<企画概要>
・30分の間に即興で、「お題ガチャ~執筆」までして行こうかと思います!
・自分でもかなりのチャレンジなので、中途半端なところで終わったら本当すいません(笑) 出来も保証できません(笑)
・お題は、ランダムに「単語がちゃ」してくれるサイトを利用しております。
・視聴者の方も、自分ならこういうのつくる!とか一緒に考えたり、気軽にコメントいただければと思います!
それでは、よ~い、どん!
<お題>
①靴
②病院通い
<小説>
濡れた靴は、なにもかもが嫌いだ。
最初に嫌いになったのは、スニーカーだった。
どんなに入手困難な流行りのスニーカーを履いたって、それは濡れるだけ。
ぐじゅぐじゅと、歩く度に鳴る音は不快だし、ぴかぴかだったはずの白色はくすんで見える。
君のいる病院のあたりは、いつも雨だから。
サンダルも嫌いだ。
君が入院する病院は、駅から二十分も歩かないと行けない場所にあるから。
こんな中年男だ。
Tシャツ姿にサンダルだなんて、情けないだろう?
それもびしょびしょで、こんなに惨めな男はいない。
病院に向かう間、僕は君との出会いを思い出す。
駅の屋根で雨宿りしていたあの日、僕の目の前に現れた君はあまりに美しかった。
君は僕に「ごめんなさい」と謝った。
「こんな美人に謝られるほど、僕は得を詰んでいません」
そう僕は君をナンパしたんだっけ。
その時の僕は、まさか雨女がこの世に実在するとは思ってもいなかったんだ。
今思えば、謝るのは僕の方だ。
僕は君を愛さなければよかった。
愛したから、僕は君を「噛んで」しまった。
僕は自分が「吸血鬼」だと、君に明かす勇気がなかった。
君は止まない雨の日に、僕に正体を打ち明けてくれたって言うのに。
僕は君と違って、ひどい臆病者だった。
吸血鬼の血は、今日も君を噛み殺せと、僕の頭に呼びかける。
噛み殺してこそ、君は僕のものになる。君は僕の牙で殺さなくては——。
しかし、僕は病院の手前で踏みとどまる。
病院に降る雨を見ると、君が今も生きていることが分かるから。
君が生きていることに、どうしても僕は歓喜してしまう。
けれど、病院の雨は少しずつ弱まっていると気付いている。
僕は今日も病院を訪れる。
スニーカー、サンダル、革靴、ブーツ。
雨に似合う靴を探して、毎日違う靴を履く。
君が起きた時に、それらを報告できるように。
でも本当は、僕なんか靴を履かずに家に籠っていた方が良かったんだ。
そうすれば、君を脅かす日が来ることもなかった。
君の細い髪みたいな感触の雨に、今日も病院の前で立ち止まる。
項垂れた時に見えるのは、自分の足元。
やっぱり靴は嫌いだ。
(了)
なんとか30分収まりました~!ではでは!