お昼は何を食べる?
コアラの問いに、サボは周囲をグルリと見回した。
ドラゴンのお出かけにコアラと二人でついて来た、その帰りのことである。
街はそれなりに栄えていて、定食屋や弁当屋、パスタの店、カフェ、露店などで賑わっている。
広くてきれいな公園があり、池のほとりでピクニックのようにレジャーシートを広げて食べてる家族もいた。
ドラゴンはお前らが決めろと静観を決め込み、コアラも特に希望は無いらしい。
みんなの昼メシのメニューはサボの決定に委ねられた。
「じゃあ、あそこにしよう」
「ラーメン屋?」
回転率の良いラーメン屋なのだろう。
多少お客が並んでいるがそれなりに動いていて、きっとすぐに席に着ける。
サボが率先して列に並び、ドラゴンとコアラもそれに続いた。
出汁の香りが風に乗ってきて、鼻がよろこび、腹が鳴る。
「サボくんと一緒だとラーメンばっかり」
「しょうがないだろ、好きなんだから。嫌ならそう言えばいい」
「嫌じゃないけどさ、飽きたりしないの」
「おれは三食だって食える」
「好きすぎるでしょ」
「いいじゃねェか、別に。ドラゴンさんだって好きですよね、ラーメン」
急に話を振られたドラゴンは、店の壁に貼ってあるメニュー表をチラと見て、静かに頷いた。
「ああ、そうだな。この店の味はきっと口に合う」
「この店?」
「何かあるんですか?」
サボとコアラは首をかしげて、メニュー表とにらめっこ。
ドラゴンはそんな二人に、もう一度頷いた。
「この香りとメニューをみるに、おそらく馴染みの味だろう。グランドラインでは珍しく」
「へえ~」
なんとなく選んだ店だったけど、不思議と心が惹かれたんだよな。
サボは顎に手をやり、そんなことを思った。
無くした記憶が、何かを叫んでいる気がするのだ。
「サボは、ラーメンが好きなのか?」
「はい。もしかしたら記憶を無くす前もそうだったのかな」
「ずいぶんと食い意地が張っていたのね」
「なんだと、コアラ! いや、でもどうかな。味が好きというよりは、ラーメンっていう食べ物が好きみたいな感覚で」
独り言みたいに、サボがブツブツと語る。
すぐに切れてしまいそうな細い糸を辿るように、ゆっくりと、丁寧に。
「なんとなく、ラーメンを食べるってだけで……楽しい気持ちになるような気がするんだ。誰かと一緒なら、特に良い。大切な誰かと」
「ふうん。もしかしたら、素敵な思い出があるのかもね」
「かもな。忘れちまったけど。おれが拾われたのはゴア王国ですよね、ドラゴンさん。うまいラーメン屋でもあったのかな」
サボの目がドラゴンのそれと合う。
彼はすぐにスルリと目をそらし、何かを考えながら「さあな」といい加減な答えを返した。
「もしかして、ラーメン屋の息子だったとか?」
「もしそうなら毎日食べ放題。最高だ」
「そうだったらいいね」
「だな」
コアラの何気ないひらめきに、思いを馳せる。
こんなに楽しい気持ちになるラーメンだから、おそらく楽しい思い出があるのだろう。
もしも思い出せたなら、記憶の中の誰かともう一度肩を並べて麺をすすることもあるのだろうか。
ドラゴンから、席が空いたぞと声がかかった。
ひとまずこのラーメンは、今の仲間と楽しもう。
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七月
革命軍のご飯!めっちゃ新鮮な視点で素敵です✨️
35:22
お芋さん太郎
ありがとうございます!なんか唐突に思いついて書きたくなっちゃいました!
45:21
お芋さん太郎
今日はここまでです。ありがとうございました!
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向き
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いつか誰かともう一度
初公開日: 2025年06月21日
最終更新日: 2025年06月23日
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コメント
記憶がもどってないサボと、好きなもの。
サボ、ドラゴン、コアラでお出かけ。
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