「ここに来れば救いが得られると聞きました」
 骨になった赤子を抱いた女は笑った。
 地上から遙か高くそびえる塔。いつ誰がなんのために建て、何が潜んでいるのかもわからない塔。いつまでも朽ちることのない塔はいつしか、登り切ったものに救いが与えられる救世の象徴とされていた。
 塔の住人の与り知らぬところで生まれた信仰。非常階段を登りきってくる人物がいるなど想定していなかった。そも、外に人が存在するなど想定していなかった。
 たまたま当直で、「なにか外から変な音がするな~」と、気楽にハッチを開けた彼は女に合わせてとりあえず笑って見せる。言葉らしきものを発しているが彼はそれが理解できなかった。人のように見えるが、よく見れば女の耳の先端は尖っていた。
 状況からして、なにか困っているだろうことはわかったが、それ以上のことは何もわからない。想定外の事態が起きていることだけは確かだった。
「ひとまず中にどうぞ……?」
 言葉が通じるかはわからないので男は扉に対して半身になり、中を示す。女は頭を下げて扉をくぐり、男は目を見開く。
 女の後ろには骨となった無数の者がついて回っていた。
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即興小説15分
お題:経験のない宗教
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【書く前】
経験のない宗教!? やばいのきたな~
経験の無い→なんの? 信者がいない、葬式したこと無い、災厄に遭遇したことが無い、いまだかつてない
宗教→神またはなんらかの超越的絶対者、あるいはひぞくてきなものから分離された神聖な物に関する信仰・行事・制度
制度が一番とっかかりやすいか?
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【書いた後】
ファンタジーみたいな始まりからSF的になってホラー風になるというよくわからない構造。
これとっかかりにして何か中編書けそうだけど、これ単体だと楽しめないのでは????
短編だとつい「~た」でばっかり終わらせがちになるから文自体は単調になる気がする。
ブレストメインだからあんましそこに気をとられると今度は話の流れが単調になるかもだからそこはバランスを見て実施かな~。
アイデアメインで進める週と、文体変えメインで進める週とでメリハリつけるといいかもしれない。来週は文体色々変えてみようか?絵本風とか、台詞だけとか事前に決めておいてそれで書くとか
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【即興】きゅうせいの塔 2020-08-21
初公開日: 2020年08月21日
最終更新日: 2020年08月21日
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お題:経験のない宗教