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江草楓は、聡明を以って知られていた。
端的に言えばこのクールな少女に、
「」
級友の言葉に
「」
《 》
長いまつ毛の奥にダークブルーの瞳を落ち着かせ、端正な顔立ちをパーマ気味のミディアムヘアで彩って。
一言でいえば彼女は、非常にクールな女性だった。
男子生徒をにぎわせるのはその豊満な胸と美脚だったが、おそらくそんなものも彼女にはなんの痛痒も感じるまい。それは、思春期男子の野蛮さを心得てのことともいえる。
とはいえ、何より。
「」
子供のような躯体の男子たちに、本気になることなど彼女には元より出来ない相談だった。
身長300㎝を超える美少女たち。彼女らにとって、男子など最初から歯牙の間に置く価値もない。いわば共学は、
「」
悶々としない訳がない。知力体力精神力すべてにおいて上回る少女が、後輩として自分の下にいる。いやそれも名目上のこと。二人だけの部室では、どちらがおまけかなど一目瞭然。これでも俺だって“江草がいる程”の学校に通っている人間だ。反骨心やプライドが、ないではなかった。
「……ん、どうかしましたか」
「いや、…………何でもない」
『狭き門』に目を落としたまま、ちらりとこちらを一瞥する楓。小人など、本に落とした視線を少しずらせば視野に収まってしまうのだ。
「『狭き門』はどうだ?」
「……なんでアリサの信じる神は、こんなに超自我的というか、拷問的なんでしょうね」
「それは……」
最初から答えなど求めてなかったらしい。
ほかの少女らと違って楓は、小人だから侮るといったそんな単純な頭ではなかった。それが却って腹立たしい。なぜって、図星だからだ。でも、他の女子にそう思われたとしても受け入れてきたはず。なぜ認められたい?
その答えを出すには、俺のおつむは今一つ足りなかった。
§
「ちょっとすみません」
その言葉とともに俺に飛び込んできたのは、爆乳だった。
「ぐっ?!」
突如ドアップで現れた美少女おっぱい。それが甘い香りとともに鼻先に触れたと思えば、そのまま“む゛んにゅうぅ……ッ♡”と顔面へ押し広がる。慌てて押しのけようとしても無駄、そのデカブツは圧倒的重量で押し寄せると、そのまま特大クッションのようなボリュームで俺を押し包んでしまう。
「ぶはっ!? な、なんだッ?!」
「ああ、すみません。潰しちゃいましたね」
淡々と言いながら、けれど楓はこちらに見向きもしない。手にした物を確認すると、そのまま席についてしまう。……どうも、棚の本を取りたかったらしい。
「おまっ……、人を胸で押しつぶす奴がいるか?!」
「います。ここに」
適当にいなしつつ、眼鏡をかけるクール美少女。さらに凛と大人びた雰囲気をまとい、喚いているこちらの方が年下になった気分だ。手にしたのはジッドの『狭き門』。しかも隣には原典を置いている。どうも俺は、文庫本を入手するために殺されかけたらしい。
「」
「私だって恥じらう相手は選びたいですから」
「」
「その……、もういいですか? 本を読みたいので」
ちらりと足元の俺を
「ふぅん?」
脚を組み、ジッとこちらを見下ろす少女。目前の巨体が急に黙るものだから、存在感がいや増す。巨乳越しにこちらを見下ろすクール美少女。むっちり極太の太ももを俺の目の前で、その重量感と乳白色をせめぎ合わせ、蕩かせ合う。
それが眼鏡をはずし、大きな瞳でゆったりこちらを見つめると……。
「」
ヒョイと、俺を美脚で掬い上げたのだ。
「ひっ?!」
突如脚の間に割って入った美少女の足先、その流れるような曲線美が俺をたやすく持ち上げらせてしまう。跨った股間に感じる、楓の脛の稜線。慌てて眩しい太ももに抱き着けば、むっちぃ……っとビーズクッションのような弾力が腕の中に溢れかえった。頬に感じるしっとりすべすべの肌、少女の香り。多幸感が脳天を貫く。
けれどそれも、楓には想像以上に軽かったらしく、
「あ」
俺は、勢いのままに跳ね飛ばされてしまう。
「加減するのも難しいものですね」
背後で巨体の立ち上がる気配がある。こちらに近づいてくる。
「」
床に落ちた布を拾うように俺を持ち上げる楓。両腕を
「」
「何逃げてるんですか。後輩が怖いんですか? 先輩らしいですね」
けれど楓は動じない。ゆっくりとした足取りで淡々と距離を詰めてくる。その無言の圧力に、小男は怯えるばかりだ。もう、逃げ場もない。壁際に追い詰められ、
両手首を握り、片手で俺を持ち上げてしまう後輩女子。対する俺は、一気に持ち上げられクラクラ目を回している。そしてようやく視界が焦点を結んだと思えば、大きく広がるのはあの美貌。
「ばっ、離せ、この……っ!」
「暴れるな」
そう言って、“どむ゛ッ!”と。
楓は俺を、乳ドンで叩き潰してしまうのだ。圧倒的なボリュームとハリを誇る巨娘おっぱい、その
そして、巨体で壁に押し付ければ、
「ぐっ?! ッ〜〜〜〜!!!」
俺を包囲した爆乳、それが“むんにゅうぅ〜〜っ♡♡”と俺を押し潰したのだ。
「あーあ、涙目じゃないですか。どうしたんですか? 怖いものでもあったんですか?」
そう言いながら、容赦なく巨体を壁へ押し付ける美少女。クールな見た目とは裏腹に熱くじっとりとした体温が、俺の全身を包み込む。
「
なぜか、目を閉じた。
どころか、そのまま顔を近づけると、
「……ん」
唇を、俺へと重ねたのだ。
唇に触れる唇。
「ッ?! ん、~~~~~ッ!!!」
膝、胸、口の同時攻撃。
「ま、こんなところですかね」
手を離すと、小男はべちゃっと美女の足元に崩れ落ちてしまう。
「ほら、今度は先輩の番ですよ」
けれど、言い終わることもできなかった。
「な、何を……ぐわっ?!」
突如降って来たのは、デカ尻。