氏は、またいつもの食事時間に戻っただけのはずだった。広い食堂に、長い机。古ぼけた石壁に開けられ几帳面な四角い穴から差す陽光をあてにしてカトラリーを探る。
食事そのものは、十人に聞いたら七人くらいは羨むであろう、質素からは程遠い洗練されたもの。手の平くらいの厚みに切られた豚の肉を、地元で取れた果物で煮込んで、それから焼き目を付けて。野菜のたくさん入ったスープ、くったりとした葉の食感が優しく喉を通る。だが全て冷え切っていた。
氏はそのような食事に、いままでこれといった不満はなかった。ただ先日、古ぼけた館の壁に空いた穴からやって来た小さな客人達がひとしきり騒いでいった後から、妙な違和感に付き纏われていた。
この食堂は、このような薄暗いところだっただろうか。
招かれざる客人達は、館の主よりも遙かに傍若無人に振舞っていた。迷惑甚だしい。大声を上げて出て行けと脅そうが、それすらも楽しみに変えて耳障りな笑い声を立てていた。その数日、氏は生きてきた年月の中で一番の疲労感を味わっていた。なぜ自分がこのような理不尽な目に遭わねばならないのかと、珍しく憤ってすらいた。
奇妙なもので、その客人たちが消えたら消えたで、理不尽な思いは大きくなっていた。名前も知らない無礼な客人達。
庭先にでも出たら、またやってくるだろうかと、氏は思案した。
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即興小説15分
お題:暗い食堂
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【書く前】
結局30分即興小説の時間はとれないから15分のやつ続けることにした。
暗い食堂→物理的に暗い。雰囲気的に暗い。暗いの種類的になんか怖気がするとか。廃墟散策してる時に食堂部分に入って暗いとか
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【書いた後】
文学風にしてみたんだけどどうなんだろうな? 偏屈爺さんのお屋敷に近所の悪ガキ達が忍び込んで好き勝手していったのを追っ払ってるようなイメージでもあるし、妖怪的な主がひっそり住んでるところに子供だか猫だかが忍び込んだ感じかもだし。いままでもずっと傍から見たら寂しそうな生活を送っていた館の主が、賑やかなのに遭遇して、元の生活に戻ったらなんか寂しくなっちゃったみたいな。
遊園地の帰り道寂しいみたいな。
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