夜を煮詰めたようなしっぽに、私は目を眩まされた。大人達は、彼女らの脚から鱗を剥がすのに必死だった。
私が生きている浜辺の町には、時々人魚姫が打ち上げられる。温暖化で寄生虫に犯される姫たちが多いのだそうだ。海の底へ底へと潜りたいのに、目や耳が病んでしまったからうまく行かず、陸に寄せられてしまうのだ。
彼女らの脚には、性格には尾には、鮮やかな濃紺の鱗が蔓延っている。
これはね。お金になるの。私たちね。貧しいの。人魚姫はね。鱗を剥がされるといたいの。おかまいなしさ。
私たちは、金が欲しさに人魚姫の鱗を剥ぐ。遠い町の金持ちによく売れるんだ。よく焼き締めたカミソリで、鱗が傷つかないように剥いでいく。人魚姫は、切りきり、泣いて、やがて黙る。私たちは、終始だまったまま、こと。終える。
あれは死んで、私は生きるのだ。でも
なぜ?
その意味が、大人になると分かると思っていた。私は、大人にならなかった。
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人魚姫の鱗
初公開日: 2020年11月25日
最終更新日: 2020年11月25日
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コメント
即興で書きます
あなたに好かれる努力はもうしない
憎悪を糧に生きていく。誰かが不愉快におもうことは、ない、私は居ない。あなただって、どこにも居ない
森本湧水
リハビリ
SSをぼんやり書きます。見直しは一旦度外視です。
宮古遠
【紘と臣と善】夏の隙間で食べ比べ ★
臣しかいないMANKAI寮に紘がやってきて唐揚げを食べる話。善も来るよ。
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