『本日も一日元気よく過ごしましょう! まずは朝のごあいさつから──』
 眠さにまだぼんやりとする頭に、小うるさい合成音声が響く。白く飾り気のない部屋が、事前設定されたホログラムに包まれ、眼球に厳しい彩りとなっていく。
『おはようございます! おはようございます!』
 いつまでもベッドから下りようとしない主人に向かって、合成音声が話しかけ続ける。「おはよう」と、ひとこと言えばこのやたら有機的な目覚ましは止まるわけだが、逆を返せばそうしなければ止まらないということだ。
「……おは──」
「おっはよー!」
 扉がけたたましく開く音。それから鼓膜が破れそうなくらいデカい声。それで「おはよう」のコマンドが認識されたのか、うるさい合成音声はそれ以上朝の挨拶を繰り返すことはなかった。
「……まだ、早いんじゃない? だって、まだ六時……」
 扉が開いたせいで下がった気温。布団に包まりたくなるのは自然なことだ。むしろそれが自然じゃないわけだけど。
「ほらさっさと支度する! 七時には町外れの修理屋にいかないとなんだから!」
「いや~……ご無体な~……」
 剥ぎ取られる布団。ゾンビみたいにして追いすがる自分。なぜか勝ち誇ったような顔をする姉。起きたくない強い気持ち。
 自分でもわかるようなわざとらしい顔を作ってみる。
「ねえ、オレの代わりに行ってきてくれない?」
「却下」
 早かった。どうやら諦めるしかないようだ。もぞもぞと寝床から出ることにした。
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即興小説15分
お題:正しい朝
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【書く前】
正しい朝? ユートピア系の話で、朝の正しい過ごし方が規定されているとか、ディストピア系で、昔そのような朝の過ごし方が存在したらしいみたいな扱いとか、もしくは、普通に日常もので不摂生な生活をしている人が規則正しい朝を迎えるとか
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【書いた後】
近未来人類っぽい生活を送ってるけど人じゃない姉弟。
周りはかなりの割合ただのロボロボしいロボなんだけど、性能よりも、人に近付けること優先で調整された結果、無駄に情緒発達してるみたいな感じの。ちょっと前に書いたやつと繋がってる。
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