松/萩ワンドロワンライ、 第九回目、2022年の初のお題発表します。
お題:New Year。
日にち:1月8日 (21:00~22:00)
現在時刻は10時54分です。あけましておめでとうございました。
2022年1月9日 遅刻とかそういうことはもう気にしない(迷惑)
そもそも一時間で収まる自信もないけど とりあえず
はい。信念。じゃなくて新年。
まつはぎは仕事してそうですね。早朝5時とかにようやく落ち着いて「正月だな~」とか言ってそう。
お節とか まあ作りはしなさそう 萩原が11月くらいにあらゆる知り合いからお節の営業をかけられて 毎年キャッキャしながら選んでたら可愛い。クリスマスケーキも同じことが起こってそうだな……下手すりゃ3ホールくらい買ってそう(付き合い&実家にあげる)
早期予約で1割引き、知り合い優待価格でさらに1割引きの高級お節を食うまつはぎ
私は萩原の知り合いがあらゆる場所に無限大にいると思い込んでいるところがあるけど 実際どうなんだろうな
例年、ハロウィンが終わると萩原のスマホにはありとあらゆる百貨店やパティスリー、居酒屋やレストラン、果ては料亭やホテルに勤める知人友人諸々から、怒涛の連絡が押し寄せる。通勤途中に見かける公園で紅く染まった桜の葉はまだ落ち切ってもいないのに、年末年始のイベントに関するお知らせが山ほど届く。メールはもちろん、電話も来るし呼び出しもある。やれクリスマスケーキの予約に始まりクリスマスパーティーに忘年会、新年会の予定はどうだ今年はどうする、今なら早期予約と特別優待価格でなんと通常料金の二割引き、幹事応援キャンペーンで一名分無料、毎年瞬殺の数量限定商品も今なら取り置いてやるぞ! という好意なのか営業なのか、いずれにしろ萩原にとってはありがたい申し出が待っているだけでやって来る。季節感も秋の情緒も年末商戦の前では落ちかけの桜の葉よりもはかない。そういうものだ。仕方がない。ので。
「今年は××ホテルリストランテの洋風お節にしてみました~」
「お節っつーか単に洋風オードブル重箱に詰めただけになってねえか」
元旦は過ぎて、一月三日。どうせ年越しを家で過ごせないのは分かっていたので到着日を年明けに指定したお節を食卓に置き、萩原は喜々として開封した。重箱の中身に無粋なツッコミを入れる松田も、毎年萩原が仕入れてくるお節をそれなりに楽しんでいる。興味津々に御品書きを眺める顔は明るく、茶化すような声は弾んでいる。慌ただしい仕事を終えてようやく自宅で正月ムードを味わえることになり、気が緩んでいるようだ。
起き抜けで普段に増して奔放に跳ねまわっている黒髪を、萩原は何となく撫でつけながら言った。
「無粋なこと言いなさんな、美味そうだろ。数の子の洋風ワサビ和えとか、お節っぽいのもあるじゃん?」
「エビが一匹しかいねえな」
「ジャンケンか?」
「芸がねえ。もっと正月らしいほうがいい」
「陣平ちゃん、もしかして眠いか?」
頭を撫でまわすのをやめ、松田の顔をはたと見つめた。気が緩んでいるのを差し引いても、やけに頭がハッピーニューイヤーだ。とりあえずシャワーでも浴びてこいと言うべきか、同じノリでハッピーに新年を満喫すべきか。
悩みそうになった萩原をよそに、御品書きから顔を上げた松田は目が合うと不遜に瞳を光らせた。すかさず顔が近づき、軽く唇が触れる。
「えっ」
「は、隙あり」
ぺろりと舌先で薄い箇所をわずかに湿らせ、すぐに離れて鼻で笑った。その顔に先ほどの寝ぼけた雰囲気は微塵もない。この野郎、と口元を歪めた萩原に、松田は上機嫌で言った。
「正月らしく、かるたでもするか」
「読み手がいねえのにどうすんだよ」
「それもそうか。じゃあ、坊主めくり……トランプも出すか」
エビ一匹のための前座で随分と遊ぶ気満々である。さっそくボードゲームの入った引き出しを探り始めた松田に何も言わず、萩原はお節の蓋を丁寧に閉め、冷蔵庫にしまった。
「陣平ちゃん、年末に買った菓子と酒、どこ置いたっけー?」
「戸棚の右のほう」
「あった、サンキュー」
ポテトチップスにスルメにミックスナッツ、チョコレート。普段飲み慣れた缶チューハイやビールを床に並べながら、まあ正月なんてこんなもんだよなと思う。
松田がうっかり床にぶちまけたトランプのカードを一枚、拾い上げ、萩原はゆるやかに笑った。