§導入
「また職質されたね」
幼い声が言った。
「これで何度目?」
胡坐をかいた俺の膝の中、すっぽり収まる華奢な体。
肩元まで伸びた髪は艶やかな紅茶色に輝き、今は後頭部を俺の胸に預けている。そして幼女然とした眼差しを気だるげにテレビに向け、昼の俺を手慰みにからかっているのだ。
「10回はあるんじゃない? そろそろ警官に顔覚えられるわよ?」
「……俺が不審だったわけじゃないぞ」
「どうだか」
140㎝あるかないかの身長は、不安になるほど小さく俺の中に納まっている。まるで小動物だ。
缶ビールに手を伸ばした。
「つまんないわね、この映画」
くぴくぴと喉を鳴らし幼姿が言う。もはや飲酒になんの感慨も持たない程度に呑みなれた様子の御仁は、けれどチャンネルを変えるのも面倒らしい。そのちっちゃい手で俺の手を掴み、しばらく弄ぶと、それにも飽いたのか、指を絡めて握り膝に乗せた。
「つぐみ、リモコン取って」
「ん」
俺も特段気にも留めず、彼女にリモコンを渡す。ビール片手にテレビのザッピングとどうもおっさんじみた行為だが、生憎つぐみは中年でも男性でもない。ご覧の通りのお子様だ。少なくとも、見た目は。
「少しは怪しまれない努力をしたらどう?」
「お前がちんちくりんだから……痛っ!?」
ぎゅうっと内股をつねられ思わず飛び上がる。
「う・る・さ・い・ロ・リ・コ・ン!」
俺を見上げ俺をねめつけるが、どうにも可愛らしさが勝って愛され幼女に見えてしまう。とはいえそれが妙な迫力を生んで、思わず怯みそうになるのだが。
「ロリコンって認めたらお前はロリになるぞ……いたたたっ!?」
「口が減らないわね。今度職質されても助けてやんないわよ?」
「そしたら、……間違いなく署まで連行だな」
「そ。私と私の免許証に感謝することね」
あんまりな言葉に思わずため息が出た。
なんというか、防犯ベルを突きつけられているような気分だ。実際のところ、その気になれば社会的に抹殺することなど簡単かもしれない。幼児体形な分自衛手段は万全のようで、これまた負けん気が強いものだから気を抜くとすぐこれだ。いざとなればヒョイと持ち上げられてしまう体格差のせいか気が甘くなるのもあって、いつもこんな風に言いくるめられてしまう。
それが面白いのか。
「ふふっ、警官の前で泣いてやったらどうなるかしらね?」
あまりのことに俺は天を仰ぎ。
「とにかく、変なことだけは言ってくれるなよ」
観念したように、そう漏らした。
⁂
実際のところ、つぐみが成人済みだと一発で見抜ける人はそういないかも知れない。138㎝のその身長と、幼女然とした佇まい、そのどれもが成人女性とはかけ離れている。そこに比較的長身の俺と並ぶと、ますますちんまりロリといった印象が強くなってしまう。結果の、職質。
一応言っておくが、ロリコンだからつぐみを選んだんじゃない。そもそもきっかけはネットだったし、妙に毒を孕んだ軽妙な口ぶりが好きだったのだ。会ってやっぱり好きだと思った。愛しいとさえ思い始めた。まさかこんなちんちくりんが来るとは夢にも思わなかったが。
……寧ろ、俺がつぐみに狂わされたというべきだろう。
だって。
「……なに?」
俺の視線に気づいたのか、肩越しに俺を見上げるつぐみ。そうすれば、
つぐみには、妙に蠱惑的なところがあった。幼い躯体に大人びたまなじり、儚げなその表情と独特の毒舌。それらが一種倒錯的な調和を生んでいて、見るものを狂わせるのだ。
腰を掴んで、持ち上げると言うより抜き差しするように小躯を弾ませる背徳感は凄まじかった。小さな胎に、お腹いっぱいといった感じで俺のモノを詰める。普段あれだけ強気なつぐみが何も言えなくなって、ただひたすら喘ぎながら最後には俺の上にくずおれる。小さくも要所要所に色気を漂わす肢体で必死に俺を求め、小さな体全身で快楽に酔いしれるのだ。
思わず、その胸に手が伸びる。
「んっ♡ ちょ、ちょっと、一言断ってから触りなさいよ!」
そう言いつつイヤとは言わないあたり、OKということらしい。ああ、と曖昧に返事しながらも俺は、体格の割には若干大きめの、均整の取れた美乳のラインを手でなぞる。C寄りのBだかB寄りのCだかの乳、それが手のひらの中に納まる感覚が気持ちいい。肉まんのようなほどよい丸みが悩ましくて、つぐみの子供っぽさの中に垣間見える大人さを教えてくれるのだ。
やおら、つぐみが切り出した。
「……ねえ、たまには雰囲気変えてみない?」
「はい?」
ギロッと、一瞥くれてから。
「……はぁ。一度終わってからね」
諦めたように、ため息をついた。
「え、……いいのか!?」
「喜びすぎ。……ヘンタイ」
意外な返答に思わず声が上ずる。既に俺は、飛んでくる蹴りに構えていたところだった。なのに、OKが出たどころか2度目も示唆してくると来た。思わぬ積極さに、寧ろ驚きの方が勝ったほどだ。
「」
つぐみが唇を奪ってくる。普段は俺がする側なのに。俺が身を屈めないと届かないくせに。それが今日は、背伸びまでしてキスをせがんでくるのだ。
それに、腰つきもいつもより積極的だった。コスプレをして興奮しているのか? まさか、今更こんなことで?
「あはっ♡ きたきた♡」
§
リボンタイを解くと、俺の腕をきつく結んでしまう。
「つ、つぐみ……?」
「ぐっ、うう……」
腰の上に座られ、ずっしりとした重みに包まれる。安産型のロリ尻にのしかかられる、それだけで体がへし折れそうなほどだ。おまけに屹立した股間はつぐみの股間の下敷き。白ストお股でぎっちり包み込まれたまま裏スジを撫でられて、もうこれだけでイッてしまいそうだった。
幼女姿の恋人に圧し潰される、そんな倒錯に思わず情欲を禁じ得ない。一方のつぐみは俺の顔をジッと見下ろしながら、
「何興奮してんのよ、ヘンタイ」
ぐりぐりと、その尻で俺の股間を踏みにじった。
「ふふっ、」
白ストおみ足で俺の顔を包み、スリ……スリ……と撫でこする。
「」
「さ、私の下僕になりなさい♡」