「……あれ? 降参ってありっスか?」
「いや、ありですけど……」
 ジジイと俺の試合でも、降参というのはあった。
 闇討ちとしても使うので、基本的には信用できないのだが、浦原さんは降参してからの闇討ちなんて狙っていないだろう。
 というか、そんなものをする必要がない。
 俺は勝てないからだ。
 なんか知らないけど、俺の知らない何らかの移動方法を使っている。
 呼吸と似ている何らかの移動方法。
 呼吸より出が速く、速度も同等の移動方法。
 これを見破るまで勝利の可能性はほぼない。
 それに、あの謎の盾が俺の攻撃に見てから間に合うなら、俺の攻撃できる手段は限られてくる。
 霹靂一閃は腐っても雷の呼吸最速の技。
 それを防がれるということは、俺の最速では浦原さんには敵わない、ということ。
「いやぁ。
 源氏さん速いっスねぇ。
 やられちゃうところでした」
「はぁ」
 そんな人が、やられるかもしれなかった、なんて話している。
 その光景が少し不思議で、面食らっていたが、
「実は、あたし的にはこれをする前に合格を出したかったんでスよ」
「あぁ、たしかにこれ合格云々の話でしたね」
「忘れてたんでスか?」
「浦原さんがめっぽう強いもんだからつい……」
「そんなことないっスけどねぇ」
 浦原さんとの会話で、状況を整理することができた。
 この人としては、俺に真実を話したらしい。
 だけど恐らく、
「あ、これでジジイになんとか言えますか?」
「まぁ、えぇ」
 ジジイから、出した試練を教えろ、とかそんなことを言われているのだろう。
 それを話せる程度のデータを取ったので、すぐさま降参。
 確かに浦原さんからすればこの上なく効率がいい。
 そこで、浦原さんは口を開く。
「それじゃあ、本題に移りましょうか」
☆☆☆☆☆
 試合を終え、訪れたのは上の部屋。
 流石にもう『勉強部屋』でやることはないとのことで、上がってきた。
 込み入った話っぽいから、てっきり『勉強部屋』で話すのかと思っていたが、
「ここで話したら美味しくお茶が飲めないじゃないっすか」
「へ?」
「ここでお茶を飲みながら話すなんて風変わりな人ですね、源氏さんも」
 少し殴りたくなったが、先程の無理も祟って決断には及ばなかった。
 ということで、降りてきた時のはしごを使ったのだが、
「そんなに動けるなら鉄斎さんの手助けはいらないスよね」
「え、あ」
「じゃあ、行ってますんでー」
 浦原さんと握菱さんはそんな事を言いながら、俺を置いてそそくさとはしごを登っていった。
 一人取り残された俺は、迎えを待つなんて発想はなく、片手で登るという鬼畜プレイをしていた。
 正直はしごは片手で登るものではない(当然)
 そして登った先に待っていたのは、先に登った二人と、お茶と、菓子。
 用意してくれるのはありがたいけどそれより手伝ってほしかった。
「ささ、はやくはやく」
「誰のせいで遅くなってると思っているんですかねぇ?」
「いやいや、そんなに元気あるなら手伝うほうが野暮と言うもんじゃないですか」
「いや途中落ちそうだったんですが」
「落ちてないじゃないですか!」
「もっかい喧嘩したいんですか?」
「待って待ってさっきやったばっかじゃないですか?!」
 俺は振り上げた拳をどこにやればよいのかわからないまま、浦原さんの対面に座る。
 菓子は少しジジくさい感じを除けばおいしそうだ。
 俺がお菓子を口に放り始めると、浦原さんは説明を始めた。
 始まるのは、虚という存在の話。
 ・虚は幽霊と似ているようで違うものである。
 ・虚は幽霊人関係なく食べる。
 ・霊力強い人(霊感強い人)が食われる確率が高い。
 詳しい話もしてくれたが、割愛。
 それで、その虚を倒す(殺すではなく、罪を洗い流すらしい)のが死神
 ・死神は斬魄刀という刀を用いて、虚を倒して尸魂界という場所におくる
 ・死神は護廷十三隊という組織に所属している。
 俺が知っている話と、知らない話が出てきた。
 虚をキレイにする(物理)のが死神なのか。
 そんな設定あるのね。
 ある程度理解出来た。
「ここまでで質問はあるっすか?」
「浦原さんのさっきの十手みたいなのって斬魄刀?」
「なんでそう思ったっすか?」
「勘」
 浦原さんから少し睨まれたが、純粋に思ったことなので仕方がないだろう。
 え? もしかしてまずいこと聞いた?
「ま、あたしの場合はその尸魂界から隠れてコソコソ商売してるんスよ。
 こんな感じのお役立ち品を売って」
「コソコソしてるんスね」
「ミステリアスっスよね?」
「自分で言ったので減点です」
 そんな雰囲気は今の俺らでは長く続くわけもなく、なぁなぁで終わる。
 というか浦原さん説明が下手くそだなおい。
 あっちこっちに説明が脱線する。
 俺が相槌打ちながらちゃんと聞きたいこと聞かないと延々と話終わらなかったぞ?
「なんとなく、虚と死神については理解できました」
「助かったっス。
 あたし説明がうまくないって言われちゃうんで……」
「説明はうまくないですよ」
 ガーン、というSEが聞こえそうな表情をする……ハットでよく見えないのになんでできるんだ、浦原さん。
 浦原さんが少し落ち込んでいるが、俺としてはそんな微々たる話はどうでもいいんだ。
 死神虚の話は正直適当でもいい。
 問題は俺の話だ。
「俺って、なんですか?」
「あぁ、そうでしたね。
 丈さん、源氏さんの話でしたね」
 浦原さんは、俺の目の前に指を立てる。
「虚。
 これは生者死者問わずに人を襲う存在っス。
 それを退治するのが死神。
 では、人間は虚に食われるのをただ待つだけの存在なのでしょうか?」
 逆の手で浦原さんは指をくらおうとする手付きをする。
 小芝居をしないでほしいが、まだ脱線はしてないので黙る。
 浦原さんが俺の答えを待っているように見えた。
「あぁ、そうですね。
 俺みたいなのにも見えたので、おそらくは虚から身を守る人……ん?」
「すごいっすね。
 そのとおりっすよ」
 小芝居を忘れて、俺のことを見る浦原さん。
 俺も自分で言って気づいた。
 だけどそれって……
「俺死神じゃないんですね」
「何言ってるんスか? 現世で死神が生まれるわけがないじゃないスか」
「そういうもんですか?」
「そういうもんです」
 え? 一護って小さい頃は尸魂界で生まれたの?
 でも一護って小さい頃からここらへんに住んでたって有原が……
「それで、源氏さんは普通の人間の中で虚と対抗するための手段を生み出した存在……滅却師(クインシー)の派生である、滅却師(めっきゃくし)という人たちなんスよ」
「クインシー」
 知っているその単語。
 BLEACHの単語だろそれ。
 知ってる単語出てくると少しテンション上がる。
「君は、最後の滅却師(めっきゃくし)なんすよ」
 なんそれかっこいいやん(脳死)
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向き
BLEACH鬼滅二次創作 8話【連載】
初公開日: 2020年12月28日
最終更新日: 2021年01月09日
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BLEACH鬼滅の二次創作を書きます。
8話です。
ハーメルン内ので日間ランキングに載りました。
8年前にできたらいいな、と思っていたことが実現しました。
言葉にできない興奮です。
前回のテキストライブ→https://txtlive.net/lr/1608999567309
次回のテキストライブ→https://txtlive.net/lr/1609174162547
作品URL→https://syosetu.org/novel/245544/
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