『仲直りしなければ出られない部屋』などといったふざけた看板が出口に掲げられていた。それ以外に装飾らしい装飾はない殺風景な部屋だ。壁も天井ものっぺりとした白に覆われている。
「ふんっ、馬鹿馬鹿しい」
腹いせに開きもしない扉を蹴飛ばす。噂には聞いていたが、試練の塔にはこういった悪趣味な仕掛けがいくつも施されているという。
「おい、お前もなにか手伝えよ」
「君のその偉そうな態度が改まらない限り協力するつもりはないし、仲直りとやらをするつもりもない」
「仲直りなんてできるわけないだろ。そもそも仲良くねえんだから」
部屋の隅でゴミのように陰気を纏って座り込んでいた魔術師に話しかけるも、帰ってきたのは相変わらずの愛想のない返事だった。
「閉じ込められたんだったらなんか仕掛けがあるんだろ。だったらそれをぶっ壊すのを手伝えって言ってんだよ」
「どうやら君の脳にまで情報が届いていなかったようだね。僕は君のその態度が変わらない限り手伝う気はないと言っているんだ」
「ああそうかよ。野垂れ死ぬならてめえ一人で野垂れ死にやがれ」
パーティーから分断された直後よりも険悪な空気が場に流れる。もとより無理な相談だ。戦術クラス内でも有名なほどに水と油なのだから。
それにこれは実習用の試練の塔だ。恐らく死ぬまではいかない。原因不明の行方不明者は毎年いるようだが。
「はぁ~……痛っ!?」
溜息と同時に頭に硬いものが当たる。
根暗の仕業かと目を吊り上げるが、足元に落ちていたのはこの部屋になかったはずの物体だった。床と同じ白の骨。
『昨日食べた』
ふざけた看板の文字がぐにゃりと曲がって、そう文字を変えた。
「仲直りだ根暗ー! 仲直りの方法全力で考えるぞー!」
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即興小説15分
お題:昨日食べた部屋
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【書く前】
昨日食べた部屋? 部屋を物理的に食べた? 昨日何かを食べたときに使った部屋? 昨日何かを食べた部屋(部屋自体が何かを食べたとか)
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【書いた後】
魔術師は女の子のつもりだったけどまったくわからんなこれ。魔術師だけじゃなくてどっちも女の子かなという感じはある。
男子で荒くれ者キャラだったら、もっと扉を思いっきり破壊する行動に出てるような。
冒険者学校みたいなところで、卒業実習みたいなそんな感じのあれ。
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