相互さんの三次創作。なんかずっと書いてる書いてる言うて上げてなかったやつをひょいっとさせて頂きました。
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 東の土地の雲行きが怪しい。そのような現地の民の噂が耳に届いたのはほんの数日前だった。眷属によって仕入れられる情報を右から左へと流してしまおうかと思った時に出された話題。流れてくる情報として珍しい名前が出たなと気に留めていた程度だったのだが、数日耳にしていると気にはなってくる。というより心配になってしまう。この周辺はその地を治める神の体調や機嫌によって天候が変わるというちょっと不思議な仕組みになっているため、神として讃えられている彼はまた体調を崩したのだろうか、という心配をしていた。しかも、いつも以上のスピードで天候が悪くなるものだから結構ヤバいんじゃないか、眷属も抑えられないほどの何かがあったのではないかと思い彼の元に向かったのだが。……そこには、不機嫌そうな顔で二人の眷属を困らせている一人の神の姿があった。
 よくよく話を聞いてみると、「ここ数日の献上品に甘味がなかった」とのこと。それだけ?と思ったがどうやら本当にそれだけらしい。横で共に頷く眷属を見て事実だと理解する。甘味なんて、昼をすぎた時間に食べるものでは無いのだろうか。そう言ってみても、不機嫌そうな顔色に変わりはない。挙句「甘味なんていつ食べても美味しいんですから、食事と一緒に食べても良くない?」なんて言われる始末。そこまで甘味に執着しなくても良くないか?
「だって神への献上品なのに、」
「だからって自分の民に不機嫌な態度見せない!」
「そもそも僕はいつも言っているんです、甘味をよこせと。それなのによこさなかった民が悪いんです」
「ほう?まだ反省しませんか。」
 ぶすくれた顔を見せるこの神……青龍である剣持は、神としての歴は四神の中で一番長いにも関わらず見た目が人間でいうところの十代程度と若いままなのもあり、目をかけている近所の子供のわがままに見えてしまう。このような話は過去何度かあったらしく、直面するのは初めてなのだが先代たちから聞かされていたのもあり「またか……」と感じてしまうも、対処の仕方は何も聞いていないため一人困り顔になる。不貞腐れた青龍とその横で苦笑いをしながら宥めている眷属。これは長丁場になるかもしれない。
 思考を巡らせながら部屋の外に置いてある、自らが持参したものを思い出す。元々甘味が好きだとは聞いていたから見舞いにと持ってきた郷土の甘味なのだが、青龍の眷属に部屋へ案内してもらっている道中で大まかな内容を聞き、渡すのを躊躇ってしまったため置き去りにしているのだ。……しかし、まだ手元に甘味……と言えるかは分からないが、そのようなものはある。仕事疲れで糖分を欲した時にと、携帯している物が。
「そんなに言うならあげますよ、甘味。」
「え、ほんとですか?……角砂糖じゃん」
「はい?なにか不都合でも?」
「あぁあ"あぁ!! この老人!! 神様って崇められてるのが不思議だよ!! 悪魔!!」
「なんだと全雑魚小僧が。」
  こんな神の煽り合い……喧嘩?を見ていて楽しいのか、青龍の眷属が影でクスクス笑っているのが見えた。普段彼がここまで言い合いをするような相手を見ないからなのだろう、多少ではあるが快復して行く天気を見てほっとする。他二人が忙しいらしいからと何も言わずに一人で来たが、まぁ、来てよかったのかもしれない。
「そもそもそんな子供みたいな理由で拗ねるから悪いんですよ。神の名が聞いて呆れる」
「うるさいなぁ。アンタだってこの前オクラ入ってて顔顰めてたくせに。」
「あなたみたいに不機嫌な態度を見せたりしてないからいいんです。」
「いいや良くないね、窓の外の風が一瞬で強まったの見てたからな?」
 あんなに不機嫌な態度を見せておいて、口だけは達者なようだ。こんなに元気なら部屋の外の甘味は持ち帰って私が食べることにしよう。
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