すけべなことが始まりそうですが
これは昨日の幽霊の日に間に合わなかったものの続きなのでそういう展開にはなりません…… そういう展開になるのも書きたいナ~というメモ
「タカちゃん」
着流し姿の八戒は、髪を上の方で括っている。青い髪を束ねるゴムは、黒くて目立っていた。
「なに?」
肩が触れる距離で、屋台や提灯の明かりを眺める。オレも八戒も大木に背中を預けて腕を組んでいた。ルナとマナ、柚葉は居ない。参道を行く浴衣姿の中に三人を探すが見つからず、後頭部を木に擦り付け欠伸をする。境内の奥にある林から、川の流れる小さな音が聞こえた。
川の音と雑踏の音を意識してしまうのは、耳を欹てているからだ。どうして、そうしているのか。八戒が話しかけてきたから。
なんで喋んねえんだ、こいつ。
「八戒?」
「あ、え、」
「八戒、なんなんだよオマエ」
あー、あはは、なんて気の抜けた声だけが返ってくる。右上にある八戒の表情を覗き込んで、ぼんやりした表情だと思った。なんか、考え事でもしてンのか? それとも、元からこういうツラだったか。こういうツラだったかも。
「なんだよお、そんなじっと見て」
声も、いつもの八戒だ。違和感を自力で拭うみたいに内心言い聞かせる。ちょっと掠れてて、時折、妙に上擦る声。オレの好きな、声。母音がしっかり聞こえてくるような声。
「なんも? オマエがオレの事呼んだんだろ」
話しながらオレと八戒の距離は近付いた。肩が触れ合う距離から、肩が重なるくらいの距離に。組んでいた腕は解き、八戒の手の甲を掴む。八戒は一度手を引っ込めてから、求めに応じるみたいに手の平をオレの手の平にそわせた。
「タカちゃん、林の方行かない?」
八戒の言葉の奥に小川の音を聴く。太鼓の音が遠くから波紋を広げ腹の底で響いた。踊りが始まるらしい。人込みが移動していく。
「花火、あっちからでも見れるからさ」
盆踊りが終われば花火が始まる。この地区内で行われる小規模な祭りは毎年毎年その順を踏む。
柚葉がルナとマナを見てくれているのだから、女三人で祭りの最後まで楽しんでもらうのもそれはそれでいいのかもしれない。
「わかったよ。メールだけ送……」
「タカちゃん、早く」
11時です!ありがとうございました~ 眠いね……