<企画概要>
・30分の間に即興で、「お題ガチャ~執筆」までして行こうかと思います!
・お題は、ランダムに「単語がちゃ」してくれるサイトを利用してます。
それでは、よ~い、どん!
<お題>
①無宗教
②招待状
<小説>
神様は怖くないのに、オバケはこわい、わたしの親友。
猫っ毛の長い金髪に、お人形みたいな顔をしている君を、小学校の春の教室で見かけた瞬間は、ずっと忘れない。
儚げだと思った、君は想像の何倍も強気で。「外国人だ!」と騒ぎ立てたクラスの女子のパンツをはぎ取った代償に、トイレでリンチを喰らったんだっけ。
「トイレの花子さんに呪いをかけてもらった!」なんて言われて、夕方のトイレでひとり泣きじゃくる君に、わたしは初めて話し掛けた。
「トイレの花子さんがそんなに怖いわけ」
「こわい」
「それより、女の子のパンツを教室のど真ん中ではぎ取る悪行の方が、わたしには恐ろしいけど」
「なんで?」
「なんでって…、神様とか怒りそうじゃん。なんとなく」
「あなたは、花子さんより、神様がこわいの」
「あんたは、神様より、花子さんがこわいっていうの」
 ずるっと、君は大きく鼻水を擦った。
「神様は、何をしても怒らないから、怖くないよ…。オバケは、こわい。何をしても、怒るから」
そんな君と友達の期間は、もう人生の半分を占めている。
君から届いた結婚の招待状だって、わたしは別に驚きはしなかった。
彼氏の話を、君はいつだってわたしに一番に教えてくれたから。
君の結婚式は、ほんとうに君らしかった。
午前、君は純白和装姿で馬車に乗って神社に登場した。
午後には、漆黒のウェディングドレス姿で教会を歩き、夜にはサリーで誰よりも愉快に踊っていた。あの、昔と変わらない金髪をふんだんに揺らして。
タキシード姿で泥酔する君に、わたしはやっと声を掛けた。
「白無垢に、ウェディングドレスに、サリーに。神様のばちが当たるよ」なんて、恥ずかしい台詞で。
「神様は、許してくれるよ。優しいもの」
酒に酔って、高揚した君の赤い頬が綻ぶ。
君は、心を全て許したって顔でわたしを見る。
「ねえ、オバケはこわい?」
世界中の祝福をその身に受けているような、美しい親友にわたしは問う。
「オバケは。怒るから。やだ」
泥酔した君は蕩けるような幸せに満ちた顔をしていた。
「でもオバケよりも、神様よりも、もちろん旦那よりも、あなたが一番好きよ」
「ふうん。なんで?」
「あなたが一番、優しいことを知っているから」
そんなことを言う親友を、遠くから別の友人たちが呼びつけている。
わたしは笑うほかなかった。
君を祝福するすべての中で、わたしだけが違うから。
わたしだけが、君の一番をいつだって欲しがっているから。
優しいなんて、君の幻想にすぎない。
わたしは、いつだって、君の幸せを崩してやりたいと思っている。
君を小学校の夕方の教室で見かけた日から、君を一番近くで愛しているのは、わたしなんだから。
(了)
ぎりっぎり!(むしろアウト??笑)
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