その国には王子が百人おったそうな。
正式に認められている王子が百人、王子という名を冠してはいないものの本来王子であるはずのものが千人。
奔放過ぎる王の所業により、跡継ぎの座を巡って血で血を洗う争いが──起きなかったという。
「明日はお前が王子やれよ!」
「やだよ! おれ明日エミちゃんとデートの約束してんだよ、お前がやれよ!」
「明日からの公務長いんだよ! しかも外国に一ヶ月だぞ!? オレ腹壊すぞ!」
寮の一室、それはそれは醜い争うが繰り広げられていた。取っ組み合う男二人。どことなく似た顔立ちの二人は上へ下へごろごろとひっくり返りながら王子役の押し付け合いをしていた。
そう、特に日常生活に困っていなかった千人の王子達は面倒くさい王子などやらずに、ごく普通の生活を享受したいのだった。
だが国としてはそうもいかない。千人中千人が役割を放棄しては困る。中には優秀でやる気に満ちあふれたものもいただろうが、千人もいればちりぢりになった状態でそれを探すのは難しかった。
そしてこうして千人の王子は一所に集められ、学園の寮のようなものに閉じ込めることにしたというわけだ。
「あの~……兄さん達が行くのいやなら僕が明日の王子やろうか?」
幼い声が開きっぱなしのドアの方。顔をボコボコに腫らしながら扉の方を見れば、そこに立っていたのは年端もいかない可愛らしい弟。控えめに顔を覗かせながら顔を覗かせていた。
「さすがに七歳児に行かせるわけにはいかねえな」
「それもそうだな」
「潔く拳で決めるとするか」
二人は構えた。
「じゃーんけん……!」
こうして明日の百人の王子は決まるのであった。
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即興小説15分
お題:明日の王子
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【書く前】
明日の王子?? 今日は王子じゃ無いけど明日王子になる→それは「明日は王子」や
王子予報? 明日の王子はアホになるでしょうとか? もしくは暗殺者とかで主君が変わるようなやつで明日の王子
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【書いた後】
軽い話を書こうとすると、登場人物達がまあまあ突き抜けたアホになりがち
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