ガツガツ打ってるので文は整ってません 名前の呼び方も後で調整します…
「おい!」珂波汰が怒鳴ったのは、二人で身体よりデカい菓子パンを頬張ってる時だった。虫歯になりそうだな、なんて言いながら笑い合ってた次の瞬間だったので、俺に向けてではなく別の用件に対しての怒声。 
「なんだよお、うるせーなぁ」 
珂波汰は目を見開いて開いて言う。「今日! 雑誌の…べいと対談じゃねーか…」
雑誌の対談内容はでぃざいあでの対戦について。負けたチームと勝ったチームでの非常に趣のある対談である。
「ムカつくしぽかしてやろうぜ」と言うと珂波汰は「金になんだから出ねえ選択肢はないだろ」と窘める。
嫌がる俺の手を無理に引き、撮影の行われている場所へと向かう。こんなに小さい体で。アパートから出ることにすら苦労し、階段を降りきるころには足の裏がひどく汚れ、少しだけ切り傷ができていた。座り込み肩で息をする。なんで靴も小さくなってねーんだ、と珂波汰は毒づく。どうしてか身に着けていた服だけは身体に合わせて小さくなっていた。
「…珂波汰?」
二人で撮影場所へと向かい立ち上がろうとすると頭上よりずっと高い場所から声が聞こえる。それに続き、女みたいな声で、珂波汰じゃん、那由汰もいるじゃん、と聞こえる。
声のもとを見ようと首を上げようとした瞬間、珂波汰の体が視界から消える。そして自分の体も地面から足が離れてしまった。足をばたつかせようにも背中をつままれているため空気の抵抗が強くうまく動かない。
情けなく珂波汰の名前を呼ぶと前方から同じように那由汰と呼ぶ声が聞こえてくる。そして「とりあえず、連れて帰るか」「そうだね。よごれちゃってるし」と声。背中をつまむ力が消えると同時にまわりがまっくらになった。ポケットに突っ込まれたことを自覚し揺れから遠くへと連れていかれることを把握する。那由汰! 那由汰! とクソでかい声が聞こえるので近くに兄がいることは分かったのでそのまま揺られることにした。珂波汰あ、いるぞ。と返事をしているが一向に俺を呼ぶ声が消えない。珂波汰、自分の声のせいで俺の声が聞こえてないぞ、と言ってやりたくなった。
ガチャ、と扉を開けるとすぐに男性の声が玄関に響いた。音の響きから天井が高くて、空間の広い玄関なんだろうなと察する。それに声がピンと張り、壁に吸い込まれず響くということは壁もいい代物なんだろう。夏は涼しくて冬はあったけえそういうのなんだろうな。
声には聞き覚えがあり、最初は撮影が結局ダメになった事への謝罪の連絡を入れろというものだった。俺と珂波汰を連れてきた二人は渋々とスマートフォンの操作を始め謝罪をする。急にアレンが体調を壊してしまい、時期も時期なので様子見で同居している三人全員で休みをとりたいという内容。「探してはみたんですが、cozmezの二人の居場所も検討がつかなくて…アレンもこんなですし、延期させてください。すみません」アン・フォークナーは燕夏準に向かい舌を出しながら通話を切った。「で、あの意味不明なメッセージはなんです。二人が小さくなった? もう酔っぱらっているんですか」アレンとアンはいたずらをする子供のような声音で答える「見ろよ、すごいんだぜ」
 ポケットから取り出されると目がちかちかとした。まず天井を見て、うちとは全然違うな、と感じる。だって、廊下になんか白く濁った丸い照明が三個も並んでる。必要なくね? うちの廊下なんてそもそも電球なんてない。玄関にむき出しの白熱灯があって、それを過ぎたら今までなにもない。それでも十分なほどには廊下は狭いし暗い。掌に乗った状態で廊下を進む。洒落た扉を開けると広い部屋へと出た。でかいソファ、でかいテレビ、キッチンなんか浮島みたいに、インテリアみたいに妙な場所にある。俺の家の台所なんて部屋の隅においやられてるのに。どこもかしこも明るくて清潔だ。自分を手に置いている朱雀野アレンの親指を押しのけアン・フォークナーの手の中を覗き込む。珂波汰も苦虫を噛みつぶすような顔をしていた。眉間に皺を寄せすぎて鼻まで不機嫌そうに歪んでいる。不細工。雑誌で見た部屋を答え合わせしているみたいだ。見たことある、見たことある。そういえばあの雑誌に燕夏準のページもあったな。俺の好きなブランドの服を着て撮影していた。少しだけ唇を噛んだ。
 抗うすべもなくガラステーブルへと降ろされ、三人が上から俺たちを見下ろした。キッチンのあるリビングではなく、シアタールームも兼ねているようなプロジェクターが設置されていて、今俺たちが置かれたガラスのローテーブルは毛の長いふさふさとした絨毯の上に鎮座している。三人の向こう側にあるいい布に包まれているソファは元のサイズの俺たち二人が寝そべっても余りがありそうだった。足置きまでついてる。こいつら、茶色い酒飲みながら膝で猫でも転がすのか。妬み…というよりは憎しみを込めて上に居る三人を睨みつける。こんなふかふかでゆるゆるな場所でノウノウと生活してるやつらに負けたと思うと腹の中身を掻きむしりたくなるくらいムカついてしまう。なんか言えよ、それが通じたのかアン・フォークナーがゆっくりと、口を開いた。感情を発声に乗せるために間を置きながら。
「か…かわいいいいいいいいい~~~~~~~!!!!!!!」
沈黙、そしてこの波紋は伝播する。
「っか、かわいいよなあ!? なあ夏準! これ、珂波汰と那由汰だぜ?!」
「ねえ?! どーしっちゃったのアンタら?! やだ~! かわいいかわいいかわいいおもちゃみたい! え~?! 顔がいいとは思ってたけど小さくなると、…食べちゃいたいくらいかわいい!」
 こんなネズミ食べたら具合が悪くなりますよ。二人とも趣味が悪いですね。夏準はそう言い捨て読んでいた本を持ち直しソファへと腰掛ける。が、アンとアレンの様子は一向に収まらない。
「いやー! 触っていい?!」返答を待たずアンは珂波汰の髪を指先でわしわしと撫でる。マニキュアの赤が珂波汰の白い髪に埋まり見え隠れしている。照明の光に当たりキラキラとする爪は何か得体のしれない生き物のようでつい見とれてしまう。珂波汰のやめろよ! という声で我に返る。「珂波汰に触るなよ」と大声を上げーようかと思ったが嫌がる兄が面白くて声をあげて笑うだけにとどまった。珂波汰から睨まれる。アレンも俺に向かって手を伸ばそうとしている気配を察したため「さわんじゃねーよ?」と声を投げる。うっと言いながらもアレンは手を自分の膝へと戻した。
 ひとしきり珂波汰をつつきまわし、アンは何かを思い出したかのように立ち上がる。「いいもの持ってた! 二人とも、そこでじっとしててね!」と言いパタパタと廊下へと走っていく。アンの姿が見えなくなると今度はアレンが堰を切るように話し始める。どうしてこうなったんだ? わからない。なにか困ってないか? 困ってない。もう昼飯の時間だけどなんか食ったのか? 返事を聞く前に、「あれだ!あの、こないだ話してたやつ! 夏準!」といよいよソファで横になりくつろいでいた夏準の本を取り上げる。「なんですか」「あの! 菓子!ファウンデーションみたいな名前の! あ! ファウンドチョコ!」勢いよく立ち上がりアレンは廊下へと向かう。「今タブレット持ってくっから! 作ってやるよ! アンにも食わせてやる予定だったからな!」にか、という音がふさわしいような歯を見せる笑い。嵐が去った、という安心感からついへたり込んでしまった。隣の珂波汰も同じようなタイミングで座り呆然としている。
「なんだよこれ…なんなんだよあいつら…」
「こわすぎ、まじ、キマりすぎじゃね…」
 どちらともなく声が漏れ出る。夏準は俺たちの会話を聞いているのか聞いていないのか鼻先であしらい、本のページを緩慢にめくった。
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 着せ替え人形、といって想起させられるのはかわいい女の子のボディだろう。人形は大抵女体でできている。まれにその恋人という設定で男性の体が使用されることもあるが、五体に対して一体程度でマイノリティに分類されるはずだ。今、着せ替えられている男女比は百パーセントが男。しかも二十歳(はたち)目前の。「こういう、かわいいミニチュアの洋服ってつい集めちゃうんだよね」そういいながらアン・フォークナーはにやつきながら俺たちに服を着せる。いや~服の種類が全く浮かばないので後で書きます
「アン、コレクションが汚れてしまいますよ」
「夏準は本当に失礼だね?! いいの、こういう美少年に着てもらうために服ってあるんだから」
 それは至極同意だ。つい頷くと珂波汰がこちらを凝視している。「女物は話が別だろ」「そう? 珂波汰もよく似合ってるぜ」
「まず二人を洗濯したほうがいいと思いますね」
「夏準!」燕夏準を窘める声に乗せ朱雀野アレンの声が響いた「なあ! ファウンドチョコ、どこにもレシピが載ってないんだけど名前本当にあってるのか?!」
「もしかしてフォンダンショコラの話ですか? さっきからアレン、間違えていますよ」
 夏準! 今度はアレンが声を荒げる。分かってるなら呼び止めろよ! と息をまくと夏準はアレンの顔を見ることもなく笑う。
 
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向き
はじっこ暮らし
初公開日: 2021年01月18日
最終更新日: 2021年01月26日
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