種がまだ目を出さぬ頃、月明かりが畝を照らしていた。人は寝静まった時分だが、ひとつだけ小さな影がある。一生懸命に大地から天に向かって両手を伸ばしてみたり、思い切りしゃがんでみたりと忙しなく身体を動かしていた。
「こう、したら、芽がにょきにょきって、出てくるはずなのに……!」
 ひときわ大きく身体を仰け反らせると、その小さな影は派手にひっくり返った。強かに打ち付けた頭を抱えてもんどりうっていると、ないはずの影がもうひとつ現れる。それはすらりとした女の姿をしていた。
「何をしているの?」
 見覚えのない女の顔を、小さな影はまじまじと見つめていたが、ありあまった元気を使って跳ね上がる。
「畑の種がいっぱい伸びますようにっておまじないをかけてる!」
「おまじないは効いた?」
「ぜ~んぜん!」
 種はそうすぐ大きくなるものでもない。大人であればわかっていることでも、小さな影には、魔法のような出来事が本当に自身の手で起こせるような気がしてならなかった。
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即興小説15分
お題:緑の母
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【書く前】
大地の神感ある。緑の母がどうする?どうなる? 穀物の神って死体から植物生えてきたり、種籾が生まれたりするイメージ。
ツクヨミがなんか、あれしたやつも
もしくは畑仕事がすごい得意なお母さん
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【書いた後】
トト○ごっこしてた子供の前に現れたのは本当に森の妖精さん的なものだけど、別に作物をめっちゃ育てられるとかそういうのなくて、のんびりお話しして終わるみたいなのでもいいかなと。オチは考えてない
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【即興】天突く緑 2021-03-03
初公開日: 2021年03月03日
最終更新日: 2021年03月03日
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