はい、夏コミ原稿最終締め切りまで残り1週間となりました。胃がキュッとなる。
それはそれとしてペンギンSFアンソロジー感想はやっていきますよ。
・ペンギン男爵の言うことには。(桜雪氏)
コウテイペンギンのぬいぐるみが突然喋り始めるというファンタジーな一編。
本作から感じるペンギンイメージは「ペンギンにも色々あるんだなあ……」。
ペンギンにも色々人間関係というかペンギン関係があることはすみだ水族館の相関図で有名になりました。本作の主人公ゆうこは親友と幼馴染との三角関係で悩んでいましたが、突然喋り始めたペンギンのぬいぐるみのペンギン男爵もまた過去にいろいろあったようで、ゆうこの恋愛相談になかなか的確なアドバイスをしています。
こういうイマジナリーフレンド的な存在は成長するといなくなる、見えなくなるものですが、本作のペンギン男爵はかつてのゆうこの思い出が、成長した彼女の悩みを救うためにペンギンのぬいぐるみの姿を借りて現れたような気がしますね。男爵が現れたのは一時的なもので、最後にはもとのぬいぐるみに戻ってしまうものの、ゆうこが前向きになれてるラストは読後感爽やか。
・ジーランディアの使者(嶌田あき氏)
「宇宙人の末裔であるペンギンとともに超大型台風を食い止める」というストーリー、まさにこの夏休みシーズンに劇場でやってそうなアニメ映画みたいな感触でこの時期にピッタリ。
本作から感じるペンギンイメージは「出会いと別れ」。
SFの面白さのひとつが「現実世界との接続」なわけですが、本作はそこをうまい具合にやっています。喋るペンギン、ジーラの正体は惑星シェラン、地球の言葉でシーランド出身の宇宙人。そして彼らはかつて古代地球の第8大陸ジーランドに生活していたという。しかしジーランドは地殻変動によって9割が水没。その残り1割がニュージーランドという設定はもうとても月刊ムーで大好き。
いっときの出会いと別れ、そして再会の希望をしっかり見せて閉じられる物語は読後感もすっきりでした。
今日はここまで。