「……テイム!」
 少年のかけ声と共に、その手からは光が放たれる。その光は草原の中で佇むいかにも無害そうな球状のゼリーの下へと集まっていく。ぎちぎちと輪が縛り付けるように絡まると、ぽにゅりと間抜けな音を立てて首輪へと形を変えた。
「やった、できた! 僕のはじめての従獣! ……スライムだけど」
 術の成功を見届け、小躍りする少年。初級も初級の下級モンスターが相手なことを思い出して少しばかり冷静になってはいたが、嬉しいものは嬉しいらしい。すぐさまスライムの近くへと駆け寄ると、つるりとした小さな身体を持ち上げた。
「僕の名前はカイ。君の名前は?」
 本来モンスターは喋らないが、少年の頭がおかしくなったわけではない。テイムの術を掛けた主とその従獣の間では、知能が低い者相手であってもある程度意思の疎通が図れるものなのだ。
 スライムもその例に漏れず、少年の言葉を理解したように身体を上下させ、つぶらな瞳を少年に向けた。
「ワイみたいな底辺モンスターに名前なんてあるわけないやないですか~。やだなもお。それにスライムの生態って知っとります?なんべんも分裂して分裂して分裂しまくって、もうどっからどこまでが自分かわからんくなりますもん。ワイかてこんなちっこい身体のまんまひとりでなんかしようと思ってたんとちゃうくて、自分じゃない自分たちと一緒におったつもりなのにま~~~、道に迷いましてん。これはもうスライムが大好物の熊ちゃんにみつかって、ちゅるりといかれちゃうかな~とか思っとったんですけどね。なんだかんだ無事に長生きできそうで安心しとるんですわ。あ、名前でしたっけか? なんやテキトーに呼びやすい名前でもつけたらええんとちゃいます?」
「……おもってたんと、ちゃう……」
 ダミ声で喋り散らかすスライムを前に、少年はわかりやすく肩を落とした。
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即興小説15分
お題:うるさいドロドロ
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【書く前】
うるさいドロドロってお喋りなスライムみたいなやつ???すべすべぷるぷるの感触に惹かれてテイムしたらすっごい関西弁でいちいち突っ込んでくるとか
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【書いた後】
この後、旅の仲間のヒロインちゃんと良い感じになってもこいつが出歯亀してきて全てを台無しにするやつだと思うけど、なんだかなんだで友情が芽生えて欲しい
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【即興】ぼくのはじめてのともだち 2020-10-01
初公開日: 2020年09月30日
最終更新日: 2020年09月30日
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お題:うるさいドロドロ