銃口がいくつも向けられていた。訓練された構え、同じ制服、頑丈そうな盾。武器はこちらも持っていたが、戦力が同じなら不意を突かれた方と不意を突いた方とどちらが有利か、囲まれている方と囲んでいる方とどちらが有利か。そんなことは理屈を知らなくても本能で理解できるというものだった。
「大人しく投降しろ! 命までは奪わん!」
 盾を構えた向こうから割れた声が上がる。背中を合わせていた仲間の肺から空気の抜けた気配がした。
「まあ、こりゃどう考えても勝ち目はないですわな」
「2対10じゃ、ふつうそうだよなあ」
 しかも逃げ場のない地下にある駐車場ときたら不意をついてうまいこと逃げ出したところで、出入り口はとっくに塞がれているに違いない。
 やつらに尻尾を掴まれているかもしれない。と、聞かされた時から嫌な予感はしていた。そんな危うい時期に、組織の権力圏でもないただの駐車場で作戦をおこなうなんてアホ極まりないだろうに。
 盾の向こうによく見知った顔があった。疑いようもなく目が合う。奴の口が動きを見せる。
 トカゲの、
 動きだけで聞き取ったその言葉。予想を全く超えてこなかったが、それはそれとして純粋に腹は立つものだ。
「なあ知ってるか? トカゲの尻尾ってやつは最後に大暴れするもんなんだよ!」
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即興小説15分
お題:トカゲの、と彼は言った
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【書く前】
トカゲの、 ときたら尻尾かな? 悪の組織でトカゲの尻尾にされる下っ端とか
トカゲの尻尾は特効薬とも思ったけどそれはヤモリの黒焼きか
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【書いた後】
完全に現代ものってよりも、サイコパスとかハーモニーみたいな近未来っぽい感じが良いな
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