「すっかり話が逸れてしまっていたな……客の分際で失礼した」
 アイマルに謝罪されると何となく居心地が悪いというか、腹のすわりが悪いというか。ロスヴィータは珍しく曖昧な笑みを浮かべて首を振る。
「ロス! ブライスたちを案内してくれたの? ありがとう!」
 ロスヴィータたちに気づいたエルフリートが大きく手を振る。可愛らしい姿をしている時と変わらぬ所作に、思わずロスヴィータの口元がゆるむ。
「フリーデ。わざわざ仕事を抜け出してきてくれたらしいぞ」
「おいっ」
「え、そうなの!? へへ、嬉しいなぁ」
 適当に言っただけだったが、事実だったのだろうか。いや、ブライスのことである。ちゃんと持ち場を誰かに任せてからこちらに来たに違いない。
 エルフリートがふわりと笑むと、ブライスはその笑顔にあてられたかのように口元を震わせた。なんとなく、気に食わない。
「ブライス、どう思う? 私たちのお揃いのドレス」
 エルフリートがぐいっとロスヴィータの腕を引き、自分の隣に引き寄せる。特別扱いをされ、少し前に感じていた不快感が吹き飛んでいく。ロスヴィータは現金な自分に小さな呆れを覚えつつ、表情を保つ。ブライスはそんな様子を優しく見つめ、小さく頭を横に振った。
「そうだな……ずいぶんと大人っぽくなったもんだな。ま、中身は相変わらずだが」
「え、ちょっとどういうこと!?」
 エルフリートがぷくりと頬を膨らませると、彼は豪快に笑った。ブライスの隣に立つアイマルは逆になぜかむすっとする。そこでようやく気づく。
 なるほど、アイマルはブライスをかなり気に入っているようだ。先ほどのやり取りで感じたものは、これだったのかもしれない。せっかく仲良くなった相手が「自分から離れろ」と言ってくれば意固地になったりするわけだ。
 ロスヴィータが“エルフリーデ”の正体がエルフリートだと知らなかった時、似たような感情を覚えた記憶がぼんやりと残っている。
「フリーデ、姿を変えたところですぐには成長しないんだ」
 ブライスが唐突に丁寧に話し出す。どうやらエルフリートをからかう方向でいくらしい。ブライスは中身がエルフリートである事を知っている人間の一人である。エルフリートとロスヴィータの衣装を見て、そしてエルフリートの行動から彼が何を望んでいるのかを察して動いてくれているのだ。
 エルフリートの狙いを汲み取り、周囲の反応を考えて行動してくれるのはありがたい。
「ブライスの意地悪! この美しい私を見て、他に何か言う事ないの?」
 エルフリートはブライスの考えを感じ取り、動いていく。事前の打ち合わせなしにそれをやってのける即興力は、さすがである。ふと、アイマルに視線を向ければ、彼は小さな不満を燻らせているようだ。
 もう少しすれば、ブライスとアイマルの相棒関係が強固であるという事を理解するだろう。そうすれば、このやりとり一つで感情を大きく揺らすような事はなくなるはずだ。それはロスヴィータにも言える事ではあるが。
 そんな事を考えている内に、小さな嫉妬心を燃やしていたロスヴィータのそれはあっけなく鎮火するのだった。
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06:01
魚野れん
あ、18時くらいで一旦終了にしますのでよろしくです!
07:38
ほしみもとや
おじゃまします~
07:48
魚野れん
おいでませ~!
28:51
魚野れん
目標文字数(1,200字)を達成したのと、18時になるので、これにて配信は終了とさせていただきまーす!
29:01
ほしみもとや
ありがとうですー
29:06
魚野れん
監視、見守り、ありがとうございました!!!!!
29:16
魚野れん
おかげさまで今夜更新分、安泰です><ノ
29:26
魚野れん
ではでは
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向き
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今夜更新分どうしても進まないから監視してください(2024/7/27)
初公開日: 2024年07月27日
最終更新日: 2024年07月27日
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コメント
途中からなので何の話か分からないと思います。ごめん。
自創作「妖精と王子様のへんてこメヌエット」の最新話(後半)です。