・推敲作業のみ
・風邪ひき始めたので30分以内に終らせる
・イヴァ菊だよ。
・……やばい。なんか無理かも。無理かも。早く寝ないと、ちょっとしんどいかも。よし、寝よう。
 蛍を見た帰りの事です。
 車の中でイヴァンさんは小さな私に会ったと打ち明けました。正しくは私にそっくりな誰かだそうです。
 私がほんの少しイヴァンさんの側を離れていた間の出来事でして、その訪問者は「白樺のおじちゃんに伝えてくれた?」と問いかけてきました。
「きみ?菊くんじゃないよね」
「当たり前じゃないですか」
 というやり取りの後に、ヨイショっと私に似た何かはイヴァンさんの側に腰かけたそうです。
 そうするとイヴァンさんの胸の下に頭がくるのですね。つまり私にそっくりというのは正しくは”幼い姿を想像したもの”に近いのですけれども。
 以後、この存在の事を小さい私モドキと呼称して話を進めることとします。
 小さい私モドキの言う「白樺のおじちゃん」に記憶野がチクチクと反応するイヴァンさんですが、聞き覚えがあるけれども具体的な形が掴めないもどかしさから「うんうん」と唸り込んでしまいました。
「どっかで聞いたんだけどなあ。ぼく、ちょっとおじさんになっちゃったのかなあ。やだなあ。菊君みたいにボケちゃうの嫌だなあ」
 そんな私へのdisりを零しつつ思い悩んでいると、小さな私モドキが助け舟を出すことにしたそうです。彼はイヴァンさんの前に現れたのは二度目であると言い、最初にあった時の話を打ち明けます。
 ある真冬の夜にペチカから「アチチチ」と小さな私モドキが転がり込んできました。
 火の粉や灰を落としながら、「白樺のおじちゃんに、あのとき噛んでごめんなさいって伝えてください」と一言残して去ってしまったのですね。
 
「あー、あった。そんなことがあった。あの時は前の僕だったから、何徹目の夜か覚えてなくて、夢か現実かちょっと分からなくなってた時だ」
 思い出したとイヴァンさんは喜んでいるのですが、当然伝えているはずもなく。「ごめん」と小さい私モドキに謝ります。
「これだから露助は」
「ごめんね。あと白樺のおじちゃんって誰? ねえ、教えてくれない」
 数秒ほど思案して、小さな私モドキは「仕方ありませんね」と勿体ぶった風に説明を始めたのです。
 話は前世紀の始まりに私とイヴァンさんが喧嘩したときにさかのぼります。
 小さな私モドキは郷里の仲間たちと一緒に戦場に従軍しました。
 といっても階級も所属もありません。彼らは軍属のある存在ではないのです。
 勝手に戦場に赴いていたわけですが、当然誰かの目に留まったり会話を聞かれたりすることがありました。そうして彼らの話言葉から四国の方言だと人々に分かってしまったらしいのですね。
 所蔵不明の兵士たちが戦場にいるという噂話は、やがて彼らの正体が何者かも明らかにしていくこととなります。実際に遭遇した者たちから、尻尾や耳、時には軍服を纏っただけの獣の姿なんかも目撃されました。
 つまるところ、彼らは軍隊狸なのです。
 イヴァンさんとの戦いで従軍した狸たちの話は今でも伝えられているところです。
 小さな私モドキの正体もまさしくそれであり、イヴァンさんの前に姿を見せる際に狸が変化したものであった、と。そういう話です。
 脱線しましたので、本題に戻りましょう。
 で、ある時小さな私モドキは戦場で敵軍の兵士に噛みつきました。
 けれども皮膚の代わりに木の皮が、血の代わりに樹液が流れて、これは人間ではないと気づいたそうです。
「あの味は白樺でした。ですので白樺のおじちゃん」
「ああ、そうか。うん分かった」
 それで納得したのかいつの間にか小さな私モドキは姿を消していたのだと。助手席の彼は、ついさっき体験したばかりの不思議な出来事を教えてくれました。
 そこで終る話だったのですが、イヴァンさんは「でもね」と続けます。 
「でもね、もしかしたら白樺のおじちゃんって僕かもしれないんだ」
 彼の言うところによりますと、砲撃で片足が吹っ飛んだので白樺の幹を即席義足にしたそうです。
 化身だから後から生えると気にもしていなかったけれど、戦場で見知らぬ敵兵に噛みつかれた瞬間「痛い」と感じたのだと。
 痛さには慣れていた筈なのに、痛覚のない部位に刺激が走って身体が跳ね上がってしまった。
 まるで腕をなくした人間が、欠けた部分が痒いと感じるようではないかと、当時の彼は思ったそうです。
 幻肢痛のことですね。だからこそ痛みに慣れたり、感じなくなっていたイヴァンさんも覚えていたらしいのです。
「だから、あの狸の謝罪は本人に届いていたんだよ」
 白樺のおじちゃんであるイヴァンさんは満足そうに大きな体を助手席のシートで伸びをします。
 彼が日本に来ていたから、日露戦争に従軍された狸さんも几帳面に挨拶に来たのでしょうね。何とも心温まる牧歌的な雰囲気の出来事ではありませんか。
 戦場で殺し合った相手が時を越えて顔を合わせる。あれ?文字にすると物騒。
 収まりが良くなったので私も一つ打ち明けることにしましょう。
「楡の木のおじちゃんに伝えていただけますか、あの時は斬ってごめんね、と」
「え?」
「言葉通りですよ。私の所はたぬきが、貴方の所は森の主がそれぞれ参戦していた、と」
「初耳なんだけど…」
「ええ、黙っていましたから」
 森の主たちはイヴァンさんが危機に陥った時、戦場に現れるという言い伝えがあるそうです。ナポレオンの遠征に際して夜な夜な森が蠢いて戦場に向かっていったとか、スターリングラードにて姿を目撃されたとか、そういった類の話です。
 自国に外敵が迫った時に起こる奇跡のようなものですね。冬将軍以外にもイヴァンさんをお守りしている古い存在は多いというです。彼らはソビエト時代に冷遇されてしまい、姿を消してしまった存在も多いのだそうです。
 私が日露戦争の折りに遭遇した楡の木の怪異もそこに含まれるのでしょう。今日まで大陸にいる「そういうもの」としか思っていなかったのです。
「っていう、おとぎ話なんだけどなあ」
 森の主の話を私に説明しながらイヴァンさんはぼやきます。君と戦っている時に彼らが来ていたなんて僕はちっとも知らなかったよ、と。
「私は、森の主の話が初めてですけれどね」
「へー知らなかったんだ」
(※私へ→なんか繋ぎのいい感じの文章を考えてください。) 
「じゃあ、僕に隠し事していたことは許してあげる」と居丈高な言葉ですが、ちっとも迫力が無いのは、この話が彼にとって好ましいものだったという事なのでしょう。
 ご機嫌な様子で助手席から鼻歌が聞こえてきます。
 鼻歌が耳に心地よいので、このまま遠回りしてドライブを楽しむ事にしました。
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イヴァ菊SS推敲作業
初公開日: 2021年10月28日
最終更新日: 2021年10月28日
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コメント
推敲作業してみる
右菊(APH)ワンドロ挑戦してみる
時間内に書けるかは分からない。あと家族が帰ってきたら途中で止まる。
ざぶとん
フラ菊書いてみる
140字SSを増量してSSっぽい何かになったらいいなあという作業
ざぶとん
サディ菊SS推敲する
どちゃくそ短い腐向け二次ネタツイをSSに出来んかと色々悪あがきをする作業。
ざぶとん