あの日、確かに死んだはずだった。死んだという記憶を持っている。それにも関わらず、身体はまだ残って。
「羽田君。私の授業中に上の空とは良い度胸ですね」
「授業中……?」
 気付いたら座っていた椅子から立ち上がらないまま、辺りを見回す。ひとつの部屋に三十人ほどが座らせられていて、その視線は総じて自分に注がれていた。それも皆似たような──というより同じ黒い服に身を包み、一様に椅子の前に設置されている机の上に紙を広げるところまで揃いだ。
 どういうことだろうか。(目の前で仁王立ちする女性は除くとして)誰からも敵意は感じられないが、戸惑いが薄れることはない。
「あの、俺──いえ、自分は模擬仕合の最中に死んだ……という、認識なのですが。教官……? ですか? これはどういう……」
「そうとう気持ち良く寝こけていたようですし、夢と現実の区別がつかなくなっているようですね。よろしい。廊下に立っていなさい」
 目を吊り上げた教官らしき人物がキビリと扉を指差す。掟に従わないのなら出て行けという意味なのだろう。大人しくその指示に従い、部屋の外に出れば、長く真っ直ぐに伸びた廊下が待っていた。吹きさらしなどではなく、屋内でそれなりに温かい。本当に罰として立っている場所がここでよいのだろうかという疑問は残るものの、教官の反応を見るにこの場所で合っているようだ。
 どういうことだろうか。目線の位置にある窓から広がる青空が答える事はなかった。
~~~~~
即興小説15分
お題:限界を超えた命日
~~~~~~
【書く前】
限界を超えた命日というと、本来死ぬはずだったのにそこを越えて生き残ったとかそいういう感じかな?
SFとかファンタジー系の方が好きだけどたまには現代物もいいか迷うな~
~~~~~
【書いた後】
なんか戦闘があるような世界から急に現代に飛ばされたみたいな。模擬試合中に手入れ不十分だった武器が折れてうっかり死んだとかそんな。
元々存在していたはずの人格も押し出し方式でどっかの世界に飛ばされたか、死んだと思ったけど実は死んでなかった身体と入れ替わってるとかもありかも
~~~~~
カット
Latest / 20:01
カットモードOFF