
 すると様式美とも言える黒い目出し帽を被った不審者の後ろ姿が目についた。すぐさまロヴィーノはスカイマーシャルの青年を小突いて、通路の怪しい人物を指し示す。不審者を追いかけて通路を駆けだすスカイマーシャルの後をロヴィーノと本田菊が続く。
 飛行機の中で顔を隠した怪しい動きをする人間のすることとは何だと問われれば、大抵はハイジャックと想像付くのではないだろうか。
「おい! 待つんだぞ!!」
 スカイマーシャルの声に見つかったと悟った不審者はすぐさま対処する。べろんべろんに酔っ払った乗客を座席から連れ出したのだ。
「近づくな! 一度に摂取すると確実に健康被害を起こしそうな岩塩を、コイツの口に押し込むぞ!」
 凶器として傷害事件に使われた岩塩が、今度は人を脅す道具となった。
 人質となった青年は体格的には不審者より逞しく、ベロンベロンに酔っぱらっていなければ逆に返り討ちにしていそうな立派な体躯であった。
「イヴァンちゃん!」
「貴様…兄さんに密着するなんて許さん! いますぐその立場を譲れ」
 人質の家族が悲鳴を上げる。事件が解決して安堵してきた機内に一気に緊張が走った。
「やめて、僕にウォッカ以外を押し付けないで」
「黙って抵抗せずに岩塩を舐めろ。高血圧になりたくなかったら、塩分を過剰摂取するんだ」
「どっちにしろなっちゃうよ…。こんな酷い事するなんて僕のお友達じゃない悪い子なんだ…ううっ。しょっぱい」
 無理やり塩分を摂取させられる人質に乗客たちは息をのむ。なんて酷い光景だ。人間を無理やり不健康にするなんて邪悪な行為そのものではないか。そんな乗客たちの囁きがさざ波のように聞こえてくる。
 スカイマーシャルはなすすべもなく人質が塩に蹂躙される様を眺めるしかなった。
「そうか…人質になったら合法的に塩分を摂取できるんですね」
 ロヴィーノだけが医者の呟く的外れな言葉を耳にしたが、けっしてツッコンではいけないと鋼の心で耐える。フライトが始まってから彼の怠惰を試すようなボケ倒しの展開が連続しているが、自分はツッコミ役には決してならない。そのような奉仕精神に屈しはしないと心を鬼にした。
 それでも心の中で渦巻くのだ。
(塩舐めて直ぐには死ななくね?)
 その一点を指摘したら旅客機の中で構築されたカオスを引き受けねばならない。スカイマーシャルに始まるボケ倒しの面々に随時ツッコミを入れながら到着までの時間を過ごすことになる。
 それは労働に等しい。労働とは厭うものだ。その信条に背いた時、ロヴィーノ・ヴァルガスはクソ真面目野郎に変わってしまう。つまりは怠惰に対する背信であり、棄教に等しい。
 だから彼は事態を傍観することにした。
「これ以上人質に塩分を摂取させるなら、俺は引き金を引くことを躊躇わないんだぞ」
 真剣な顔でスカイマーシャルが銃口をハイジャック犯に向ける。しかし犯人は相手にせず操縦室へと向かう。
「止まれ! 撃つんだぞ!」 
 撃つというスカイマーシャルの言葉に乗客たちは動揺して悲鳴を上げる。二重三重の旅客機の壁ならば銃弾で穴が開くことなんてないだろう。だからと言って空上の密室で銃撃がおきる恐怖は理性ではどうしようもない。
 座席の下に潜り込む乗客たち、なるべく遠くに逃げようと席を立ちあがる者たち。あっという間に機内は混乱に支配されてしまった。
 スカイマーシャルとハイジャック犯はじりじりと操縦室に近づき、ついにハイジャック犯の手がドアの取手へと触れる。
(撃つしかない!)
 スカイマーシャルが覚悟を決めた瞬間であった。
 操縦室の扉が開き、屈強なパイロットが顔を覗かせる。
 逆三角形の筋骨隆々な体格に金髪のオールバックとゲルマン民族を体現したような険しい視線がハイジャック犯を射すくめる。犯人の一瞬の硬直こそが大事であった。
 パイロットはすぐさまハイジャック犯から岩塩を取り上げる。
「凶器を操縦室に持ち込むな!」
 一喝の後、血管を浮き出させながらパイロットは「フン」と力を籠める。まるでリンゴを砕くように、片手で握りしめた岩塩が砕け散りパラパラと砂になっていく。
「で、お前は一体何をしているんだ?」
 もう岩塩はない。恐慌したハイジャック犯がパイロットに殴りかかろうとして、そのままカウンターを喰らって宙で一回転する。
「パイロットってすげー」
「なんだぞ」
 一部始終を出歯亀していたロヴィーノにアルフレッドが同意した。
 こうして最悪なフライトは幕を閉じたのだ。
「――というように、必ずしもパイロットが屈強とは限らねーある。いつでもスカイマーシャルが乗り合わせてるわけでもないね。そもそもこの事件の発端は岩塩を頼んだことにある。つまり全部医者が悪いある。
搭乗に際しておめー達に口酸っぱくして言っておきたい事は、ビーフオアフィッシュもしくはチキンと問われて選択外の物を上げるじゃねー。クソ面倒くさいある。普通に答えろある。選択されたものから選べって話ある。
袖の下を渡されても我はそんなホイホイ屈する機上スタッフじゃねーあるよ。我は安くないある。
個人的な要望があったら誠意と一緒に我まで一言お寄せくださいある。待ってます。できればドルがいいですある。
 以上で搭乗前の注意事項を終了するね。緊急時の脱出方法とか、救命胴衣の着用の説明?
あー、そんなん座席下の冊子を読めばいいね。1000ページ以上あるから読み応えあるあるあるよ。我は読んだ事ないけどな。鈍器にしてもいいし弾避けにもなるし、長いフライト暇つぶしにもなるある。はい、搭乗前アナウンス終了。もう終了ったら終了。
じゃあ、よい空の旅を」
 機内安全ビデオを一通り目にしてアーサー・カークランドは呟いた。
「そんなアホな」
時間になったので、終了します。御飯がそろそろ焚けそうなので終わりです。
ありがとうございました。
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30分ほど推敲作業をしてみる
初公開日: 2021年10月24日
最終更新日: 2021年10月24日
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初めて使ってみるので、オールキャラ二次小説の推敲作業に30分程度チャレンジしてみようと思います。ジャンルはヘタリアです。