⚠🌈🕒 rf mc以外の年齢操作 学パロ notライバー軸⚠
【共通項は突然に。】
4月。皆が進級・進学し、新たな出会いに心を踊らせる月。そんな中、濃紫の髪を風になびかせ竹刀入れを肩にかけた男__剣持は掲示板に目もくれず階段を登って行く。
去年はあんな奴がいたな、こんな奴がいたな。今年はどんな奴がいるのか。教室の前でそんなことを考えていると、後ろから声がかかった。
「あれ、剣持、さん…?ここ、2年の階ですけど…?」
そう言った彼はローズグレーの髪の奥に困惑を纏わせた瞳を隠している。去年同じクラスだった“甲斐田晴”。それが彼の正体だ。
僕は高校2年、16歳。剣道部に所属する隠れ真面目系男子。……というのが学校での姿。普通の高校生だと言われればそれでおしまいなのだが、周りには明かせない秘密がひとつ。……それは、「不老である」ということ。世界の秩序として「人は老い、死んでいくのが自然の摂理」という考えがあるのだが、僕はそれに反している。数年前、急に歳を取らなくなってしまい途方に暮れたのはもはや懐かしい記憶だ。家族も老い、かつての旧友も僕を置いて行ってしまう。その感覚にはなかなか慣れないものだ。次第に開いていく年齢差。僕が記憶から消えてしまう事実。変化する周りの環境。それら全てを受け入れ生活していくことはまだ難しいのかな。そんなことを考え一人感傷に浸っていたのだが……。
目の前に現れたこの男は僕に、僕がいるこの現状に困惑している。僕は今年も高校二年生としての生活を送るし、なんなら彼の方がここにいるのは間違いなのではないか。もしかして、3年の階のある場所が分からないとか?
「えと、け、剣持さん……?」
「あぁ、ごめん、でも甲斐田さんの方が来る場所間違ってますよ、3年の階に案内しましょうか?」
「えっ、あ、いや僕は」
「あれ、そういえば甲斐田くん荷物ないですね、どこです?」
「だから、僕のクラスはここなんですって!」
……ん?今なんて?
「も…剣持さんも確認してみては?黒板に座席表ありますし。」
「そうですね、ではお邪魔して。」
まだ時間も早いからか教室にいる人数はまだ少ない。黒板に貼られた座席表にはやはり小さな人だかりができていたため順番を待つ。どうせなら高い位置に貼ればいいものを、低め、というか黒板の下辺ギリギリに貼ってあるのはなんでなんだ。
「あ、もちさん前空きましたよ〜」
「ほんとだ、ごめんぼーっとしてた」
「なんかあったんですか〜?寝不足とか?」
座席表に目を走らせいつも通りの場所に名前があることを確認する。甲斐田くんがここの教室であれば前四席以内にはいるはずだろう。そう思って目を滑らせるとー
「えっ、ハヤトさん…?」
「え?」
「あっ、いや」
僕より3つ前にある“加賀美”という文字。甲斐田くんは座席表なんかには目もくれず、これには気付いていないよう。その1つ前には“甲斐田”という文字があってさらに困惑する。
「あれ、あなたたち…?」
「んぇ、加賀美さん…?!」
「こんなところで何をして……」
琥珀色の瞳が僕らを捕える。彼もクラスメイトの名前は確認していなかったらしい、ドアの前で驚いたような顔をして立ち止まっている。
「え、あなたたちは3年の階に行かなくてはならないのでは…?」
「いやいや、加賀美さんこそ」
「甲斐田くん、合ってるよここで。」
「はぁ?!いや加賀美さんがここにいて良い訳」
「ちょっと状況整理するから待って」
……とは言ったもののここ3人が同じクラス、しかも進級せずという事実は変わらない。念には念を、そう思い名簿に目を走らせ前年度同じクラスだった人を探す。僕ら3人に留まってくれと願いながら見つめるもー
「……この不破湊、って……」
「多分そう、ですよね」
「あぇ、呼びました??」
「アニキぃ?!」
「甲斐田うっさいなぁ」
「甲斐田くん、ここ教室」
「アッ」
まだ時間もありますし。誰が言った訳でもないが4人揃って屋上前に向かう。昨年度、僕たちは確かに同じ学年、同じクラスを共にすごした筈。特に仲の良かった3人がまた今年も同じクラスである、それだけなら喜べたのだが学年まで同じだと話が変わる。もちろん、不老で歳を取らないのはずっと僕だけだと思っていたし、過去同じような人が現れたことも無かった。だからこそ初めて対面するこの状況に皆困惑しているしどう切り出すか迷っているのだろう。
「……皆さんは、これが初めてですか?」
「いえ。数年前からずっと。」
「僕もですよ、もう訳が分からなくて。」
「俺は最近やなぁ。」
「皆さんそれぞれ違う、と。」
せめて同じタイミングならな、なんて考える。ただ不老になった男子が4人に増えただけだし、何より戻れるのかすら分からないから聞いといて損はしないだろう。かと言って他に質問が思いつくかと聞かれたら何も思い浮かばないけど。
「ま、色々わからんことばっかやけどなんとかなるやろ」
「なんとかなるというより、事実が変わらないといいますか……」
「少なくともみんな1度は経験してるなら話早いですよね」
「とりあえず教室戻りません…?時間が…あっ」
「やば、次の鐘までに戻らなきゃ遅刻扱いですよ」
タイムリミットは近付いていたらしい、所謂予鈴と呼ばれる鐘の音を聞いていそいそと動き始める。初日から遅刻扱いとかされたくないし、荷物は置いてあるのに居ない、なんてことあってたまるか。
「教室遠いってぇ」
「甲斐田くんは体力なさすぎ」
「甲斐田ァ、置いてくぞー」
「皆さん、あと1分で鳴りますよ?」
「やばっ」
どうなるかと心配は絶えないけど、この3人とならほんとに何とかなるかもな、なんて。僕一人で考えていても仕方ない。ま、いっか、なんて呟いて愉快な仲間を追いかけた。