春樹side
あ...あれ?
俺の部屋ってこんなに明るかったっけ...
電気つけっぱなしで寝たかな。
瞼に感じる日差しがあったかくって、心地いい。身体はこのまま甘やかされたいのに、違和感に気がついた脳が「起きろ、目を覚ませ」と警鐘を鳴らしてくる。
「ん...」
逆らう確固たる理由が見つからなくて、うだうだと瞼を引き上げる。
「あ...秋彦...」
1番最初に瞳に映したもの。
見慣れた、だけど、いるはずのない男の顔だった。
やっぱり。
ここが自分の部屋じゃない事を確信したと同時に、俺を抱きしめているもの正体がわかって、安堵する。俺が感じてた温もりは、こいつの体温と心音。いつもより深い眠りだった事も納得した。
「おはよ」
まだ夢の中にいる秋彦に、声をかける。
無精髭。
なんか野性味が増した気がする。
かっこいい...
ぽやんとする脳みそにはその単語しか浮かんでこなかった。
今何時だろ。
携帯
動かせる手の範囲にはそれらしき物体はぶつからない。どこ置いたのかな。鞄の中って事もありえるか。
起こさないようにモゾモゾと動いたつもりだったのに、敏感に感じとった秋彦の瞼があがって、薄い緑がかった瞳に俺が映り込む。
野生の勘まではたらくようになったのか。
「おはよう。どこも痛くないか?」
長い指が、心配そうに俺の頬に触れる。
痛い?
体?
その単語の意味を探るために、違和感を感じる部分を探す。
ないといえばないし、あると思うと痛くなる気がする。
「え?もしかして、覚えてねぇ?」
俺の様子から推測した秋彦が、目を見開いたあと、それなら好都合とばかりにニタリと笑う。
気になる。
気になっちゃったんだけど!
確かに、後ろと頭は痛い。
これは、たぶん関連性のない痛み。
頭のほうは、これまでに数回経験したことがある。ぐわんぐわんとボケた音がずっとなっていて気分が悪い。
後ろの方は、これまた覚えがある痛みではあるけれど、そうなった経緯が全く思い当たらない。
何が..あった?
何をした??
考えるよりも先に身体が動いた。
布団を剥がし、上半身を起こして、秋彦の後ろに広がるスペースに焦点を合わせる。
服の残がい、開けっ放しの鞄 見慣れない玩具 記憶にある猫耳。
サーーっと血の気が引き、指先が冷たくなる。
-5度くらい一気に降下した、'
「俺、なに、な...」
何かした?
したよなこれ。
さっきまでのふわふわした気持ちはすっ飛んで、嫌な汗で背中が冷たい。
「ま、気にすんなって」
笑みを含んだ脳天気な声が下からかけれる。
いや、気になるでしょ
この惨劇だよ?
なんにもなかったとは言わせない。
...聞いたところで時間は巻戻らないけども!!!
ってか、なんで俺ここにいるわけ?
あれ?夜...朝?昼?
そこも記憶が無い!
あ?あ"??
なんの例えでもなく
夢から覚める瞬間。
「あき...おっ?ちょ!」
昨日まで遡ろうとした脳を食い止めるように、腕が捕まれ、力任せにベッドに連れ戻されてしまう。
「まって、教えて」
俺の言葉はスルッと秋彦の頬を掠めただけ。
両手でギュッっと抱きしめられたら、そこから抜け出すのは不可能で。
俺も抵抗する事をやめてしまう。
ニヤつく顔が、いたずらに成功した子供みたいで。
「もう少しこうしてて。あとで、ゆっくり教えてやるから。」
うっぐ....
もう、寝れない
寝れないけど。
この温かさに騙されて、ゆっくり瞼を閉じた。
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ギヴン 秋春 猫耳
初公開日: 2020年11月30日
最終更新日: 2020年11月30日
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ギヴン
秋春
秋春 猫耳
ギヴン秋春 秋彦目線 モブクン出てきます なんでも許せる方向け
兎羽
日常 ギヴン 秋春
秋彦 目線雨月と秋彦が喋るとこあり いろいろ妄想 なので 許してくれる方のみ
兎羽