ベッドに座ってみて慌ててパジャマの裾を伸ばす。基絃さんに渡されたワンピースタイプのパジャマは立っていると膝に掛かるくらいだったのに、座ると太ももの真ん中まで丸見えになってしまう長さだった。
「どうしたんだ?」
「いっ、いえ!」
慌てる私を不思議そうに見る基絃さんをごまかして足にぎゅっと力を入れる。うっかり足を開いたら床に座る基絃さんに中が見えちゃう……!
「足上げないとペディキュア塗れないだろ。ほら」
「今度にしませんか?」
「あのなあ……、本番で使うんだろ」
有無を言わせず基絃さんが私の右足を持ち上げてお姫様のようにつま先へ手を添える。どうしよう、基絃さん真面目に考えてくれてるのに私ばっかり変なこと考えちゃってる。
「爪小さいな。なんつーか、こんな赤いの塗ると……いや」
「似合わないですよね」
「んなこと無いけど。こう……なあ」
右足を塗り終えた基絃さんが左足を出すように促してくる。会話して気が抜けた私は何も考えずに左足を上げてしまった。
「へえ、黒か」
「……っ基絃さん!!」
「気を抜いたお前が悪い。あー、でもこれ生殺しだな」
ペディキュアを塗られているから身動きが取れないのをわかって笑う基絃さんは意地悪だ。顔が熱くなるのを感じながら言葉を探していると基絃さんが左足の甲に口付けた。そのまま足首にも口付けられて背筋が痺れる。思わず足をばたつかせようとしたら止められた。
「動いたらペディキュア取れるぞ。乾くまで大人しくな」
「んっ、……ずるいです」
にやりと笑う基絃さんが私の足首を掴んでふくらはぎに甘く歯を立てた。生暖かい舌が這う。手がゆっくりと上がって太ももにまで来てしまった。パジャマの裾に指がかけられ押し上げるようにめくられていく。
「だめです、基絃さん、だめ」
「聞けない」
脚の付け根に指がそっと触れる。ぞわりと甘いなにかが身体を駆け抜けていった。基絃さんの目がじっと私を見ている。そんなに熱い目で見ないで。拒めない。
「後で塗るから、な」
膝立ちになった基絃さんが私の頭に手を回して押し下げた。私は返事の代わりに熱に浮かされたまま基絃さんに口付けするのだった。