微かな室外機の音で目が覚める。カーテン越しの朝日で白い天井がうっすら青く照らされていて、朝、それもかなり早い時間なのだとわかる。覚醒するに従って昨日のことやここがどのなのかという記憶を順繰り繋げていき、最後に赤司は隣の体温がそこにあることを確かめる。
赤司もここの家主も熱中症予防をかねているとはいえ暑いからといって体を冷やすほど強く冷房をかけるほど分別がないわけではないので部屋は少し夏の暑さがわかる程度の気温に保たれている。赤司は夏用の薄い掛け布団から少し体を起こしてカーテンにうっすら汗ばんだ手をかけた。その手に一回り大きな手が重なる。
「…おはよう火神」
カーテンから優しく手を離した赤司の手を火神がそのまま引き寄せる。赤司も抵抗せずに引かれるまま掌にキスを落とされるのを眺めていた。赤司の手を取っていた手が今度は少し体を起こした赤司の肩にまわる。一瞬の間の後、不満げな顔をして見せた火神に赤司が小さく笑った。
「…二度寝は普段しないんだが」
「たまにはいいだろ」
それもそうだな、と赤司は肩に添えられた手に誘われるまま布団に再び体を横たえた。