夜は砂
夜は砂になって消え果てたのだ。でなければ、このやるせなさ、虚しさは説明がつかない。わたしの夜は果ててしまったのだった。
夜の火、というのがわたしの家に伝わっているがらくたで、女の子が生まれると押し付けられた。きれいな青い石だけど、まあ、がらくだ。だって、役に立たないのだもの。火なら暖めろ。水なら押し流せ。それが、道理。
人なら殺し合え。猿なら、笑い飛ばされろ。それが、道理。道理。道理。
つまり、わたしは、道理を背負わされたのである。いっちばんやるせない、その荷物。
夜の火。それは、女は夜しか人足るな、という、嫌がらせ。
夜だけ、火を浸けて、からからに冷めてしまえ。それで、それで。何も産み出すなと。
おまえたちは布団、枕、掛け物、モノ。ヒトデナシ。青いだけまだまし。
女は夜の火で焼いて、砂にして、で、どうするのだ。なんにもなりゃしない。
ああ、そう。女は夜、否で燃やして、沙にしたのが、積もって夜なのさ。
朝日に、だまされた