これは全然創作にも関係のない適当な雑談というか吐き零しなのですが、最近とてもお腹が痛い。
 腹痛、というと食べたものとかに心当たりがあるのではないか、という話にもなりそうな気もするけれど、臓器的な腹痛じゃなくて、どちらかと言えば腹筋周りの痛みの話。端的に言ってしまえば、咳を重ねてしまっているがゆえに腹筋を酷使して、その上で表面上の腹痛があるよ、というだけのお話に過ぎない。
 まあ、喘息だからね。喘息の上で煙草を吸っているから、もちろん悪いのは僕でしかないのだけれども、それでも今日に関しては倍以上の痛さがはびこっているような気がする。
 きっかけについては覚えていないのだけれども、仕事始めの夜くらいからだいぶと左の脇腹が痛い。一昨日くらいに腹筋が攣ったことはあって、それでもおさまったから別にええか、くらいに思っていたのだけれど、それでも今日はそんなこむら返りを思い出すように、ずっと左の脇腹が痛い。
 これ、なんだろうね? わからないよ俺。咳するのがなんか怖くなっちまった。
 というわけで、早速自創作を進めていこうと思います。今日書くのは、解け落ちた氷のその行く末という作品と、手向けに花を献ぐ、というどちらも現代ドラマの創作ですね。
 まずは解け落ちた氷のその行く末から。一週間以上の間が空いてしまっているのがなかなかやるせないので、一旦問題ごとを片付けるような感覚で取り組んでから、いつも通りに手向けに花を献ぐ、余力があったらふみひらきのぷかぷか、を一日遅れで書いていこうと思います。
 なんでこんなに自分が足りをしているのか、っていうと、単純に自分の打鍵の調子をはかっているだけです。語るほどのものでもないな、とは自覚しているものの、それでも打鍵の調子がいいっぽいから七百文字くらい連ねてしまった。許せサスケ。
 まあ、そんなこんなで書いていくのですが、まずはどのような流れだったのかを思い出すために見返してくるので五分少々お待ちいただければと思います。
「……納得いかない」
 駅前にある喫茶店。翔ちゃんときょんちーと一緒に話した、最初の場所。そんな綺麗な思い出が残っている場所で、私はあからさまなくらいにため息を吐きつぶしながら、そんなことを言ってみる。私の様子をずっと眺めているきょんちーは手元にアイスココアを用意して、その上で、は、はは、と苦笑を返すけれども、それでもどこか安堵を胸の内に抱えているような雰囲気が伝わってくる。まあ、それほどまでに状況が整いつつある、というわけではあるが。
「でも、よかったじゃないですか。飲み会で企画したことが実際にやれそうで」
 きょんちーに伝えたのは、とりあえず結婚式の余興としてバンド活動は行えそうな目処が立った、ということ。総じてバンド仲間からはほとんど無視のような対応をされてしまったけれど、それでも私ときょんちー、そして兄貴がいるから、ボーカルに翔ちゃんを据えればなんとか形になる、という具合。
 メンバーのそれぞれの役割として言えば、私がいつも通りにドラムを、きょんちーには和音を奏でてもらうリズムギターを、そして本当に納得がいかないけれど、それでも単音を豪快に、器用に響かせることのできる兄貴がリードギター、という具合でなんとかなりそうだ。ベースがいないことで音が薄っぺらくなるような気もするけれど、そこについてはもう諦めるしかない。なんなら兄貴のリードでそこら辺を誤魔化すような作戦をなんとなく頭の中に思い浮かべてみる。……それで済むなら楽な話ではあるが、実際にはどうだろう。
「というかきょんちーはリズムギターの練習とか、してる?」
「……はは」
 私の疑問に、きょんちーはこれまた気まずそうな苦笑を返す。先ほどとは打って変わって、まずいところを突かれたな、という表情が浮き彫りになってきている気がする。
「そ、そもそもやる楽曲を決めていないので、練習も何もって感じではあります。一応、それとなく練習は始めてはいます……」
「……偉いね。私なんか曲を決まってないのをいいことにドラムにさえ触れていないや」
 そもそも、ドラムを練習で叩くにしても場所が必要になる。一応、兄貴の部屋の押入れに私が買った初心者のドラムセットはあるけれど、あれをバンバン叩いてしまえばすぐに苦情が来て、私が追い出される未来につながることは想像に難くない。なんなら兄貴でさえも追い出されてしまいそうだ。
 そうであるのならば、適当にスタジオなんかを借りて練習をする、というのがセオリーではあるものの……。
「……結婚式にどれだけのお金を使うことになるのかわからないからなぁ」
 友人間で気まずい話ではあるものの、それでも必要事項としてかかってしまう経費については翔ちゃんが負担をする、ということをグループのチャットでやりとりをした。実際、本当の結婚式もそういった感じになることはよくわかってはいるけれど、それでも彼にばかりに金銭的負担を押し付けてしまうのはどうかな、とそう思ってしまう自分がいる。いや、それならご祝儀とかを渡して還元しろよ、という話ではあるのだけれど、なんとなくそんなところに引っかかってしまうのだ。
「本当の結婚式みたいにやりたい気持ちはあるけれど、私たちだからこそできる結婚式でもあるわけじゃん。だから、金銭的な部分もバランスをとるような形の方が……」
「……気持ちはわからないでもないですけど、それは駄目ですよ。翔也くんも私たちに迷惑をかけている、という風に思っているでしょうし、その上で私たちがいろいろな負担をさらにかけてしまう、というのは心苦しくなります。ここは割り切らないとだめです。……まあ、個人練習くらいなら翔也くんにお願いしなくてもいいと思いますけど」
「……だよねぇ。そうだよねぇ……」
 わかってはいたけれど、なんとなく歯がゆいような気持ちを覚えてしまうのはなぜなんだろう。
 私が執り行おうとしている結婚式、確かにその上で負担を等分にしたい、という気持ちはあるものの、どこかそれが逃げであるような感覚も拭えない。
 きっと、頭の中に結婚式が失敗する可能性が過っているからかもしれない。
 実際の結婚式を見たことがない未熟な部分、バンド演奏に対してもありあわせで用意したような即興感、そうでなくとも、この結婚式は本当に翔ちゃんとさっちんのためになるものなのか、という不安。
 だからこそ、責任を分散するために、自分が金銭的な面も負担をする、ということが頭に過って仕方がない。言うなれば、お金は出したから許してね、と言い訳をするのと同義だ。
 だめだ、それじゃあだめだ。そんな弱気になっている自分もだめだし、きょんちーの言う通り、翔ちゃんはそれを望んでいるわけがない。ただでさえ抱え込もうとする体質の彼が、私たちに対してそんなことを願っているわけがないのだ。
 
 だからこそ、そろそろ覚悟を決めなければいけない。
「よし」と私は声を振り絞って、自分の決意を固くする準備をする。ふっ、と肺の中に蟠っていた弱気な呼吸を遠ざけて、きちんと前を見据えるように勇気を出す。
「こうなったらもう練習するしかないよね。なんなら今からすぐにでも練習するしかないよね」
「れ、練習と言っても楽曲が……」
「いやいやいや、まずは基礎練習から! 楽曲を決めて練習するのも道理ではあるけれど、曲を決める前にあらかじめの基礎を練習しなきゃ。そうじゃなきゃ自分たちの力量も把握できないわけだし!」
 ただでさえ頓挫してしまったバンド活動に、ブランクのある演奏技術。あらゆる不安の可能性を断ち切るためにも、さっさと基礎を練習しなければいけない。
 すべては、彼らの結婚式のために。
「それじゃあ行くよきょんちー!」
「も、もう! 本当にいつも勢いばっかなんですからぁ!」
 口惜しそうにココアを見つめる彼女の手を取って、私は早速今からでも借りられるスタジオを携帯で探すことにした。
 ちょいときゅうけい
 手向けに花を献ぐ
 きっと、誰でもない他人が俺の家庭環境を覗いたのであれば、健全で裕福な家庭だと、そう思うのかもしれない。伊万里が俺の家を覗いた時のように、いい家だ、家庭だと言葉を並べるのだろう。きっとそうだ。そうであるはずだ。俺たちは健全な家庭を演じきっていた。
 心の底から息子を心配するような振舞いを繰り返す両親。心から俺に向けての言葉を紡いでくれる父、安堵するような言葉を投げかけてくれる母の姿。そうだ、きっとそれは健全な家庭の姿勢だ。精神が病んでいる人間にとっては、これ以上のない救いになるはずの、そんな家庭だと、俺は思う。
 建前上は。
 いつの景色だったかは覚えていない。それは遠い過去のような気もするし、近い記憶のことかもしれない。結局、時期を覚えていないのは俺にとってそれはどうでもいいもの、という扱いでしかラベリングを行っておらず、それ以上も以下もないのだろう。だから、景色の中で匂いだけを鮮明に思い出すことができるのだ。
「カップラーメン、飽きてきたね」
 皐は俺がお湯を入れた即席麺を見つめながらそう言った。俺は彼女の言葉に、そうだね、と適当な言葉を返していた。
 子どもがお湯を取り扱うのには細心の注意が必要だったはずだが、それでもその頃にはインスタントのラーメンを作ることには慣れていた。というか、それくらいしか作れるものはなかった。
 フライパンで調理をしようとしたことがある。だが、それはすぐに母から止められた。子どもなんだから、と口々に言いながら、そうして食事を作っていた母の姿。あの姿を久しく見ていない、ああ、そうだ、そんな子どもの時期だった。
 ケトルがあれば容易くカップラーメンなんて作ることができる。お湯を注いで三分間くらいまてばいいだけなのだ。これほど便利なことはない。
 麺に滴る熱水が跳ねたとき、痛みが手の甲をなぞっていた。一瞬、ボタンを押す手が止まってしまうけれど、それでも空腹に駆られているであろう妹を思えば、そんな痛みもすぐに忘れることができた。
「ほら、できたよ」
 俺はそう言いながら彼女にカップ麺を渡した。俺は彼女の兄なのだから、兄として彼女を守らなければいけない、そういった責任がある、と子どもながらに理解していた。だから、自分の分は後回しにして、唯一残っていたカップ麺を皐に差し出した。別に苦しさはなかった。
 母は、帰ってこない。
 それはいつからだったろう。皐と一緒に外に出かけた後、家に帰ればいつだってそこには沈黙の塊しか存在しなかった。たまに消し忘れたらしいテレビの音が聞こえてくるくらいで、それ以外には何もなかった。
『母さんはパートに行かなきゃいけないの』
 確か、母はそんなことを言っていた。そんな言葉を何度も繰り返しながら、俺たちが目を覚ましている間に母が帰ってくることはない。父も、仕事に明け暮れていたのだろう、残業続きで帰ってくる頃には俺たちは夢の中に浸っていた。
 だから、カップ麺ばかりを毎日夕飯にしていた。
 朝食だけはいつも母が作ってくれる。この植えなく面倒くさそうな表情を浮かべながら、粗雑に作った目玉焼きの形を覚えている。黄身はつぶれていて、それを誤魔化すようにハムを重ねるようにしている。それでも、口に入れば同じだから気にしない。
 学校がある日はいい。給食が出てくれるから、それで空腹を紛らわすことができる。けれど、週末には何を食べればいいだろう、と俺は何度も頭を悩ませた。
 結局、休日の昼食は夕飯と同じカップ麺。唯一異なっているのは、塩か味噌か醤油、運がいい時には豚骨にだってありつける。大概、母がパート帰りに持って帰ってきてくれるもの。俺たちはそれを夕飯、もしくは昼食にしながら毎日を過ごすことができる。
 少し苦しい気持ちはあったかもしれない。寂しいような気持ちもあったと思う。でも、妹が、皐がいる手前、そんな気持ちを表に出すことはしなくて、ただ俺の代わりとばかりに感情を吐き出す皐に、大丈夫だよ、と本来の意味を理解していないままの言葉を繰り返し紡ぐだけが、俺の毎日だった。
「お兄ちゃんは、食べないの?」
「俺はいいよ。腹いっぱいだから」
 その日は、カップ麺がひとつしかなかった。買い忘れたのだろうと思う。だから、遠慮をするように俺は「給食いっぱい食べたからな」と言葉を返していた。実際は嫌いな食べ物が出たせいで、おかわりもできなかったけれど、それで誤魔化せるのであれば十分だった。
 わかった、とどこか寂しそうな表情を皐は浮かべた。浮かべたけれど、俺の言葉を飲み込んではくれたようで、特にそれ以上言葉を吐くことはしないまま、そうしてカップ麺を平らげていく。湯気とともに香り立つ空気が鼻腔を刺激する。空腹がより形になりそうな音を出したところで、がちゃ、と玄関の扉が開く音が聞こえた。
 母さんかな、とそう思いながら、俺は期待に縋るような気持ちで廊下へと足を運ぶ。だが、そこにいたのはくたびれた顔をした父の姿であり、よれているシャツの皺とねじれたネクタイが目立っていた。
 ただいま、と息も絶え絶えといった具合で父は挨拶をした。俺もそれに、おかえり、と言葉を吐いた。挨拶はして当然のものだ。だから、その先に父の怒号が飛んでくるような展開がやってくるとは、思いもしなかった。
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解け落ちた氷のその行く末に手向けの花を献ぐ
初公開日: 2025年07月10日
最終更新日: 2025年07月10日
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コメント
まあ、自創作2作品を書くだけなんですけど