T
x
T Live
ログイン
新規登録
蒼の魔法士
「そこ、ヒガンバナが咲いている」
「え? うん……」
見れば、ヒガンバナがあちらこちら、群れるように咲き、近くを小さなトンボが飛んでいる。
「囃子も聞こえてきた……」
彼の言う通り、ユウが耳を澄ますと、どこからか笛や太鼓の音が響いてくる。
「もうすぐ字綴りを始めるからだ」
井上坂は、ユウを見てにこりと笑う。
彼なりに不安を和らげようとしてくれているようだ。
それを感じて、ユウの表情から緊張がほぐれ消えていく。
「『じつづり』って、どんなふうにするんだ?」
「難しいことはない。囃子に合わせて、言葉を音にして綴る」
彼は、繋いだ手をきゅっと自身に引き寄せる。
「君は、俺が今から言うことを真似て言ってくれればいい」
気付くと、周りは最初に通った参道の風景になっていた。
終わりの見えぬ石畳。
並ぶ灯籠。
点々と群れているヒガンバナ。
両脇を竹林が連なり、そこへ足を踏み入れた者を異世界へと誘い込むようだ。
竹が風に揺られ、葉と葉を擦りあい、さやめく音にのせて静かに聞こえてくる囃子の音。
幾重もの和楽器が奏でる緩やかな、そして高く響く厳かな音色に、空気が澄んでいく。
雰囲気が、最初の頃と違っていた。
井上坂は、すぅ……と歯を合わせて空気を口に含み、小さく、しかしはっきりと聞こえる低い声で言葉を綴る。
「人の為に有れ」
「ひ、ひとのためにあれ」
ユウも彼に倣って言葉を続ける。
「人と共に有れ」
「……ひとと、ともにあれ」
「人と賜て有れ」
「ひととしてあれ」
「アヤカシ災禍と非ず――」
「アヤカシさいかとあらず」
「朱音の雲を褥とす」
「あかねのくもを、しとねとす」
言葉は、紡ぐうちに囃子にのって歌へと変化していった。
ユウの耳は、奥の方がキィンと鳴り続けるのを感じていたが、不思議と不快ではなかった。
すみません、途中ですが、一旦終了します。
カット
Latest
/
38:55
x1
x4
x8
x16
10s
30s
1m
5m
10m
カットモードOFF
チャット非表示 + 縮める
チャット非表示 + 広げる
チャットコメント
チャットコメント表示
広げる
文字サイズ
小
中
大
向き
チャットコメント
通知
仕神けいた
「蒼の魔法士」ただいま執筆中2021_08_18
オリジナル
ファンタジー
蒼マホ
初公開日:
2021年08月18日
最終更新日:
2021年08月18日
ブックマーク
スキ!
コメント
ただいま執筆中
チャンネル登録
「蒼の魔法士」を執筆してます。
誤字脱字、変な文字、文章多々出現するかと思いますが、ご容赦ください。
あと、考えつつなので、遅いです。
ここで綴る文章は、ワタクシめのオリジナル小説「蒼の魔法士」にて掲載予定となっております(加筆修正あり)。
どうぞよろしくお願いいたします。
小説は下記サイトより。
http://keita.obunko.com/
他のテキストライブ
コメント
「蒼の魔法士」ただいま執筆中19
「蒼の魔法士」を執筆してます。 誤字脱字、変な文字や文章多々出現するかと思いますが、ご容赦ください。…
小説
ファンタジー
オリジナル
ただいま執筆中
仕神けいた
「蒼の魔法士」ただいま執筆中18
「蒼の魔法士」を執筆してます。 誤字脱字、変な文字や文章多々出現するかと思いますが、ご容赦ください。…
ただいま執筆中
仕神けいた
「蒼の魔法士」ただいま執筆中17
「蒼の魔法士」を執筆してます。 誤字脱字、変な文字や文章多々出現するかと思いますが、ご容赦ください。…
ファンタジー
小説
オリジナル
ただいま執筆中
仕神けいた
好
230126~ 好奇心は猫をも殺す
ミステリー小説習作を書いています。3万文字近づいたので分割中~。2本目。
ミステリー
好
好奇心は猫をも殺す
【うそそら】テキストライブ
君を忘れたくないよ
伝えられないから忘れたくないから みんなはどうやって立ち直るの?
sato
日
お……終わった……
今日の日記を書いていきます。
日記
雑記
日
日記執筆チャンネル
人形使い
はじめ方
執筆(配信)のはじめ方
TOP
TOP
NEW
新着テキストライブ
検索
テキストライブ検索
タグ検索
テキストライブ タグ検索
CH
チャンネル一覧
企画
企画一覧
はじめ方
執筆(配信)のはじめ方
NEWS
お知らせ
FAQ
よくある質問
HELP
ヘルプ
お問合せ
お問い合わせ・ご要望
新着チャンネル
嵐
嵐迅短編(年齢制限あり)
最後に頼んだアイスクリーム
うしおのお茶の間
水のトカゲ
TOP
ログイン
新規登録
利用規約
プライバシーポリシー
ライセンス情報
お知らせ
よくある質問
ヘルプ
お問い合わせ・ご要望
運営情報
公式Twitter
ダークモード