恋人の聖地と呼ばれる地は多い。大抵は少し寂れた観光地の更に奥なんかにあったりして、鐘か何かが設置されていたりして、恋人が二人でその鐘を鳴らすと永遠の愛で結ばれるという伝説がつきものだ。
 だがその実それは逆であった。鐘は鳴らされる度に真実の愛パルスが測定され、一定値を上回る者達の力は鐘に蓄積される。微々たる力を寄せ集めて目覚めの鐘としようと機関は目論んでいたが、そう都合良く蓄積できるものでもなく、目覚めを待たずして機関は予算の都合上解散した。
 鐘の撤去費用なんてものも残っておらず、各地に設置された鐘はそのまま放置されていた。錆付き、存在すらも忘れられた入り江に設置された鐘。そこに二人の男女が到達していた。既に観光ガイドにすら載っていない鐘だ。特に御利益を期待した訳でもなかろう。
 遊び半分で鳴らされる鐘の音はあたりに大きく響いた。既に機能停止していた機関の内部施設では暗闇の中、ひとつのモニターに光が差す。それは、真実の愛パルスが常人のそれを大きく上回る値であることを示していた。
 なにも知らない二人の下で地面が揺れる。大地震かと焦る男女。忘れ去られた入り江は今にも崩れ落ちそうに──崩れた。
 天井が崩落し、人間の頭など一瞬で粉砕されるであろう岩石が二人の頭上に迫る。が、突如差し出された手によってそれは遮られる。
 大きな手だった。二人を包むようにしたその手が上空へと掲げられる。目の前には手の大きさに見合う巨大な顔があった。
「やだもー! ふたりとも超行けてるカンジー!」
 その日が、恋の巨人の目覚めの日であった。
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即興小説15分
お題:恋の巨人
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【書く前】
恋の巨人って霜の巨人の親戚的な方向性? ジャイアンツ的な巨人? 恋する巨人じゃなくて恋の巨人だから属性的な感じがある。進撃の巨人的な???恋ネタってむず
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【書いた後】
このあとロボットアニメみたいなカンジで、次々に襲い来る怪人リアジュウバクハツシローと戦うことになる
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【即興】目覚めし恋の巨人よ 2020-09-30
初公開日: 2020年09月29日
最終更新日: 2020年09月30日
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