・サディクさんと菊さんの健全な腐向けネタツイがあったので、SSに出来ないかと悪あがきをする作業です。
・目指せ千字越え。志は低く。ひたすら低く。
↓↓本文
 まさかのヤールギュレシである。
 催しの一環として行われた油相撲にサディクを見つけて、驚きのあまり菊は立ち上がった。「参加してくる?」と上司に声を掛けられてしまったら空気を読むしかないが、結果はいうまでもなく秒殺だ。
 オイル塗れになり今まで隠していたタプタプの腹を披露して草原に横たわる。そこまでして得たものは何だったのだろう。「本田君は痩せていると思っていたのに」という屈託のない上司の言葉だろうか。
 トルコくんだりまで来て何をしているのか? 答えはヤールギュレシであった。
 (※なんか適当に競技の説明を書く。)
 試合後に世界最古の格闘技大会にサディクは出場するのかと聞けば、化身だから無理だとの話。久々に油塗れになって楽しかったと笑う。菊とは違い引き締まった腹は、今回の催しで彼が勝者となった証であり、強靭さを如実に示すものでもあった。
 「さ、そろそろ立ち上がりましょうか」とサディクが手を差し伸べるも競技が終わったばかりだったので、ツルンと手が滑って菊の背中は草原にベタンと打ち付けた。
 先ほどまでの豪快さが一変して右往左往するサディクがおかしくて菊は声を出して笑う。
 チクチクする芝生の感触も心地よく、空は何処までも広がり、暑すぎず寒すぎない大気が油まみれの肌を優しく包み込む。
 声を出して笑ったのは久々であった。 
 「気持ちのいい思い出なんですよ」と空港でサディクに説明したのが以上のことであった。ヤールギュレシの思い出と今が地続きの話かと言えば、そうではない。
 あれから数年経って、二人は個人的にトルコと日本を行き来する仲となった。物理的に会うには互いに懐を痛めねばならないので、傍目からは海外旅行が趣味のバブル気分の抜け切れていない痛い中年に見えているかもしれない。
 
 
 
「いや、だからって…その絨毯は」
「せっかく貴方の国の方のご厚意で勧められたのですから」
「カモられてるんですって」
 お土産に買った絨毯を見てサディクの義侠心が黙っている筈もなかったのだ。
 十中八九カモられている。
 ちょっと休んでいきませんかと声を掛けられて、飲み物をサービスで頂いたら、あれよあれよと勧められる小物土産が絨毯に変わっていく。
 それが日本とトルコを往来するたびに起きていたとしたら止めるのが人情であった。本田菊に絨毯を売りつけた相手を見つけようとするような、正義感と男気が同居したサディクの良き面である。
「少しは学習して下せえ」
「まあ、いいじゃないですか。私の家に泊まるとき、サディクさんがホームシックにならないで済みますよ」
 ぐっと何かを呑み込むような顔をしてサディクが諦めたようにため息をつく。
「カモられているのは、俺の方ですかい?」
「新しいお土産と一緒にお待ちしていますね」
 帰りのフライトの中で取り留めない思考が巡る。あの時から菊の上司は変わったけれどもサディクの所は同じまま。
けれども不変など誰も保証できないのだ。
ならば、と。
あの余興のように、最後まで勝ち進んで草原に一人だけ立つ勝者としてのサディクの姿が再びみられることがあるのかもしれない。
過去ならば幾度か大会に参加したこともあったろう。他の化身と草原で力を比べた事もあるのかもしれない。
それは菊の知り得ない、手の届かない領域だ。しかし未来ならば無限の可能性がある。
未来を空想するなんて、まるで人のようと考えて。
むず痒い感情が心に広がっていく。
人であって人でない。
その人の部分の証明のような気がして、うずうずと背中が痒くなる。違う、喜びだ。
明日を考える楽しみを齎してくれたのだと、空港で分かれた男の困った顔を思い出した。
(彼が来るのが待ち遠しいーー)
帰国したら、そうなるような文面で挨拶を送ろうと、思いついたフライト時間の潰し方に満足した。
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サディ菊SS推敲する
初公開日: 2021年10月31日
最終更新日: 2021年10月31日
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どちゃくそ短い腐向け二次ネタツイをSSに出来んかと色々悪あがきをする作業。