- ̗̀拡声器 本日より10月末日まで松萩一本勝負は毎晩22時からトライアル開催中です青のハート紫のハート期間中のお題は《はじめて/大好き/香水/雨/花束/大嫌い/幼なじみ》の7種類をご用意しております。お題は1回の参加につき複数個のご利用𝙊𝙆ですOKサインの人OKサインキラキラ
現在時刻は10月17日22時3分です
お題は 幼なじみ でいきます
端から順にお題が対になってるのオシャレでいいですよね
私も小学校からの友人っていますが
もう何年も会ってないけど
やっぱり今でも会ったら 懐かしいとか久しぶりとかいうより
昨日からの続きのような 不思議な感覚になります ね
まつはぎずっと一緒にいるからそういう感慨深さはないかもしれないけど
松田が倒れている。
当番明け、自宅に帰って来た萩原はリビングルームに入って息を呑んだ。ソファの前に手足を投げ出し、見慣れた男が転がっている。夜勤明けでなんとなく鈍っていた頭が一気に覚醒し、早足で近づきその手を取った。
「お、おい松田……って……」
そして手の中から転がり落ちたものを見て眉を寄せた。プラスドライバー、一番。よく見れば周囲には開けっ放しの工具箱、基盤、線のつながった箱……明らかに何かの分解作業……あるいは組み立て作業……の形跡が散らばっている。手を取られた松田は熟睡しているのか、まったく気づかない様子で一定の間隔で寝息を立てている。
落ちたドライバーを拾い上げ、つい表情が緩んでしまった。
「ったく。休みだからって夜通しやってたんだな」
そのままドライバーを工具箱に入れ、丁寧に蓋を閉めた。昔から一つのことに夢中になるとまわりが見えなくなる。それで周囲の不興を買うこともしょっちゅうだが、松田はまるで意に介さない。
初めて出会った頃から今に至るまで、そういうところは全然変わっていない。
「こーんな色男になったってのに、なあ?」
起きない松田に悪戯心が湧き、その顔の輪郭を指先で撫でた。こめかみから頬を辿り、皮膚の薄い口まわりにそっと触れる。形の良い鼻先を指でほんの少し強めに押すと、寝息が乱れ、眉根が寄った。
「ふがっ……」
「じーんぺーいちゃーん? 朝ですよー」
「……んん……はぎ……?」
「おはようさん。お前のダーリンが帰ってきたぜ」
ほら、喜べ、と。
うっすらと目を開けた松田に、両手を広げておどけてみせる。ニコニコ笑う萩原を視界に入れた松田はいっそう眉根を寄せて、その胸倉を急に掴んだ。
力任せに引きずり倒され、予想外の暴挙に悲鳴を上げてしまう。
「うわあっ!?」
松田の上に倒れるようにして絨毯の上に転がった。倒れたはずみで基盤だかネジだか、色んな部品が散らばって飛んでいく。あとで拾い集めるのがめんどくせぇな、と咄嗟に思ったがすぐに消えた。目の前の青に思考回路のすべてが奪われる。
鼻先がつきそうなほどの距離で見つめ合った松田は、相変わらず眠たげな顔で眉間に皺を寄せている。ほんとガキみてえ……そう思いながら、そうっと、ゆっくり、撫でるように問いかけた。
「あんだよ、ゴキゲンナナメか?」
「別に」
「おはようのキスは?」
「…………」
無言で唇の端に触れた柔らかさに胸が躍る。くすぐったくなる。お返しに鼻先にキスをして、また向こうから返ってきて、子ども同士のじゃれ合いのような軽い口づけを何度も重ねる。
いや、分かっている。子ども同士ならこんなことしない。
「松田……、なあ」
「ん」
次第にじれったくなり、縋るようにシャツを掴んだ。わずかに口を開けて誘うと、望んだとおりに唇が重なる。舌を合わせ、互いの吐息を飲み込み、上がる体温を自覚した。何度か離れては角度を変えて、次第に奪い合うように求め、息が上がって苦しくなる。
何度目か、息継ぎをした松田はすっかり目が覚めた顔で青い瞳を獰猛に光らせた。見慣れた色だ。
昔から変わらない。夢中になってるときの顔だなと思う。
「……ふふ」
「んだよ?」
笑みをこぼした萩原に、松田が不審そうに眉を上げた。その手が萩原の背をゆっくりと撫で、腰のあたりの線を確かめるように擦る。心地いい。
萩原も松田の背に腕をまわし、その肩口に顔をうずめた。
「なんでもねぇよ。続きはベッドでしねえ?」
「そりゃありがてぇけどよ……途中で寝んなよ?」
「陣平ちゃんこそ」
お互いあまり寝ていない。そんなに元気でもない。何となくじゃれ合うだけで終わるかもしれない。それも悪くない。大人同士の駆け引きや欲望のぶつけ合いなんて明日でも明後日でもできる。
どんな感情を互いに抱いたって、根本的なことははじめて会った幼い日からきっと変わっていない。
「萩原?」
起き上がった松田が、寝転がったまま起きる気配のない萩原を見下ろす。甘えるように両手を伸ばし、彼がその手を掴むのを当然のように待った。