パソコンを買い替えた。
これまで使っていた相棒が、目に見えて動きが悪くなったからだ。
改めて確認してみれば、製造から五年が経っていた。四年目に入ったら、ノートPCなら、もう寿命に達していると言っていい。そう考えれば、よく頑張ってくれたと思う。
あからさまに何をするにも動きが悪くなっていた。もう限界だと訴えられている気がして、新しい相棒を探した。ほかに使うあてもない金を使って、無駄に性能の良いゲーミングノートを選んだ。
結果的に、動作は劇的に――本当に劇的に、まるで世界が変わったかのように――改善された。何もかも早すぎて戸惑いを覚えるほどに。あらゆることが快適になった。
ただ一つを除いて。
テキストライブを除けば、文章の執筆にはずっと同じソフトウェアを使っていた。私の記憶が正しければ、もう十年以上使い続けているはずだ。StoryEditorという名前のこのソフトは、とっくに開発が終了して、何年も前に更新が途絶え、配布サイトも消滅してしまったものだった。最新のOSへの対応などできているはずもなく、「かろうじて今でも使える」というだけの、化石のような代物だった。
それでも、ずっと使い続けてきたツールだ。定期的に買い替えていたPCよりも、むしろずっと愛着がある。私の文字書きとしての命は、ずっとこのソフトと共にあった。
けどそれも、さすがに限界が来てしまったらしい。動作が不安定というだけで済めばまだよかったのだが、このソフトが起動していると、他のアプリケーションの捜査中でも、何がしかの不具合が発生するようになっていた。
もう、だめだと思った。
いつまでも過去にしがみついているわけにもいかないだろう。誰かにそう言われた気がして、代わりを探すことにした。フリーのアウトラインプロセッサ。窓の杜やらグーグル先生やらに訪ねて回れば、きっと何かしら見つかるだろう。そう思って探し始めた私の前に、それはあっけなく姿を見せた。
StoryEditor。まったく同じ名前。似た機能。でも、違うもの。何かの冗談かと思ったが、本当にあった。
それは、間違いなく私のニーズに完璧に合致しているものだった。だけど、その名前がどうしても引っかかってしまった。
あるいはまったく別の名前であれば、何のためらいもなく乗り換えることができたのかもしれない。けれど、どうしても心に引っかかる。
いくつもの作品を。公開できたものも、できなかったものも。完成したものも、未完のまま忘れ去ってしまったものも。
たくさんの思い出が、あまりにもたくさんの思い出がありすぎた。それでも仕方ないと。もうきちんと動くこともできないのだからと自分に言い聞かせて、別れを告げることにした。その相棒と、まったく同じ名前。
ばからしいとは思うが、無視なんてできそうにない。できないんだ。
だからこんなふうに、現実逃避のテキストライブなんかをやっている。
だからこれは、ただの愚痴だ。
きっと明日には、ふっきれていられますように。
おわれ。