ハラリ ハラリ
桃色の花びらが踊りながら落ちていく。
この光景を見るたびに悔しさが溢れてくる。
涙で心が満ちてこぼれ落ちていく。
君が問いかける。
「これが答えなのかな」
君は微笑みながら同意を促してくる。
そこには全くの悪意はなく。純粋無垢のよう。
そんな訳がないんだ。綺麗な花の中で、君と一緒に笑って、優しい世界が広がるだけじゃ足りないんだ。偽りの幸せに浸かってるだけじゃ足りないんだ。
「まだ見つけたいんだ ごめん」
そう言って、いつも自分を鼓舞して静かにその場を離れる。君はいつまでも柔らかい表情でいる。それを見て、土を食わされたような気分になる。
君は間違っていない。それも1つの答えだ。そして必ず生きていく上で必要なものだ。だからこそ、この悔しさを乗り越えるには、君の伝える優しさを超える、新しい優しさのあり方を見つけるしかなかった。
君にいつも負けていた。
君は純粋に包容し続けた。包容によって人を助けていく。その中に私も居た。助けられた。だから痛いほど分かっている。君が持ってくる甘露が酔わせて今を強く認識させた。
だからこそ、それがどうしょうもなく自分が無能であることを意識させた。悔しかった。このままでは君を助けることが出来ない。悔しい。この現状を打開するための手段が手元にない。その不甲斐なさが負けていることを実感させた。
君は優しくつぶやく。
ハラリ ハラリ
花びらが踊る。
そうやって救われた人達が、本当はただの藻屑として消えていくのも嫌だった。本当は、それが儚く美しく見えたのも吐き気がするほど嫌だった。
もしかしたら、それを君は嘘だと知っているんじゃないのかと思った。そうして微笑みを絶やさない君が醜く見えるのも嫌だった。君をその嘘の連鎖から剥がして、君をただのでくの坊にしたかった。
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向き
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桜にいつも負ける
初公開日: 2021年01月16日
最終更新日: 2021年03月08日
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