その邦には、伝説と呼ばれた忍びがいた。風のように速く、誰ひとりとしてその姿を捉えた者はいないという。
「ほう、それは中々興味深い話だな」
ろうそくの灯が揺れる城の中で、主の声が静かに這う。このところ作物の実りも良く、戦は先代のさらにその先代の頃の話となり、城の主にも与太話を楽しむ程度には余裕のある日々だった。
「誰ひとりとして姿を捉えた者はいないというのに、何故そのものが存在しているとわかるのだ?」
「姿は見えずとも、そやつがやり遂げた仕事の後だけはきっちりと残るのですよ」
側仕えの者の筆は淀みなく紙の上を滑る。一日の記録を残して後はもう寝るだけだというのだから気は楽なものだった。
「たとえば?」
「そう……ですね。私の聞いたところによると、失踪した犬を再び元の場所に繋ぎ直していただとか、地駆鳥と併走していただとか、矢よりも速く文を届けただとか」
「伝説というわりには規模が小さいものだな」
「まあ、一昔前でしたら暗殺依頼だとかで引っ張りだこだったでしょうが、このご時世ですしね」
「だがまあしかし、興味は湧いた。一度目にはしてみたいものだな」
城の主は側仕えの者とほぼ時を同じくして帳簿を閉じ、立ち上がる。
「だから速すぎて姿を捉えた者はいないと言っているではないですか」
「だが地駆鳥と併走していたのを見た者はいるのだろう」
「言われてみればそうですな」
はははと、ふたりして大して面白くもない話を面白い気分になりたいがためにぼやっとした笑いを発する。だがふと顔を上げたとき、ひとり多いことに気が付いた。
宵闇に紛れるような全身黒で染め上げられた衣。それも、顔まですっぽりと覆った不自然な姿で。
これは曲者というやつでは? と、ふたりの頭の中には同じ事が浮かんでいたが、それをどうにかするような武器がすぐ手元にあるわけでもなかった。
「──た」
黒ずくめがもぞもぞと喋る。聞き取れずに聞き返した城の主の耳には、頭のほうが拒絶するような難解な言葉が届いた。
「我が姿を見たい。つまり、嫁にしたいということですね!」
頭巾の下は若い娘であった。妙に自信ありげなその顔に、城の主は見覚えがなかった。
「いや違うが……?」
側仕えも、あまりの事態になりゆきを見守るほかなかったという。
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即興小説30分
お題:幼い人間
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【書く前】
幼い人間って普通に名詞過ぎて逆に困るやつ。
魔女集会みたいな人間拾う系、人間……人類は生物の中でも新参者やろみたいな意味での幼いとか? 導入とオチ
妖怪みたいなのが普通に存在してたり? 普通の動物に喋らせるのはなんかちがう。幼いってなんだ
〝幼い〟→年ゆかぬ。幼少である。いとけない。未熟である
思慮が欠けている
超がつくレベルの短慮なやつのコメディとか。早とちりの早が早すぎるんじゃい!!みたいな? のをどう話にする……?爆速忍者(色んな意味で)
1 疾風と呼ばれた伝説の忍者
2 早すぎて誰も捕らえられないというその忍者に興味をもった城主
3 城下町で町人に扮したそやつと遭遇
4 事情はしっているとか物知り顔。渡す予定のない相手に恋文が送られる羽目になって焦る
微妙やな~
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【書いた後】
幼い人間とか関係なく、普通にアホな話になっちゃった。
最初に構成時間とってから書き始めるのは、それなりに展開がある話書くつもりのと気はいいけど、ギャグ系に転ぶときは勢いが死ぬかもしれない。けど、ギャグ系増やすよりは、ファンタジーなやつとか増やしていきたいから、やり方としてはしばらく構成に10分さく方式でやってみよう
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