薄暗い夜の帳が部屋に降りつつあった。
灯りを点ける気にもならない。
わたしは制服のまま、ベッドの上で、ただただ反芻していた
――なんであんなこと言っちゃったんだろう……。
頭の中はずっと、零れてしまった感情と、指の隙間から届いた言葉と俯いた顔が繰り返されてる。
だけど心の中は、心の臓は、あれからずっと重く濁ってて、動いてくれない。
だからわたしは、ぼんやりとその光景を見続けていた。
……あたまがはたらかない。
そんな自分の状態を把握できるだけの理性と冷静さは残っていた。残ってはいたけど、それは物の役にも立たなかった。
不思議だ。あれはきっと、ずっと言いたかった言葉だ。なのに今のわたしにその言葉の意味する気持ちが残っていない。
本当にそんな気持ちがあったのか、分からなくなってしまった。掌に掬った水が、指の間から零れ落ちてしまったみたいだ。
あの言葉は、嘘だったんだろうか。
それなら言わなきゃよかった。明日もあの人と会うのに、どんな顔をすればいいんだろう。
ほんの数時間前に戻って欲しい。今ならきっと、あんなことを言わないで済むから。
それがどれほど馬鹿馬鹿しい考えか分かってる。それでも考えずにはいられなかった。
もう昨日までの関係ではいられないだろうから。
……好き、だったのかなぁ。
ぼんやりとした思いが、何度目かも分からない映像の再生に遮られる。
そうしてわたしはまた、最初の疑問に戻るのだった。