「この絵画なんだけども、手に入れることができれば、その人の愛は成就するって噂なのよ」
「じゃあその噂は嘘確定だな。姉ちゃん先月もフラれ──って!?」
一枚の絵画の前、男と女がひとりずつ真剣な面持ちで佇んでいた。そして今し方、女から男に向かって鉄拳が落とされたところだった。
脳天を押さえてうずくまる男をよそに、女は一瞬だけ現わした般若の形相を収め、再び菩薩を貼り付ける。
「そのレプリカよ。土産物屋で売ってたね。本物は街一番のスケベじじ──有力者のギュンターさんの屋敷にあるらしいわ」
咳払いがひとつ。なにかを思い出したように、女は鳥肌の立った腕をさすった。
「……で、報酬はいくらもらえんの?」
「愛しの姉上さまの愛が成就するなら、それって値がつけられないくらい素敵なことだと思わない?」
「思わねえわ」
再び飛んでくる鉄拳を見越して男は頭を覆いながらそう返したが、いつまで経っても制裁は加えられなかった。
「まあ冗談は置いておいて。依頼人曰く、家の修繕の時に勝手に持って行かれたそうよ。それが悔しくてたまらないって」
「そんな事情なら報酬はあんま期待できなそうか~」
「それがそうでもないわけよ」
女が懐から取り出したのは手の平サイズ程度の小箱だった。蓋を開ければ、中からは立派な輝きが顔を覗かせる。
「これ、その絵画より価値あるんじゃ……?」
「お金には換えられないくらい大事なものだそうで」
「ふ~ん。じゃあまあ、やってやりますかね」
男は帽子を被り直した。
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即興小説15分
お題:愛の絵画
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【書く前】
愛の絵画……題材が愛なのか???
愛???
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【書いた後】
怪盗
ものっていいよね。ゾロリとか。ルパンとか。「わーい」って楽しめるし。
まあトリックとか思いつかんから最後まで書くの多分相当難儀するんだけど。
書いてあるなかじゃ分からないけど、魔法まではいかなくても不思議現象は存在するくらいのファンタジー感のつもり。ファンタジー怪盗。ファンタジーというか呪い? 愛の絵画をみたものは正気を失うので、その所有者の言うことを聞くようになってしまうとかそんな。
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