あるところにとても醜い魔女がいました。
魔女はみんなに嫌われていて、自分の容姿が醜いせいだと思ってました。
そんなある日、魔女は自分の理想の顔を持つ女性と出会います。
女性は美しい容姿だけでなく、美しい心を持っていました。
魔女は女性を騙し、特別な魔法を使って、魂を入れ替えることに成功しました。
美しい姿を手に入れた魔女でしたが、彼女は徐々に嫌われていきます。
女性には高慢に振る舞い、男性に媚びを売る。
最初は男性も魔女の醜い振る舞いに気が付かず、その美しい姿に惑われて、騙されます。
彼女のため婚約者や恋人を裏切った男性たちがたくさんいました。
しかし、ある時男性は魔女の裏の顔を知り、それを友人に伝えます。初めは信じなかった男性たちもよく観察するようになり、気が付きました。そうなれば、目を覚ます男性も多く、魔女の元から次々と男性は去り、彼女は孤立しました。
皆に嫌われていることに気が付き、魔女は驚きます。
美しくなった自分をなぜ嫌うのかと。
居場所を失った魔女は森に戻ります。
もちろん、そこには醜い姿になった彼女がいます。
彼女は、楽しそうに暮らしていました。
いつの間にか、友人もできてようで、楽しそうにお茶をしていました。
魔女はわかりませんでした。
なぜ、彼女は醜い姿なのに、あんなに楽しそうで、友達もできるかと。
悲しみに囚われた魔女を見つけた彼女は、魔女をお茶に誘います。
自分が騙してことに気が付いているのに、お茶に誘う彼女を魔女は理解できませんでした。
「どうして、あなたはそんなに楽しそうなの?」
「楽しいからよ。あなたの家には面白い本がたくさんあって、レシピもあったわ。あなたは料理がとてもうまいのね」
彼女は魔女に微笑みます。
「あなたは私は怒っていないの?」
「いないわ。びっくりしたけど。だって、魔女になれたのだもの。あなたみたいにすごい魔法は使えないけど、ほら、火をつけることができるようになったのよ」
彼女は魔女にそう言って、蠟燭に火を付けます。
魔女は魔法に憧れる彼女に魔女になれる薬として、魂を入れ替える薬を飲ませました。
彼女自身は魔法を使えないけど、魔女の体には魔力が籠ってました。
本を読んで試行錯誤した結果、蝋燭に魔法を付ける小さな火の魔法を習得したようです。
「すごいわね」
なぜか、魔女は泣いてました。
そしてやっと理解しました。
彼女が好かれていたのは、その美しい姿ではなく、美しい心であることを。
そして自分が嫌われていたのは、自身の醜い心のせいであることを。
「ごめんなさい。私はあなたになんてことを」
魔女は初めて自分がしたことを後悔しました。
「気にしないで。私は魔女になれたことがとっても嬉しいの。気になるなら、私に魔法を教えてくれない?」
「もちろん!」
そうして、魔女は、彼女に魔法を教えました。
のちに彼女は大魔女と呼ばれる存在になりました。
彼女の隣にはいつも美しい女性が側に控えていました。
二人はいかなる時も一緒に過ごして、末永く幸せに暮らしたそうです。